施術中にグルーが白化してしまった。なぜ??梅雨時期も注意!
アイリストにとって「白化現象」はとても身近に起こりうる現象です。しかし、白化現象がなぜ起きるのか、どうすれば起こりにくいかについて、しっかりと理解できていますか?再確認する意味でも、原因と対策を正しく学んでおきましょう。
白化現象の原因は??
白化現象とは、施術したまつげの根元が白くなる現象のことです。この白化現象の原因は、ズバリ水分!グルーと必要以上の水分が反応して、白い物質ができることで起こります。
グルーには、グルーを黒く見せる「ブラックカーボン」という成分が使われていますよね。何らかの原因でグルーが過剰な水分と反応すると、ブラックカーボンとグルーの主成分である「シアノアクリレート」が分離。シアノアクリレートは、硬化する最中に白い物質の正体である蒸気(シアノアクリレートポリマー)を発生させます。この蒸気がまつげやマツエクの表面に付着して、肉眼でも確認できるくらい白くなるというわけです。
白化現象は、グルーの種類に関係なく、どのグルーを使っていても同じくらいの頻度で起こります。つまり、「高品質なグルーを使っているから大丈夫!」という油断は禁物。どのサロンやアイリストにも起こりうる、身近なトラブルであることを覚えておきましょう。
そうは言っても、白化現象はアイリストの信用性やお客様の満足度に大きく関わる問題。できれば未然に回避したい施術トラブルですよね。
では、白化現象が起きてしまうのは、具体的にどのような場合なのでしょうか?
施術中にグルーが白くなってしまう理由
マツエクの白化現象は、お客様がサロンを出られてから起こる場合もあります。こちらは、施術後のアフターフォローが大切。お客様へ、「施術後、理想は24時間ですが、最低でも5時間は洗顔・入浴・プールなどを控えてください」としっかりご説明すれば防げるでしょう。また、コーティング剤でのホームケアのご案内も有効ですね。ただし、コーティング剤の種類によっては、白化現象の原因につながるおそれもあります。コーティング剤を使用するタイミングや成分には、注意が必要です。
では、サロンでの施術中にまつげの根元が白くなるのは、なぜでしょうか?考えられる理由を7つ、ご紹介します。
1.前処理剤が残っていた
リペアのお客様では、リムーバーやクレンジングなどの前処理剤を使って、マツエクを取り外しますよね。このときふき取りが甘く自まつげに前処理剤が残っていると、それらに含まれる水分とグルーが反応。こうして、白化現象が起こります。お客様のまつげを清潔にするときは、前処理剤をしっかりふき取りましょう。
2.前処理が不適切だった
いくらスピーディーでも、雑な前処理はNG。落とし切れなかったまつげの汚れに含まれる水分で、白化現象が起こることもあるためです。前処理洗浄は「素早くかつ丁寧に!」を心掛けましょう。仕上がりの良さや、持続性の高さを引き出すポイントでもあります。
3.目元を指で触った
前処理後やマツエクの装着後は、当然のことですが目元を指で触ってはいけません。これは、指に付いているわずかな水分が、白化現象を引き起こすことがあるためです。また、お客様へも、装着後はグルーが乾くまで最低5時間は触らないようにご案内してください。
4.グルーの扱いに問題があった
白化現象は、グルーの表面が内側よりも先に、急速に固まったときなどにも起こりやすくなります。つまり、場所によって硬化速度にムラができないよう、グルーはたくさんつけ過ぎないことが大切。特に、粘度の強いグルーを使う場合には、量に注意しましょう。
また、グルーを出すときに容器の振りが甘かった場合も、白化現象が起こるリスクがあります。成分が均一に混ざるように、しっかりと振ってからグルーを出しましょう。
5.ブロア乾燥が十分でなかった
マツエク装着後は、ブロア乾燥を必ず行ってください。乾燥が十分でないと、グルーが残った水分と反応して、白化現象が起こりやすくなります。湿度が高い梅雨や夏季は、特に意識して乾燥させることが大切です。
6.室温や湿度が高かった
グルーの硬化に適した条件は、室温が22~24℃、湿度が50%前後と言われています。この理想的な条件から、大きく外れてしまうことは避けましょう。グルーの硬化速度が遅くなる分、白化現象のリスクも高まるためです。エアコンや加湿器、除湿器などを上手に使いましょう。
7.お客様の涙や汗と反応した
涙や汗も、白化現象を引き起こす水分のひとつ。施術中は、お客様に目をしっかり閉じていただき、テープに引っ張られて隙間ができていないかも確認しましょう。グルーが固まるときに発生する「ホルムアルデヒド」という刺激性の気体が目にしみて、涙を分泌することもあります。ドライアイ気味のお客様には、特に注意が必要です。
また、汗ばむ季節には、エアコンによる十分な温度管理を行いましょう。暑い日にご来店されたお客様であれば、汗が引くまで施術を待つことも必要になるかもしれません。
白化現象は、アイリスト側のミスだけでなく、温度や湿度などの室内環境や、お客様の汗や涙などの生理現象も関係することが分かりました。つまり、どんなにアイリストが注意を払っても、白化現象を防ぎきれない場合もありそうです。
では、白化現象が起きたとき的確に対応するためには、どうすれば良いのでしょうか?
白化したときの対処法は?
対処法を知っておけば、施術中に白化現象が起きても慌てることはありません。アイリストならば押さえておきたい対処法を、2つご紹介します。
1.オフする
基本的には、白化現象が起きたらオフが鉄則!白化現象が見られる部分が1本単位であれば、ポイントオフで対応します。見た目の美しさやマツエクの持続性に関わるため、やはり付け直しがベストです。
ただし、白くなった部分をこすって落とすことは絶対にNG!白化物質のシアノアクリレートは、目に入ると大変危険なためです。
2.マツエク専用アイテムを使う
オフのご案内をしても、「今日は時間がない」「軽度ならリペアしなくてもOK」とお客様が言われる場合もありますよね。そんなときは、根元の白さを一時的にカバーできるアイテムを使いましょう。マツエク専用のコーティングやアイラッシュエッセンス、マスカラなどを塗って、うまくカバーできているか様子を見ます。
ただし、こちらはあくまでも応急処置的な対応。リペアのために再度ご来店していただくよう、お客様へのご案内とお詫びも忘れないようにしたいですね。
まとめ
アイリストにとって、他人ごとではない白化現象。グルーと必要以上の水分が反応して起こる現象なので、サロンの湿度管理や、前処理から施術後までのミスを防ぐなど、前もって対策できることはしっかり行っておきたいですね。
それでも白化現象が起きてしまった場合は、オフしてから再度装着したり、マツエク専用アイテムを塗ったりして対処しましょう。いろいろなシチュエーションを想定して、日ごろからロープレを行っておくことも必要かもしれませんね。