メーカー別!質感の違いを比較してみた
各メーカーから多くのエクステが販売されていますが、それぞれにイチオシのエクステがありますよね。しかし、なぜ同じ「ミンク」や「セーブル」にもかかわらず、メーカーによって質感に違いがあるのでしょうか?今回はその理由と、メーカーごとに違う毛質の特徴をご紹介します。
そもそもなぜメーカーによって同じ毛質なのに質感が違うの?
「A社のミンクエクステと同じ感覚でB社のミンクエクステを購入したら、全然質感が違っていてビックリした!」
なんて経験はありませんか?アイリストでも意外と知らないのですが、同じ毛質でもメーカーによって質感が異なります。一般的に、“「ミンク」にはほど良い硬さがあり、マスカラを付けたような仕上がり”などと表現されますが、商品によっては自まつげのようにしなやかさがあり、ナチュラルな仕上がりとなるタイプもあります。
その理由は、メーカー間で定められた正式な基準がないため。
そもそも、「ミンク」や「セーブル」は単なる商品名でしかありません。どのエクステも、基本的にはPBT(ポリブチレンテレフタレート)と呼ばれる素材でできています。しかし、加工方法や原糸の種類の違いにより、柔らかさやボリューム感、ツヤ感などに差が発生。その仕上がりを見て、メーカー側が「ミンク」や「セーブル」などと選別していきます。例えば、仕上がった毛がミンクタッチであれば「ミンクエクステ」、セーブルタッチであれば「セーブルエクステ」のように仕分けているだけ。同じ「ミンク」という名称のエクステでも、メーカーや商品によって微妙に違っている理由は、この工程にあるのです。
メーカーによってミンクタッチやセーブルタッチの判断が異なるため、毛の質感に違いが生まれても仕方がないのでしょう。
では、メーカーによってどの程度違いがあるのでしょうか。マツエクの商材メーカーを代表する、松風とFoula Store(フーラストア)のイチオシ商品を元に比較してみましょう。
ミンクの毛質比較
まずはミンクから比較していきます。どちらのメーカーも、Cカールの11mmでピックアップしてみました。
【松風】
ベルベットミンク【シートタイプ】(非抗菌)C0.15×11mm
引用元:公式サイト
【Foula Store】
【フーラ】プレミアムミンクタッチ シート Cカール/11mm×0.12mm
引用元:公式サイト
以上2つを比較してみると、まずはその光沢の違いに気づきます。松風にはハッキリとした光沢がある一方、Foula Storeは上品さの残るマットな質感ですよね。実際に施術を行なうと、松風の方はマスカラをつけたような印象に近付き、Foula Storeの方は自まつげに近い自然な仕上がりとなるでしょう。
その差が生まれる理由は、使用している原糸が違うこと。それぞれの特徴とともにご紹介します。
【松風】
・PBT(ポリブチレンテレフタレート)を使用
・しっとりとしたツヤ感が特徴
松風のベルベットミンクは、一般的なマツエクと同じく、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を使用しています。仕上がりの質感が、ベルベットやミンクの毛並みに近いツヤ感であったため、「ベルベットミンク」と名付けられました。つまり、あの光沢感があるからこそ、松風は「ベルベット“ミンク”」と名付けたのですね。
【Foula Store プレミアムミンクタッチ】PBT(ポリブチレンテレフタレート)を使用
・原糸に高級ポリエステルを使用
・適度な光沢で自まつげによくなじむ
Foula Storeのプレミアムミンクタッチは、素材の良さが魅力のひとつ。高級ポリエステル原糸を使用することで、上品な光沢を残しました。適度な光沢感のおかげで自まつげに馴染みやすく、触り心地も良いと好評。装着したときの違和感も少なく、一般的に広まっているミンクのイメージだけで施術を受けると、その柔らかさに驚くことでしょう。
先ほどと同じ「ミンク」ではありますが、Foula Storeの考えるミンクタッチはコチラの質感。松風に比べると少し光沢を抑え、自まつげに近い形に毛先がカットされているようです。
セーブルの毛質比較
次にセーブルを比較していきます。こちらも、Cカールの11mmでピックアップしてみました。
【松風】
先細抗菌やわらかシルクセーブル【クリーンラッシュシートタイプ】
引用元:公式サイト
【Foula Store】
【フーラ】エアーセーブル シート 12列 Cカール 0.12mm
引用元:公式サイト
セーブルでもやはり、松風の方が光沢感の強い印象ですね。その差はやはり、使用する原糸の影響。ミンクもそうでしたが、メーカーによって採用している原糸が違うため、見た目に大きな違いがあるのです。また、実は見えない部分にも大きな差があります。それぞれの特徴を、使用している原糸とともに整理していきましょう。
【松風 先細抗菌やわらかシルクセーブル】
・抗菌素材の毛を採用
・雑菌の増殖を抑制
・ボリューム感を演出
従来の商品に多く見られる「殺菌・滅菌処理済みエクステ」は、加工済みの毛に殺菌・滅菌のコーティングを行いますが、松風の「先細抗菌やわらかシルクセーブル」は、原糸自体が抗菌素材。目のトラブルの原因ともいわれる黄色ブドウ球菌や大腸菌などを抑制し、清潔な状態を長期間維持してくれます。実はマツエクをつけた目元は、洗浄が行き届きにくい状態です。なぜなら摩擦に弱いマツエクに気を遣って、優しく目元を洗浄してしまうため。根本の汚れが落としきれず、雑菌の繁殖しやすい状態が多く見られます。その点、「先細抗菌やわらかシルクセーブル」のように抗菌素材の原糸を使用したマツエクであれば、トラブルのリスクを軽減できると考えられています。
また、「先細抗菌やわらかシルクセーブル」には2種類用意されていて、「ボリューム感のある仕上がり」と、「自然にまつげに馴染む軽くてやわらかい質感」が選べます。今回紹介している商品は、「ボリューム感のある仕上がり」が特徴のタイプ。エクステ自体に太さがあるだけでなく、光沢を持たせることで1本の存在感が増し、少量の施術でもしっかりと目力をUPできます。
【Foula Store エアーセーブル シート】
・3ヶ月かけて見つけた柔らかい原糸を採用
・空気のように軽い
対して、Foula Storeの「エアーセーブル シート」は、柔らかい原糸を追求。3ヶ月かけて選定し、実現まで1年の時間を要しました。開発時に大切にしたことは、空気のような軽さとカール感。重量を軽くすると、目への違和感が少なくなり、つけ心地も向上するでしょう。さらに、細くて柔らかい毛でありながら、カールのキープ力も妥協なく求めたとのこと。画像を見ると分かる通り、どの毛も美しいカールを維持しています。その精度の高さは、実際に手に取ると実感できるはずです。
しかし、同じ「セーブル」ではありますが、松風と比較してマットな質感ですよね。これは、「エアーセーブル シート」は、自まつげへの馴染みやすさを重視しているから。先ほど紹介した「先細抗菌やわらかシルクセーブル」は、ボリューム感を重視した商品であるためツヤ感が必要でしたが、自まつげに馴染ませるためには適度なマット感が求められます。
同じ「セーブル」でも、メーカーの考え方や求める仕上がりによって質感に大きく違いが生まれることがよく分かりますよね。
まとめ
メーカーによる毛質の違いを、実例とともにご紹介しました。マツエク施術経験のあるお客様の中には、「シルクってあまり質が良くないのでは?」「セーブルは高品質って聞いたことがある!」などと、他のサロンでの情報でインプットされている人もいるかもしれません。その場合、カウンセリング時に「一般的にシルクはリーズナブルである一方、硬い質感と言われがちですが、うちのサロンの場合、シルクが最も自まつげに馴染みやすく、つけ心地への満足度も高い毛です。」などと、特性とともにご紹介すると良いでしょう。「セーブルだから良い!というわけではないのか」と、理解してもらえるはずです。また、自店で取り扱っているエクステの特徴や魅力を、お客様にも分かりやすく伝えられるよう分析しておくことも重要。もし「前のサロンだと『シルクはあまりオススメしません』と言われたのですが…」と相談されたとき、アイリスト自身がきちんと特性を理解しておかなければ、お客様が納得できるような回答ができません。忙しい時間の中でも商材研究に時間を割き、自店のエクステの魅力を自分の言葉で伝えられるようにしたいですね。
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