「何か変…」グルーの使用感が変わった気がする!その原因・対処法とは?
マツエクの施術には必要不可欠なグルー。高温多湿に弱いという特性を持っていることもあり、使っているうちにどうしても劣化していきます。劣化する理由はさまざまですが、使用期限が過ぎた・間違った方法で保管しているなど、条件が重なることで劣化しやすくなります。
普段使っているグルーの使用感がいつもと違い、「何か使いづらいな…」と感じたとき、グルーにはどんな変化が起こっているのでしょうか?各サロンでもグルーの取り扱いには十分注意をしていると思いますが、今一度、グルー劣化の原因とその対処法について学びましょう。
原因その1 気温の変化によるもの
1つ目の原因として、気温の変化により発生した水分がグルーと混ざることで変質が起こっていると考えられます。
気温の変化が原因で起きるグルーの劣化って?
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過去にBeautéでは、化粧品冷蔵庫にグルーを保管しましょう、という提案をしました。
家庭用冷蔵庫ではなく化粧品冷蔵庫をおすすめする理由としては、温度変化による結露の発生を防ぐという点が挙げられます。おさらいしていきましょう。
グルーの適正温度は18~23℃です。開封時と変わらない品質をキープするにはグルーの温度をできるだけ一定に保つことが重要ですが、暑い日や寒い日には室温を調整しにくい場合もあり、サロン内の温度を一定にキープするのが難しいことも。また、季節の変わり目など前日との温度差が激しい日や、急激に暑くなる・寒くなる日などもグルーへ影響を与えます。そのため、常にグルーを冷蔵庫に入れて保管しているアイリストも多いでしょう。
しかし、一般的な家庭用冷蔵庫の庫内温度は運転時0~10℃に設定されているものが多く、気温が高い時に庫内のものを取り出すと、温度変化が原因で水分(結露)が発生します。
グルーも通常の冷蔵庫で保管している場合、取り出した容器内外にこの現象が起きます。容器の内部に発生した水分とグルーが混ざってしまうことで、「ドロドロする」「硬化速度が遅くなった」など、「使用感が変わったかも?」と感じる原因になるようです。
化粧品冷蔵庫に保管すると何が良いの?
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一方、化粧品などを冷蔵・保温するための専用の冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫よりも高い温度に設定が可能です。室温と冷蔵庫内の温度差を縮めることができるため、結露が出にくく、グルーの保管にも向いています。マツエクサロンの閉店後に空調を切ってしまう場合でも、化粧品冷蔵庫内にグルーを保管しておけば適温をキープすることができますよ。
なお、取り出す際は室温が25~28℃くらいであることを確認してから取り出してください。そうしないと、いくら化粧品冷蔵庫を使ったとしても温度差が出て結露が発生してしまいますので注意しましょう。
対処法はある?
劣化を防ぐために大切なのは、グルーの適正温度を一定に保つことです。そのためにできることとしては、
- 家庭用冷蔵庫ではなく化粧品冷蔵庫を使う
- 温度の変化をなるべくなくすよう、取り出したらすぐ使う・使い終わったらすぐしまう
などを心掛けてグルーを管理すると良いでしょう。
原因その2 保管場所の問題
2つ目に、間違った場所に保管することでグルーが劣化してしまい、使用感が変化する場合があります。
日光がグルー劣化の原因になってしまうことも
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先述したとおり、グルーには適正温度があります。保管の際はその温度で保管するのがベスト。サロンの中でも気温が高くなるところに長い間置きっぱなしにすることは避けましょう。
特に注意したいのが、窓際に置いてある収納棚などに保管する場合です。日光が当たる場所に設置されている窓には、棚内に向かって日が差し込みます。その中にグルーをしまっていた場合、グルーの温度も当然上昇していきます。高い温度や、日の入り具合での温度差により劣化を引き起こします。
また、日光には紫外線が含まれています。紫外線には肌を老化させるなどの影響があり、グルーに対しても劣化を早める原因の1つになります。紫外線を長時間浴び続けたグルーは成分が変化し、使用時に違和感を覚えることがあります。
備品管理の面から収納棚が保管しやすいという場合もありますが、サロン内のレイアウトや収納棚を置く位置を決めるときには、「日の当たる場所ではないかどうか」「日中と夕方の日の当たり方」もチェック項目として加えてみてくださいね。
アルミのパウチ袋もきちんとフタをしよう!
グルーは、購入したときについてくるアルミパウチに入れて保管しているアイリストが多いと思いますが、フタは毎回きちんと閉めていますか?「施術の合間にしまうから、お客様を待たせるのも悪いし、入れるだけになってしまう」など、忙しさからついついフタを閉める手間を省いてしまうこともありますよね。
しかし、これではパウチ袋の意味がありません。というのも、パウチ袋の中にはグルーと一緒に乾燥剤(シリカゲル)が入っているからです。グルーは高温多湿を嫌うため、保管するときは乾燥剤を一緒に入れて袋内部の湿気を吸い取ります。しかし、フタが開いたままの状態だと…。そうです、袋どころか周囲の湿気まで吸ってしまいますよね。
基本的に、乾燥剤の機能は一度吸湿したら使用前に戻ることはありません。フタをすることでパウチ袋が密閉され袋の中に発生した湿気だけを吸い取り、グルーの品質をキープしてくれます。そのためグルーを使い終わったあとは、きちんとフタを閉めるようにしましょう。万が一、何度もフタを開けたままにしてしまった場合には、乾燥剤を取り替えて湿気対策を行うことをおすすめします。
対処法はある?
保管場所に関する対処法ですが、以下のようなことが挙げられます。
- 収納棚にしまう場合は直射日光が当たらないようにする
- アルミパウチのフタはきちんと閉める
- 乾燥剤を新しいものに取り替える
これらを守ることで、グルーの劣化を遅らせることができます。開店前の申し送りや閉店作業時にも、意識して確認すると良いでしょう。
原因その3 空気に触れることによる劣化
グルーの使用感が変わる3つ目の原因として考えられるのは、グルーが空気に触れることによる劣化です。
出したグルーだけではく、容器内に残ったグルーの劣化にも注意!
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以前にも、グルーの劣化速度についてお伝えしました。
マツエクのグルーは、主成分・シアノアクリレートが空気中のわずかな水分と反応し、硬化します。硬化するのは、何もグループレートに出したグルーだけではありません。キャップを開けたグルーの容器のノズル部分も空気に触れているのです。このため、グルーが空気に触れる機会が多かったり、時間が長かったりすると、使用前のグルーも劣化が速くなってしまうことになります。
さらに、容器内に入ったままのグルーにも注意が必要です。容器の形状にもよりますが、グルーを出すときに容器を少し押すこともありますよね。液体などを入れた容器は、外側から圧力をかけると容器が元の形状に戻ろうとする際、空気が入り口から容器内に入り込みます(逆流)。グルーの容器にも同じ現象が起こっていて、ノズル部分から容器内に空気が入ってしまうことで、知らないうちに劣化し「何だか使いづらい」と感じる場合もあるのです。防ぎにくい原因ではありますが、適切な保管や使用をしていても容器の構造的に劣化を引き起こしていることがあるという認識は持っておきましょう。
使用期限はきちんと守ろう!
グルーには、未開封時・開封時の使用期限がありますよね。使用期限が過ぎたグルーを使うと、いつもより硬化速度が遅かったり、モチが悪かったりします。これは劣化が原因ですので、できれば早めに新しいグルーと取り換えることが大切です。
施術は安全・安心が最優先事項。マツエクはお客様の目の周りなどデリケートな部分に触れるもの、という意識を常に持って商品管理をするようにしてくださいね。
対処法はある?
グルーはどうしても劣化するものですが、
- 空気に触れる頻度・時間を減らすために、キャップはすぐ閉める
- 使用期限内にグルーを使い切るようにする
- 使用期限が切れたグルーは新しいものと取り換える
- 使用期限のリストアップなど、備品の管理を徹底する
など、劣化を防いだり、安全に管理する方法はたくさんあります。できることから始めてみましょう!
まとめ
グルーを使っていて、「使用感が変わったかも?」というときは、グルーが劣化しているサインの可能性が高いです。グルーが劣化してしまうと品質に影響し、当然マツエクの施術の善し悪しにも関わってきます。
気温の変化や保管場所、空気に触れることによる劣化は、気をつければ防げることは多いです。そのためにも、普段からしっかりと使用状況や管理状態を把握しておくようにしましょう。200702Eiy