「強力なグルー」は果たして本当にいいのか?メリット・デメリット検証!
お客様がサロンに求める条件のひとつが、マツエクのモチの良さ。そのためアイリストとしては、お客様に少しでも喜んでいただけるよう、モチの良いグルーを選びたいですよね。しかし、「とにかく強力なグルーを!」と追い求めると、刺激が強すぎてトラブルを引き起こす可能性があるため、要注意。今回は、強力なグルーのメリット・デメリットについて、オススメのグルーとともにご紹介します。
強力なグルー:メリット
まずは、強力なグルーを使うメリットから見ていきましょう。
2.安定力がある
主なメリットは上記2点です。詳しくご紹介します。
1.モチが良い
強力なグルーの“強力”とは、接着力のこと。接着力が強ければ強いほど、自まつげにしっかりと残ってくれます。せっかくマツエクを付けるのだから、できるだけ長く楽しみたい!というお客様には、喜んでいただけるはずです。
2.安定力がある
もうひとつのメリットは、安定力。通常、装着から時間が経ってくるとエクステがバラついてきたり、向きが変わりやすくなります。そのため、定期的にブラッシングをして向きを整える必要があるのですが、強力なグルーの場合、丁寧なお手入れは不要なことも。うつ伏せで寝たり、目をこするクセがあっても、マツエク特有のカール感が衰えにくいでしょう。
ここまでを読むと、強力なグルーがやっぱり良さそうに思えてきますよね。しかし、調べてみると見過ごせないデメリットもあるようです。
強力なグルー:デメリット
続いて、強力なグルーを使うデメリットも見ていきましょう。
2.トラブルが起こりやすい
以上2点が、主なデメリットです。少し怖そうな内容ですが、詳しく勉強していきましょう。
1.かえって衝撃に弱くなる
強力なグルーは接着力が強い反面、衝撃に弱い特性があります。そのため、少しの衝撃でエクステが取れやすくなるのですが、接着力が強すぎて自まつげが一緒に抜ける場合も少なくありません。通常エクステは、健康な自まつげを選んで装着しているため、その毛が抜けると毛周期の乱れへ繋がるのです。一般的に自まつげは、退行期を迎え、自然と抜け落ちるタイミングがきてから、次の毛を作り始めます。しかし、成長期の最中に抜けてしまうと、産毛が作られるまでタイムラグが発生。しばらく本来の自まつげの量よりも少ない量で我慢しなければなりません。
自まつげが少ないということは、マツエクを付けられる毛が少ないということ。
せっかく華やかな目元を長く維持してもらうために強力なグルーを選んだにもかかわらず、その元となる自まつげが減ってしまっては元も子もありません。ただお客様の希望通りにエクステを装着したら良いのではなく、大切な自まつげを育成しながらお客様の要望も取り入れた施術を行うことが大切です。
2.トラブルが起こりやすい
まずは下の表をご覧ください。
名称※ |
用途 |
刺激性 |
臭い |
粘度 |
強度 |
メチル |
工業用に近い・ 金属・壁 |
強い |
強い |
弱い |
○ |
エチル |
強い |
強い |
弱い |
○ |
|
メトキシエチル |
プラ・ゴム・金属 |
弱い |
弱い |
強い |
△ |
ブチル |
医療用・プラ・ |
弱い |
弱い |
強い |
△ |
オクチル |
弱い |
弱い |
強い |
× |
この中で、マツエクのグルーとして主に取り入れられているシアノアクリレートは、エチルとブチルです。2つを比較してみると、強度・刺激性ともにエチルの方が強いことが分かります。
ここでいう刺激性とは、グルーが硬化するときに発生するホルムアルデヒドによる刺激。目や鼻、のどなどの粘膜にある水分に反応し、刺激を与えます。マツエクの施術中に「目が染みる」、「刺激臭がする」といったトラブルが起きたら、おそらくホルムアルデヒドによる刺激が原因でしょう。
ホルムアルデヒドの放出量が多いということは、目や鼻などに入りやすく、さらに体内に取り入れる量も増えるということ。
目のかゆみや炎症、腫れなどのトラブルが起こる可能性も高まると言えます。
みなさんご存知の通り、エチルグルーは、ブチルグルーよりもホルムアルデヒドの放出量が多いですよね。そのため、エチルグルーは強度だけでなく、アレルギーなどのトラブル発症率もブチルグルーより高いと言えます。
もちろん、通常のエチルグルーはそこまで心配する必要はありません。メーカーや協会独自の安全基準をクリアしている商品であれば、ホルムアルデヒドの含有量も安全基準値内です。適切な環境下で使用していれば、大きなトラブルは起こりにくくなっています。さらに最近では、品質の良いグルーの開発が世界各国で進められていて、エチルグルーでも低刺激の商品が増えてきました。こういった商品を選んでいれば、「強力なグルー」とはいえ刺激の少ない中で施術が進められます。
しかし問題は、SDSに対応していないにも関わらず、強力さを売りにしたグルー。SDSとは、「安全管理シート」のことです。マツエクのグルーは化粧品のように、配合成分を表示する義務がないため、SDSを取り寄せるか、メーカーが自主的に成分を公表しているかしないと、中に何が入っているのか分かりませn。できるだけ購入は避けた方が良いでしょう。
お客様が求める 安全かつモチの良いグルー
グルーの接着力は、持続力にも影響します。ただし、持続力があればあるほど良いわけではありません。通常マツエクは、2~3週間で取れ始めるため、リペアや付け替えを行いますよね。しかし、強力すぎるグルーは2ヶ月以上維持できるものもあります。一見良さそうに思えますが、2ヶ月マツエクを付けたままにしておくと、毛周期通りに抜け変われなくなるため要注意!持ったとしても、1ヶ月半程度を限度に付け替えるようにしましょう。
また、アイリストとして最も忘れてはいけないグルーのポイントが、安全性。
「お客様はモチの良さを求めているのに?」
と思われるかもしれませんね。しかし、お客様は
「サロンでの施術なのだから、安全であって当たり前」
と考えています。わざわざ意識していないだけで、安全性は当然のものとして捉えられているのです。そのため、サロンは安全かつモチの良いグルーを探さなくてはなりません。そういった欲張りなアイテムがあるのでしょうか?
引用元:公式ホームページ
探してみたところ、「TRUMP COSMETIQUE PARIS (トランプコスメティックパリ)」から販売されている「№8(ナンバーエイト) プレミアムグルー」が、お客様に自信を持って紹介できるアイテムのようでした。詳しく見ていきましょう。
まず№8は、不純物の少なさが魅力。2015年に国民生活センターが実施した、各社のマツエクグルー一斉品質検査において、主要15銘柄の中で最も不純物の量が少ないという結果が出ました。一般的に目のトラブルは、ホルムアルデヒドばかりが原因として取り上げられていますが、実は不適切な不純物もさまざまなトラブルを引き起こす原因だと言われています。その点№8には不純物の配合量が少ないため、低リスクだと言えるでしょう。
なおかつ、持続期間は3~4週間程度と長め。もちろん、施術の仕方やお客様の生活習慣、お手入れ方法によって多少の誤差はありますが、ぜひ他のグルーと比べてみてください。そのモチの良さを体感できるはずです。
安全性が高く、モチも良いとなると、お客様にも自信をもって提供できそうですね。
グルーを検討中の方はこちらの記事もチェック!
まとめ
今回の記事では、強力なグルーを使うメリットとデメリットを紹介しました。マツエク施術で譲れない、モチの良さと安全性の確保。そのどちらも実現しているグルーが増えてきていることは、アイリストにとってもお客様にとってもうれしいことですね。マツエクの歴史はまだまだ浅いのですが、とても関心度の高い技術です。お客様からの関心が高いからこそ、今後はさらに品質の高い商材開発が行われていくでしょう。近い将来、モチが良い上にさらに低刺激で安全性も高い、理想のグルーが生まれるかもしれませんね。しかし、私たちアイリストがきちんと商材を見極める力を持っていなければ、お客様の元へ提供することはできません。普段からアンテナを張り巡らし、より良い商材でお客様をお迎えできるよう心がけましょう。