マツエク後に目が充血!治し方はある?【考えられる3つの原因と対策の仕方】
マツエクの施術を終えて仕上がりを確認してもらう際、お客様の目が充血していた!ということはありませんか。
施術前には問題のなかったお客様の目が、真っ赤に充血していると施術中に何か不手際でも起こしたのかと焦ってしまいますよね。充血が起こらないように対策することはもちろんですが、アイデザイナーとしてできる治し方を知っておくことも大切です。
そこで今回は、マツエクの施術と「充血」の関係について解説します。目が充血するしくみや原因を知り、お客様への正しい対応方法を身につけていきましょう。
目が充血するしくみって?
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「充血」とは、目の疲れや炎症などにより、白目にある血管が膨らんでしまった状態のことです。
白目の表面を覆っている「結膜(けつまく)」という薄い膜には、細い血管が通っています。血管は細いため普段は見えないものの、さまざまな原因によって膨らむことで赤く見えるようになります。
細い血管が膨らみ、表面上に浮き出て赤く見えることが充血のメカニズムです。
マツエク以外で目が充血する原因
目が充血する原因は、大きく分けて以下の3つがあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
目の疲れ
1つは「目の疲れ」によるものです。テレビやパソコン、スマートフォンの画面を長時間見続けていると、目周辺の筋肉疲労が起こります。
目に負担がかかると、酸素を運ぶために血流量が増えたり、涙の供給不足になったりします。目の疲労が原因で血管が膨張し、充血してしまうのです。
目の酷使だけでなく、寝不足で目を休息できてない場合も充血につながります。
外部からの刺激による炎症
以下のような、外部からの刺激が加わることによって、充血が起こることもあります。
刺激を受けることで目が炎症を起こし、充血につながります。
病気による炎症
目の病気による炎症も、充血を引き起こす原因になります。目の病気とは、主に以下のとおりです。
上記の病気が原因で炎症を起こし、症状のひとつとして充血につながります。
目の病気が原因の場合は、眼科での適切な治療が必要になるため、受診を促しましょう。
マツエク後に目が充血する3つの理由
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マツエク後に目が充血する理由は以下の3つです。
マツエク施術前は正常であっても、上記が原因となり充血を引き起こします。ひとつずつ深掘りしていきましょう。
①施術中に目が開いてしまい乾燥する
マツエク施術時は目を閉じるものの、なんらかの原因で目が開いていた場合は乾燥が起こり、充血につながります。
人の目は、まばたきをすることで涙腺から出る涙を表面部分へと運び、潤いを保つ仕組みです。しかし、アッパーテープでまぶたを引き上げすぎていた場合は、目が開いた状態になっていることがあります。少しでも目が開いていると、涙を供給することができずに目の表面が乾燥し、結果的に充血が起こるのです。
アッパーテープをしていない場合でも、寝ると目が開きやすいというタイプのお客様は乾燥を起こしやすくなります。
②眼球への接触で刺激を受ける
マツエク施術中に、以下のような眼球への刺激があった場合も、充血するきっかけになります。
アイデザイナーの技術力も大きく関わってくるため、眼球に触れることのないよう徹底しましょう。
③グルーに含まれる成分で刺激を受ける
マツエクの接着剤である「グルー」に含まれる成分の刺激で、充血を引き起こす場合もあります。
グルーには、硬化させるための成分「シアノアクリレート」が含まれています。このシアノアクリレートが硬化するときに発生した「ホルムアルデヒド」という気体が、眼球や粘膜に刺激を与えるのです。この刺激が充血へとつながります。
とくに、ドライアイや、目を酷使している・疲れている方はホルムアルデヒドの刺激に敏感になっているため、注意が必要です。
▼ホルムアルデヒドについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
マツエクで目が充血しやすい状態とは?
マツエクの施術で目が充血しやすい状態は以下のとおりです。
充血しやすい状態をしっかりと把握し、事前にお客様へ伝えておきましょう。それぞれ詳しく解説します。
ドライアイの症状がある
ドライアイの症状がある場合は、マツエクの施術で充血を起こしやすくなります。
ホルムアルデヒドは、涙の量が少なく目の表面が乾燥している場合や、ドライアイの症状があるときに痛みを感じやすくなるのです。ドライアイの症状が酷く施術が難しいと考えられる場合は、予約の日にちを変更するなど目の健康状態を優先して対応してくださいね。
女性ホルモンのバランスが不安定である
ホルモンバランスの変動によって充血しやすくなることもあります。
女性の場合は、妊娠や出産、毎月の月経によってもホルモンのバランスが大きく変化します。普段より刺激に敏感になることもあり、少しの刺激で肌荒れや痛みを引き起こす可能性があるのです。
女性ホルモンは、妊娠中や産後の授乳期、PMS(月経前症候群)だけでなく、ストレスや体調不良によってバランスが乱れてしまうこともあるため、施術当日の体調をしっかりと把握することが必要といえます。
▼ホルモンバランスによるまつ毛の変化はこちらの記事を要check!
マツエクで目が充血したときの治し方2つ
マツエクで目が充血したときの治し方は以下の2つです。
アイデザイナーができる治し方を知り、お客様へ適切な対応ができるようにしましょう。
治し方①グルーやマツエクの状態を見直す
施術後にお客様の目が充血していた場合、グルーが乾いているか、根元の装着距離が正しいか見直しましょう。
グルーの硬化スピードはサロン内の湿度や温度によって異なるものの、完全に乾くまで6~12時間かかるといわれています。できるだけ目への刺激を減らすためにも、充血している場合は長めに風を当て、しっかり乾かしてくださね。
また、根元が近いエクステがあるとまばたきで眼球に接触して、充血がひどくなる場合があります。根元が近いエクステは外し、装着に不備がないか見直しましょう。
治し方②眼科の受診を促す
充血がひどく真っ赤になっていたり、3日以上続くと連絡があったりした場合は、眼科の受診を促す必要があります。
グルーが原因の場合は、通常2~3日ほど経過すれば自然におさまるため、長引く場合は炎症を起こしている可能性も。自己判断せずに、速やかに眼科を受診するようおすすめしましょう。
市販の目薬で充血は治せる?
「充血した目を白くする」という作用の市販薬はおすすめできません。
市販の目薬の中には、「血管収縮剤」という成分が含まれるものがあります。膨らんだ血管を強制的に収縮させ、「一時的に白目を白く見せる」というものです。
白くなるものの、根本的に充血が治ったわけではありません。そのため、血管収縮剤を使用したあとに眼科を受診しても、正しい診断ができない場合があります。
目が乾燥して充血している場合は、涙と同じ成分の目薬を選びましょう。
マツエク後の充血を防ぐための対策
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マツエク後の充血を防ぐための対策は以下のとおりです。
充血を引き起こさないためにも、予防法を把握しておきましょう。
目の症状のカウンセリングを徹底する
マツエク後の充血を防ぐためには、事前のカウンセリングを徹底しましょう。
カウンセリングといえば、目元の悩みやエクステのデザイン選びが会話の中心になりがちですよね。しかし、充血や目の違和感などのトラブルを未然に防ぐためには、お客様の健康状態をしっかりと把握することが大切です。
以下のような体調や生活の変化をしっかりと聞き出しましょう。
施術前に目薬をさしてもらう、できるだけ目が疲れていない状態でご来店いただくなど、お客様にも無理のないご協力をお願いして対応する必要があります。
低刺激のグルーに変える
充血が気になるというお客様には、低刺激グルーの使用も対策のひとつです。低刺激グルーは、揮発成分であるホルムアルデヒドの拡散スピードが遅く、刺激が少なくなっています。
ただし、低刺激グルーは接着力も弱くなるため、マツエクの持ちについて事前に説明しましょう。
マツエクアレルギーに要注意!
充血以外の症状がある場合、グルーによるアレルギー反応の可能性も考えられます。
アレルギーの場合は充血のほかに、まぶたの腫れや赤み・かゆみ・ゴロゴロするといった症状が見受けられます。
アレルギーの主な原因は、グルーから発生するホルムアルデヒドです。マツエク後にアレルギー症状を疑う場合は、マツエクをオフして眼科を受診してもらいましょう。
▼アレルギーに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:マツエク後の充血について正しい知識を持とう
施術前は正常だったお客様の目が、マツエク後に充血していたり、トラブルが起こってしまったりすると症状が心配なのは当然です。お客様からのクレームに発展してしまうのではないかと不安を感じることもあるでしょう。
しかし、アイデザイナーとして充血が起こるしくみや治し方、対策法を把握しておくことで、お客様を不安な気持ちにさせることなく適切な対応ができるようになります。
技術力はもちろんですが、プロとして正しい知識を持っておきましょう。