お店で導入するマツエクグルー、何を基準に選んでいる?チェックポイントを見直そう

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気温や湿度に左右されやすいグルーは、マツエクの施術に欠かせないアイテムです。サロンによってさまざまなグルーを取り扱い、アイリストによっても使い分ける場合もあるほど。もちろん、お客様のまつげとの相性も重要なので、お客様によって使い分けることもあるでしょう。グルーには、比較的モチが良いといわれるタイプや刺激が少ないタイプなど、種類も豊富。そこで今回は、お店で導入するグルーを選ぶときの基準を紹介していきます。すべてのポイントに重点を置くサロンや、「この項目だけはゆずれない」というサロンもあるかもしれませんね。グルー選びの参考にしてみてください。

グルー選びのチェックポイントは?

グルー選びでチェックしてほしいポイントは、以下の4項目です。

□使用するグルーの数をいくつにするか絞る

□アレルギー対応グルーなどの必須ラインナップを揃える

□アイリストのキャリア幅に対応できるか

□成分などの安全性

アイリストのキャリアによって使いやすいグルーが異なったり、マツエクとの相性が違ったりします。そのため、各項目で確認してほしいポイントについて、順を追って見ていきましょう。

まずは予算や何種類導入するかを考えよう

満足いく施術とサービスをお客様に提供するのは当たり前のことですが、サロン運営で大切なことはコスト管理とクオリティの両立といえます。そのため、どんなアイリストにもお客様にも対応できるようにと、グルーを必要以上にたくさん取りそろえすぎてしまうのはNG。グルーは温度や湿度に左右されたり、開封したら劣化が進んだりと管理がとても難しいです。

また、経営面で考えると、売上の3%から5%ほどを材料費とするのが基本といわれ、材料費にはグルーだけでなく、エクステやテープなども含まれます。つまり、グルーだけに費用をかけられないのです。結果、サロンの規模や経営状況、スタッフのスキルをかんがみて、グルーにかける予算を考えます。

ただ、お客様によってまつげの状態やアレルギーをお持ちの方などもいるので、3~4種類のグルーを準備しておいた方が良いでしょう。グルーのコストを考える際には、在庫を多く置かないために、各グルーの使用頻度を考え、在庫と仕入れの数を考えます。グルーのコストが予算オーバーとなるなら、仕入れの数・在庫管理・グルー選定・予算枠の調整をやり直し、予算内に収まるように調整しましょう。

グルーの特性をおさらいしよう!

グルーの主成分はシアノアクリレート。このシアノアクリレートの種類によって、グルーの硬化速度や持続性が変化します。この特性により、アイリストのキャリアによって使いやすいグルーと使いにくいグルーに分かれることを押さえておきましょう。まずは簡単に、グルーの特徴について説明します。

グルーの特徴①サラッとしたテクスチャーのエチルグルー

エチルグルーは、一般的には硬化速度が速いのが特徴です。硬化速度が速い分、グルーの扱いが難しく、角度や装着位置を的確に判断できるベテランアイリスト向けグルーといえます。

また、分子が細かく増粘剤が少ないため、サラッとしたテクスチャーで、まつげとエクステの間をしっかり埋めて固定してくれるでしょう。そのため、施術後のモチが比較的良いといわれています。しかし、ホルムアルデヒドの放散量が多く、お客様によっては刺激が強いと感じられることもあるようです。

グルーの特徴②低刺激なブチルグルー

反対にブチルグルーは、分子が大きくエチルグルーに比べると、粘度があるものが多いでしょう。硬化速度は遅めで、角度や装着位置を調整しながら施術できるので、新人アイリストでも施術しやすい傾向にあります。

また、ホルムアルデヒドの放散量が少ないので、敏感肌の人にも使いやすいのが特徴。ニオイがきつくなく低刺激なのがうれしいポイントです。ただ、モチが悪い場合があったり、施術に時間がかかってしまったりとデメリットもあります。

お客様の数だけグルーの種類を準備するのは難しいですが、アレルギー対応グルーなど刺激の強さ別に、数種類のグルーを用意しておくのは大切です。

アイリストのキャリアとグルーの関係とは?

グルーの特徴を押さえた上で、アイリストのキャリアとグルーの関係性について考えていきましょう。
先ほども紹介したように、増粘剤の量によってグルーの粘り気が変わってきます。キャリアとテクスチャーの違いで、どういった差があるのか見ていきましょう。

装着スピードに合う硬化速度のグルーかどうか

硬化速度が速いと施術スピードも各段に上がるので、サロンの回転率も良くなるでしょう。しかし、新人アイリストが多いサロンだと硬化速度の速いタイプのグルーは扱いにくいと感じる場合もあります。

逆に、ベテランアイリストの多いサロンが、新人アイリストのためにと考えて、硬化速度の遅いグルーばかりをそろえてしまうと、かえって施術が滞る可能性もあるでしょう。アイリストの技術レベルと装着スピードに合わせたグルーを選ぶようにしてください。

グルーを選ぶ際に、アイラッシュガレージが作成しているような「グルーポジショニングマップ」を活用するのもおすすめ。メーカーに関係なく、さまざまなグルーの硬化速度や粘度で判断しグループ分けされています。

粘度とアイリストの技術力との関係は重要

「施術スピードをアップさせたい」「モチを良くしたい」などの理由から、サラッとしたテクスチャーのグルーを選んだ場合、新人アイリストは硬化速度についていけないことがあります。

また、1回にとるグルーの量を間違えてしまうと、サラサラとしている分、流れ落ちてしまう可能性もあるでしょう。その際には間違ってお客様の目の中に入ってしまうリスクも高まるので、大変危険です。また、自まつげに装着したときに少し調整したいと思っても、うまく調整できず改めてやり直すなど、むしろ時間がかかってしまう場合もあるでしょう。

ベテランアイリストの中でも、「このくらいの粘度はほしい」や「もっとサラサラしたタイプが良い」など人それぞれです。このようにグルーの粘度は、アイリストの技術力や使い慣れているものなどに合わせて選ぶ必要があります。

使うエクステによっても粘度は重要

マツエクは、エクステとグルーを使う施術なので、これらの相性も大切です。グルーと同じように、エクステにもたくさんの種類があります。たとえば、シングルラッシュやフラットラッシュ、ボリュームラッシュなどです。

シングルラッシュは、1本の自まつげに対して1本のエクステを装着します。シングルラッシュは基本形のエクステなので、比較的どういったグルーでも相性は良いでしょう。どちらかといえば、粘度低い方が使いやすいかもしれません。

その他の、エクステの断面がフラットで、接着面が広くなっているフラットラッシュや、複数のエクステを1本の自まつげに装着するボリュームラッシュは、高粘度のグルーがおすすめです。ある程度の粘度がないと、自まつげとの密着度が弱まったり、ファンが閉じてしまったりするでしょう。

成分などの安全性は?

最後に紹介するポイントは、安全性です。どういったところに着目すると良いか紹介します。

グルーの主成分と薬事法

グルーの主成分は冒頭で紹介したように、シアノアクリレートです。これは有機化合物のひとつで、空気中の水分や自まつげに含まれるわずかな水分と反応することで、速乾性のある強力な接着剤になります。

次に薬事法に関してですが、マツエクで使うグルーは、薬事法上「雑貨」に分類され、成分表示されていません。そのため成分を公表する義務はないのです。アイリストの立場からすると、詳しい成分を知りたいでしょう。そのため、自主的に公表しているところもありますが、基本的には成分が不透明なグルーが多いのが現実です。

SDSを確認しよう

そこで活用してほしいのが、「SDS(Safety Date Sheet)」。直訳すると安全データシートで、経済産業省が主導して実施しているものです。SDSを見れば、どういった成分が配合されているのかを確認できるので、グルーの成分確認にも利用できるでしょう。ただ、作成は任意なので、メーカーによっては作成していないところも。

しかし逆をいえば、SDSを作成しているグルーは、成分内容を公表できるほど安全性が高い可能性があります。安全性の高いグルーを選びたいのであれば、ひとつの判断材料として、SDSを取り寄せて成分を確認してみてください。

まとめ

グルーを選定する基準は、いくつかあります。使いやすさや速乾性、安全性、コストなど、すべてを網羅した万人受けするグルーは、なかなか見つかりません。そのため、まずはどこに重点を置くのかを考え、候補のグルーを絞っていくと見つけやすいでしょう。サロン全員が納得できるグルー探しは、サロンの永遠のテーマとも言えます。まずはグルーマップなどを参考に、使用感を試してみる、その試す基準を持つことが大切と言えるでしょう。201202Eyn

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