マツエク後に「すぐお風呂に入りたい」といわれたら?対応方法と3つの注意点
マツエク後のお風呂は、グルーを完全に硬化させるため施術から5〜6時間後以降に入るのが一般的です。
しかし、夜遅い時間に来られたお客様に「できるだけ早くお風呂に入りたい」と言われることもありますよね。マツエク後すぐお風呂に入りたいお客様には、事前にリスクを説明し、洗顔を済ませてもらう必要があります。
今回は、マツエク後のお風呂について、お客様への対応方法や注意点を紹介します。お客様の要望に的確に受け答えし、スムーズに対応できるとアイデザイナーとしての腕がグッと上がりますよ。
グルーに関する知識を身につけて、日々のサロンワークに活かしましょう。
マツエク後のお風呂がNGな理由3つ
マツエク後、完全にグルーが硬化するまでは水に濡らさないことが大切です。
マツエク後すぐのお風呂を避けたい理由は、以下の3つです。
上記の理由について、詳しくみていきましょう。
NG理由①:モチが悪くなるため
マツエク後すぐのお風呂がNGな理由のひとつは、モチが悪くなることです。
グルーは空気中の水分に反応し、時間をかけて硬化していく仕組みです。途中で湿気や水分に触れてしまうと、表面が一気に固まって中心まで硬化せず、接着力が弱まる原因になります。
完全に硬化する前にお風呂に入ると、マツエクの取れやすさに繋がります。
NG理由②:グルーの白化現象が起こるため
グルーが完全に硬化する前にお風呂に入ると、「白化現象」が起こる場合があります。
白化現象とは、グルーが完全に硬化する前に湿気や水に触れると一部分が白く変色する現象のことです。
前処理不足や涙の出やすいお客様に起こりやすい現象ですが、浴室の湿気や水によって引き起こす場合もあります。黒々としたマツエクの根元の一部が白くなっていると、見た目の悪さに繋がるため注意しましょう。
▼白化現象についてはこちらの記事でくわしく紹介しています。
NG理由③:アレルギーが起こる場合があるため
マツエク後すぐにお風呂に入ると、赤みや腫れ・かゆみなどのアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
グルーの揮発成分が水に溶けて流れ出し、皮膚や目に刺激を与えるケースがあるためです。
とくに、敏感肌の方やアレルギー体質の方はトラブルを起こしやすい傾向です。普段の施術でかぶれやすい方は、完全に硬化してからの入浴をおすすめしましょう。
▼グルーアレルギーについてはこちらの記事でくわしく紹介しています!
マツエク施術当日のお風呂・シャワーまでの時間は何時間後?
グルーをしっかりと乾燥・硬化させるため、「マツエク後のお風呂は5〜6時間経ってから」が一般的。
しかし、使用するグルーによって完全硬化までの時間は大きく異なります。完全硬化が12~24時間後のグルーが多い一方、1~3時間で硬化する速乾性の高いものもあります。
速乾性のグルーを使用しているサロンでは、お客様にお風呂までの時間を長くおいてもらう必要はありません。自身のサロンで使用しているグルーの完全硬化時間を確認し、何時間後からお風呂がOKかお客様へ伝えましょう。
ただし、同じグルーであっても、施術時の環境やコンディションによって硬化時間に若干の差がでる場合もあります。乾きやすさの違いは以下のとおりです。
また、施術後に「お風呂までの時間をおけばおくほどマツエクのモチが良くなる」わけではありません。
お客様には、グルーの完全硬化時間を目安にしてお風呂までの時間を伝えましょう。
マツエク後にお風呂に入りたいと言われたときの対応
施術前に「すぐにお風呂に入りたい」といわれたときの対応は以下のとおりです。
お客様への対応方法について、ひとつずつ紹介します。
対応①:あらかじめ洗顔をしてもらう
マツエク後のお風呂で顔を濡らさないよう、 施術前に洗顔をしてもらうのもおすすめです。
メイクオフしてから施術すれば、お風呂に入った際にまつげへの負担を減らせます。お客様の希望にあわせて提供できるよう、サロンに洗顔グッズを常備しておくと良いでしょう。
ただし、マツエク装着後は顔や目の周辺の肌に揮発成分(シアノアクリレートの蒸気であるホルムアルデヒド)が付着している場合があります。
あらかじめ洗顔した場合でも、施術後には目の周りを清潔なコットンで拭くのがおすすめですよ。
対応②:硬化時間が短いグルーを使う
マツエク後すぐにお風呂に入りたいお客様には、完全硬化時間が短いグルーを使うのもおすすめです。
完全硬化時間が1時間の速乾性の高いグルーであれば、お風呂に入るまでの時間調整は少なく済みます。ただし、超速乾タイプのグルーを扱うには、スピーディに施術を行うアイデザイナーの技術力が必要となります。
マツエク後にお風呂の入り方で注意すべき3つのポイント
マツエク後に時間を開けず、どうしてもお風呂に入りたい場合は以下3つに注意が必要です。
夜遅い時間に来店されたお客様には、上記の注意点をきちんと説明しておきましょう。
注意点①:長時間の入浴は避ける
マツエク後すぐにお風呂に入る場合、長時間の入浴は避けましょう。
水がかかっていない・顔を洗わない場合でも、硬化前のグルーにとって浴室の湿気は大敵です。どうしてもお風呂に入る場合は湿気を最小限に抑えるよう、サッと済ませるのが基本です。
また、入浴同様、長時間のサウナも避けるようお客様に伝えてくださいね。
注意点②:顔にシャワーをかけない
マツエク後に入浴するときは、直接顔にシャワーをかけないように注意しましょう。施術後のお風呂に限らず、シャワーを直接顔にかけると水圧によってマツエクが取れやすくなります。
バラつきやカールの乱れにも繋がるため、顔を洗う場合は手で水を取すくって優しく洗うか、濡れたタオルで拭くようにしましょう。
注意点③:目元は強くこすらない
マツエク後のお風呂では、目元を強くこすらないよう注意が必要です。
強くこすると、マツエクが取れやすくなるだけでなく、自まつ毛にもダメージを与えて抜けやすくなります。とくに、アイメイクを落とす際はクレンジング剤を使って優しく拭き取るようにし、目元をこすらないようにしましょう。
W洗顔不要のクレンジングやふき取り化粧水なども、マツエクへの負担を軽減できておすすめですよ。
また、タオルで顔を拭く際にも強い摩擦を加えないようにしましょう。
マツエク後3時間はゴーグルを付けてお風呂に入ってもよい?
マツエクの施術をした当日のお風呂は、ゴーグルを使ってもOKです。ゴーグルでマツエクを保護すれば、水や湿気に触れることなく入浴が可能です。
ただし、ゴーグルを使ってお風呂に入る際は以下の点に注意が必要です。
ゴーグルのサイズが合わずに、レンズの中が湿気で曇ってしまう場合もあります。マツエクを水分から保護できるものの、上記のデメリットもある点に留意しましょう。
お客様に「ゴーグルを使って入ってもいいのか」と相談された場合は、「どうしてもお風呂に入りたいときのみ」と伝えるのが賢明です。
マツエク後のお風呂で目がしみる場合の対策2つ
マツエク後のお風呂によって、目がしみたり痛みが起こったりする可能性があります。マツエク用グルーの主成分「シアノアクリレート」が揮発する際に、刺激性のあるホルムアルデヒドが発生するためです。
グルーが完全硬化する前に目が水分に触れると、ホルムアルデヒドが水に溶けだしてしまう可能性も考えられます。
アイデザイナーとしてできる対策は以下の2つです。
ひとつずつ深掘りしていきましょう。
対策①:カウンセリング時にリスクを説明しておく
施術前のカウンセリングの際には、グルーから刺激性のある成分(ホルムアルデヒド)が発生し、水に溶けだす可能性があると伝えましょう。お客様によっては、お風呂によってしみる・痛みが出ることを知らないケースもあります。
お客様から「お風呂に入って痛みを感じた」との連絡がないよう、あらかじめ説明しておくのが大切です。夜の時間帯の施術が多いサロンは、カウンセリング内容を見直しましょう。
対策②:万が一痛みが出た場合は眼科を受診してもらう
痛みが引かない・かゆみや腫れなど別の症状もみられる場合は、眼科を受診してもらいましょう。グルーの揮発成分による痛みは一時的なもので、すぐに引くことがほとんどです。
長引く場合は別の疾患が隠れていたり、目に傷がついていたりする可能性があります。
体質によってはグルーアレルギーの症状が出ているため、マツエクを外す必要も出てきます。アイデザイナーが症状から判断はできないので、眼科やその他医療機関への受診を促しましょう。
まとめ:マツエク後すぐのお風呂は「どうしても」の場合のみ
マツエク施術当日のお風呂は、モチや安全上の観点から、グルーの完全硬化時間後に入っていただくのが理想です。しかし「どうしても」の場合は、できるだけ目に水が入る・マツエクが濡れることは避けてもらいましょう。
マツエク施術前にすぐ入浴する予定かどうかが分かれば、あらかじめ洗顔をしてもらったり、速乾性があるグルーを使用したりと対応が可能です。施術前には、必ずお客様へヒアリングしましょう。