「そのマツエクグルー、もう廃棄かも?」グルーの使用期限と保管方法

この記事をシェアする
サムネイル

マツエクの仕上がりを左右するグルー、みなさんは開封してからどれくらいで廃棄にしていますか?開封した後も長期間使用している…実はそれはNG。使用期限が過ぎたグルーは、品質や施術速度の低下にも繋がり、仕上がりに大きな影響を及ぼします。正しい保管方法で、廃棄期限をしっかりと守ること、これはアイリストの基本中の基本。今回の記事では、グルーの使用期限と保管方法について詳しく解説していきます。

グルーの使用期限とは?季節によって違う?

グルーの使用期限は製品によって異なりますが、基本的に未開封で2ヶ月、開封後は1ヶ月だと言われています。開封後とは、商品到着後に即日開封した場合のことです。

また、グルーは高温多湿に弱いため、使用期限は季節によって異なります。つまり、冬よりも夏の方が使用期限は短くなってしまう、ということです。 夏は気温が40℃を超えることがしばしばあります。空調の効いていない室内であれば、気温が50℃をオーバーする可能性も。もちろん、サロンでは、お客さまが過ごしやすいようにクーラーを活用して室温調節しているはず。しかし夜間や定休日までクーラーをかけっぱなし…というわけにはいきません。 そうすると、グルーを高温の室内で保管することになってしまいます。 グルーを保管する最適な環境、それは18~23℃の冷暗所。つまり、夏場のサロンはグルーの理想的な保管場所とは言えません。そんな状況下で長らくグルーを放置してしまうと、グルーの劣化が早まってしまう可能性があります。

グルーの廃棄を守らないとどうなる?

もちろん、使用期限が過ぎてもすぐに使えなくなるわけではありませんが、古くなればなるほど中身は劣化します。使用期限の切れたグルーを使用した場合、

  • 接着力の低下
  • 持続力の低下
  • 眼病など、目元のトラブルの増加

といったリスクも…。

通常、マツエクのグルーには、酸化を防止する「防腐剤」が配合されています。 しかし使用期限が切れてしまうと、その防腐剤の効果が薄れてしまいます。使用期限が切れたからといってただちに腐り始めるわけではありませんが、やはり安心できないですよね。

また、ほとんどのグルーはさまざまなテストを経て販売されていますが、いくら入念なテストをクリアして販売されたグルーと言えども、使用期限が切れている場合、その安全性は保障されません。グルーはお客様の大切な目元へと使用するアイテム。だからこそ、正しく安全に使用する義務があるのです。

もう一点、覚えておいてほしい注意事項があります。それは、使用頻度が高ければ高いほど劣化速度が早くなる、ということ。 グルーの主成分であるシアノアクリレートは、空気中に含まれる微量の水分に反応して硬化を始めてしまいます。つまり、使い切るまでに何度もキャップを開け閉めするなどして、グルーが空気に触れる頻度が多くなると、その分劣化のスピードは速くなるということです。 劣化が進むと、例え使用期限内であったとしても、

  • ドロドロしている
  • 糸を引く
  • 硬化速度が遅い


という症状が見られることも。この場合は、潔く新しいグルーへと交換してください…!

正しい保管方法を守ろう

グルーは保管方法を間違えると、品質が変わってしまいます。この項では、正しいグルーの保管方法を、今一度おさらいしていきましょう。

基本の保管方法

グルーは、18~23℃を維持できる冷暗所で保管しましょう。この際、横に倒してしまうとグルーが漏れ出す可能性があるので、必ず立てた状態で保管してください。 通常、グルーは乾燥材と共に、アルミ袋に入った状態で販売されています。理由は、グルーの劣化を引き起こす原因となる湿気やアンモニアガスを防ぐため。サロンでも同じように、劣化を避けるため、乾燥材と共にアルミ袋に入れて保管しましょう。

特に、夏場は注意が必要!

気温も湿度も上がる夏は、最もグルーの管理に気を使う季節です。常温で保管してしまうと、あっという間に温度が上がり、グルーが劣化してしまいます。そこで活用したいのが、化粧品用冷蔵庫です。

Wooce ミニ冷温庫8L LED化粧鏡付き 家庭車載両用

画像元:Amazon

こちらは、冷蔵・保温の両方で使えるミニサイズの冷温庫。8リットルのコンパクトな貯蔵スペースは、サロンでの保管に便利です。18℃程度に温度設定を行えば、一年中適切な温度でグルーを管理できるでしょう。

冷蔵庫は、結露に注意!

化粧品冷蔵庫でグルーを保管する場合に気をつけなければならないこと、それは結露です。
結露は、空気中の水分が温度の低い物体に触れることによって冷やされてしまい、発生した水滴のこと。冬場の窓ガラスや、冷蔵庫から出してしばらく置いておいたペットボトルの表面に付着している水滴…と言えば分かりやすいでしょうか。実は、冷蔵庫で保管していたグルーにも、結露が発生してしまうケースがあるのです。

夏場、化粧品用冷蔵庫内で冷たく保管されていたグルーを取り出し、まだクーラーが効いていない部屋へと置いておくと、まもなく結露が発生します。さらにこの結露、実は外側だけでなく内側にも発生するのです。 容器内に結露が発生してしまうと、グルーの硬化が始まります。みなさんご存知の通り、グルーは硬化時に熱を発するので、これが思わず事故の原因に。 実際過去には、グルーが容器内の結露に反応して硬化を開始していたにも関わらず、それに気づかずに容器を触ってしまい、指を火傷したというトラブルが報告されています。

もちろん、結露はグルーの品質にも悪影響を及ぼします。結露が発生したことにより、グルーが水分に反応して粘り気が強くなりすぎる可能性が。そうなると使用時にグルーが糸を引いてしまい扱いにくいばかりか、硬化速度が遅くなり、施術時間やマツエクのクオリティに影響が出るでしょう。
結露を完全に防ぎたいなら、18~23℃の冷暗所での保存がベスト。取り出す際は、必ずサロン内の室温が25~28℃程度まで下がっていることを確認することもお忘れなく

家庭用冷蔵庫では保管しない

ところで、みなさんの中には「わざわざ化粧品用の冷蔵庫を購入しなくても、家庭用の冷蔵庫で保管すればいいのでは?」とお考えの方もいるかもしれません。 しかし、家庭用冷蔵庫の使用は厳禁。グルーの保管は、あくまで化粧品用冷蔵庫を推奨します。理由は以下の通り。

  • 家庭用冷蔵庫の設定温度は低すぎる
  • 庫内の場所によって温度が違う
  • 不衛生になりやすい

それぞれ詳しく解説していきましょう。

家庭用冷蔵庫の設定温度は低すぎる

実は、JIS規格で定められている家庭用冷蔵庫内の温度は0~10℃。グルーの適正温度である18~23℃よりも低い温度となっています。グルーは高すぎる温度だけでなく、低すぎる温度もNG。グルーが低温になればなるほど、結露を発生させやすくなります。結露に反応したグルーは容器内で硬化を開始。火傷以外に、容器の破裂なども考えられるでしょう。

庫内の場所によって温度が違う

家庭用冷蔵庫は一般的に、開け閉めのタイミングで外気に触れるドアポケット付近の温度が上がりやすく、反対にチルドゾーンなどは温度が低いとされています。保管する場所によって温度が変わってしまうと、温度管理の意味がなくなってしまいますね。

不衛生になりやすい

食材と一緒にグルーを保管してしまうと、グルーが食品に接触し、何らかの菌が付着する可能性も。衛生的観点からも、家庭用冷蔵庫でグルーを他の食材や飲料と一緒に保管することはおすすめできません。

まとめ

マツエクのグルーは、とてもデリケート。適切な方法で保管しなければ、例え使用期限内でも劣化が早まってしまいます。特に温度が上がる夏場は注意が必要、室温管理及び湿度管理が要となります季節を問わず、常に高いクオリティの施術を行えてこそプロのアイリスト。 そのためにもグルーの使用期限と保管方法を厳守する、丁寧な商品管理が重要なのです。

この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

この記事をシェアする