あなたは本当に「似合わせマツエク提案」ができていますか?カウンセリングや施術時のポイントを確認!
目の形やまつげの特徴は、人それぞれ。似合うマツエクのデザインも、人によって異なります。お客様のご希望通りに施術できる技術も大切ですが、より似合うスタイルを提案できる力も不可欠です。アイリストに求められる「似合わせ提案力」について、ポイントを見ていきましょう。
なぜ今、似合わせ提案力が重要なの?
お客様のご要望通りにマツエクを装着したのに、「なんかイメージしていたのと違う…」とご納得いただけなかったことがあるというアイリストも多いでしょう。確かな技術があっても、お客様のご要望されたイメージのすり合わせができていなかったり、そもそものデザインがお客様に似合うものでなければお客様の満足度は上がりません。マツエクサロンは数多くあっても、「本当にお客様自身に似合うデザインを提案できる」サロンは意外と少ないのが現状です。
似合わせ提案ができる力があれば、他のサロンと差別化でき、「このアイリストに任せれば大丈夫!」という信頼を得ることができます。
大きなポイントとしては以下の3つが挙げられます。
- お客様の要望をしっかり聞き出すヒアリング・カウンセリング力
- その要望がお客様に「似合う形」に微修正する知識とイメージ共有力
- その要望を実際にデザインや形にする、装着の技術力
詳しく見ていきましょう。
お客様の要望をしっかり聞き出すヒアリング・カウンセリング力
まずは「聞く」「見る」ことで提案の精度を上げる
出典:photoAC
似合わせ提案で重要なのは、お客様の話から「なりたいイメージ」を明確にすることです。まずは「今日はどんなデザインがご希望ですか?」とお声がけして、長さやカールなどのご希望を聞きます。お客様によっては、なりたいイメージをどう伝えれば良いのか分からない方もいらっしゃるかもしれないので、仕上がりのイメージ写真などがあるとより共有しやすくなります。
カウンセリングをする際、「お客様にはもっと違ったデザインの方が似合うのに…」と思っても、ひとまず「聞く」ことに徹しましょう。それから、お顔立ちやまつげを「見て」お客様の持っているイメージと、アイリストから見たお客様に最適なデザインが一致しているかを確かめていきます。
その要望がお客様に「似合う形」に微修正する知識とイメージ共有力
要望に対して調整が必要な似合わせ提案では、丁寧に分かりやすい言葉を選ぶ
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お客様のご要望とアイリストが思う理想のデザインが一致していれば、「それでは〇〇なデザインで施術していきますね」と方向性を確認して、長さやカールの決定を行い、そのまま施術に進むことが出来ます。
一方、似合わせの観点から、お客様の要望とは別のデザインを提案する場合、分かりやすい言葉で丁寧に伝えていくことが必要です。
ここで丁寧さが欠けてしまうと、「自分のなりたいイメージを否定された!」という不満につながりかねません。まずはお客様の要望は理解した旨を伝え、その上で別のデザインを提案したいことを理由とともに丁寧に伝えていきましょう。このとき、「似合わない」などの否定的な言葉は使わず、「より素敵に見える」といった肯定的な言葉を選ぶとスムーズに進みますよ。
その要望を実際にデザインや形にする、装着の技術力
ここからは、どうやって似合わせデザインを見極めて実現していくのか、ポイントを見ていきましょう。
自まつげの状態や生活習慣などから実現可能なデザインを考える
見た目の美しさはもちろん重要ですが、普段の生活に支障のあるデザインであればお客様に喜んでいただけません。デザイン性やトレンドだけを追求するのではなく、お客様の普段の生活にも思いを巡らせることが重要です。
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アイリストは自まつげの状態を見極めてデザインをチョイスすることができますが、お客様にとっては難しいこと。
- 自まつげの長さやカール、量
- お客様のお顔立ちを見て全体のバランス
を見極めながら、お顔立ちが薄い方には悪目立ちしない長さを選んだり、一重や奥二重の方には少し長めのエクステを選んだり、といった提案をしていきましょう。
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カウンセリングでは、お客様のライフスタイルを意識したヒアリングが不可欠です。
- 仕事の都合であまり派手なマツエクはできない
- 普段めがねを着用するため、デザインに制約がある
このようなお客様の場合、デザインにも工夫が必要になります。
派手なマツエクができないお客様の場合、Cカール以上のしっかりカールがついたものを選ぶと、短いエクステでもぱっちりとした印象に仕上がります。
普段はめがねを着用されるお客様であれば、まつげがめがねに当たってしまわないよう、自まつげと同じか1~2mmほど短いエクステを使用するのがおすすめです。
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お仕事やめがねの他にも、
- アレルギーがあり目をよくこすってしまう
- 寝相が悪くてうつぶせで寝てしまうこともある
というお客様にもデザインの配慮が必要です。
目頭や目尻のエクステを短くしたり、本数を減らしたりすれば、目を触ってしまってもエクステのモチが良くなるかもしれません。お客様には、デザインによってモチや快適度にどんな変化があるのかをしっかり説明し、ご納得いただいてから施術に移りましょう。デザインによるメリットとデメリットを知れば、お客様も判断しやすくなります。デザイン性と実生活での快適さのバランスがとれたデザインを提案してみましょう。
「なりたいイメージ」に合わせて要望が擦り合っているか
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お客様がご自身のお顔で気にされている点やメイクで気をつけている点を知ると、なりたいイメージが浮かび上がってきます。クマが気になる方はコンシーラーを念入りにするし、シミが気になる方はアイメイクよりファンデーションに注力する。といった具合に、その人が「カバーしたい」ところは、マツエクのデザインにも活かすことができます。
メイクをするときにエイジングケアに注力されているお客様だと、黒よりブラウンのカラーエクステの方が悪目立ちしにくくなります。マツエクのカラーやデザインによって、どんな効果を引き出せるのか知っておくと、より幅の広い提案ができるようになりますよ。
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カウンセリングを終え、施術台に移ってから改めてお客様の目元を見たとき、「正面から見たときと自まつげの状態が違う!」なんてこともありますよね。せっかく丁寧にすり合わせたデザインの方向性も、自まつげの状態によっては上手く表現できないこともあります。一旦お客様に納得いただいた方向性を変えるのは申し訳ない気もしますが、事前に受けた説明と実際の仕上がりが大きく変わってしまうとクレームにつながりかねません。気づいた時点で、理由と新しいデザインを丁寧に説明していきましょう。
お客様の目の形や顔の形と「なりたいイメージ」の組み合わせ
お客様本来のお顔の魅力を引き出すには、黄金比をしっておくと良いでしょう。黄金比とは、そのものが最も美しく見える比率のこと。1:1.618という比率で、ミロのヴィーナスやピラミッドにも使われているのだそうです。この黄金比は人の顔にも応用できます。顔の黄金比は下記の通りです。
- 顔の横幅が目幅の5倍
- 目頭から目尻までの幅が、両目の間隔と同じ
- 目の幅が「縦:横=1:5」
- まつげの生え際:まつげの生え際~眉毛までの上まぶた=1:1.618
- まつげの1番長い部分:瞳の直径=1:1.618
黄金比を知っていれば、どんなお顔の方でもバランスのとれた似合わせ提案がしやすくなります。ただし、この黄金比にとらわれすぎるのはNGです。比率ばかりを気にしすぎて、「お客様がなりたいイメージ」や「本当にその人に合ったデザイン」になっているか客観視できなくなるからです。黄金比は、あくまでベースのデザインを考えるための参考にし、最終的にはお客様の特徴やご要望に合わせて微調整していきましょう。そうすることで、オンリーワンな似合わせ提案ができるようになりますよ。
まとめ
お客様に本当に似合うデザインを提案するには、お客様がどんなイメージを思い描いているのかをしっかりヒアリングすることが不可欠です。その上で、本当に似合うデザインや、より快適に過ごせるための工夫を提案していきましょう。似合わせ提案ができれば、お客様の期待値を上回る仕上がりを実現できるかもしれません。アイリストならではの専門知識と客観性で、お客様に似合わせ提案をしてみてくださいね。200810Ezt