【経営力・判断力を参考に】前売り券・リモート施術に給与保障!ユニークなコロナ対応をした美容業界関連企業5選
新型コロナウイルスは未知の感染症です。どのように感染し、どのようにサロンの経営に影響するのか不明な部分が未だ多く、「もし自分も感染してしまったらどうしよう…」「ウチのサロンはどうなってしまうんだろう…」と不安に思っているアイリストも少なくないのではないでしょうか?
通常の営業時も感染症対策や衛生面には特に注意を払っていることと思いますが、今まで以上に気を引き締めて対応しなければならない状況です。
そんな中、基本的な感染対策のかたわらで「お客様やサロンスタッフに対してアピールできることはないか?」と、+αの対策を行っているサロンが全国に多数あります。
そこで今回は、独自の方法でコロナ対策をしているサロンや企業の事例を紹介。こんなときだからこそポジティブに、参考にできるアイデアを上手に活用して、コロナ情勢を生き抜きましょう!
まずは事例から見てみよう!「ウチではこうしました」5選
全国のヘアサロンやマツエクサロンなどが取ったユニークなコロナ対策について、事例を見ていきましょう。
【NORA HAIR SALON】全店舗で利用できる「前売り券」を販売
引用元:NORA HAIR SALON
東京・南青山の店舗のほか日本国内に4店舗、フィリピン・マニラに1店舗を構える「NORA HAIRSALON(ノラヘアサロン)」。3月12日のロックダウンに伴い開店できない状況が続いているマニラ店の活動サポートとして、全店舗で利用できる施術の前売り券の販売をスタートさせました(参考:https://nora0427.base.shop/)。お笑い芸人/絵本作家のキングコング・西野亮廣さんが発案に協力し、話題に。
ヘアカットやヘアセットのほか、パーソナルメイクレッスンなど、前売り券の種類はバラエティに富んでいます。ギフト券の取り扱いもあり、お客様本人が利用するだけでなくパートナーや友人などにプレゼントすることもでき、汎用性が高いことが特徴です。
前売り券は、言い換えてみれば「未来のお客様の確保」につながります。施術は後日となりますが収入は見込めるため、当面の資金調達も可能です。お客様の来店頻度が減少している今、多くのサロンが直面している金銭面の問題を解決できる糸口になるかもしれませんね。
【uka】お客様向けに動画を作成し対策を分かりやすく訴求
引用元:uka
ヘア・ネイルなど複合的な美容サービスを提供する「uka(ウカ)」では、各サロンで実施中の感染対策を動画にて公開しています(参考:https://www.uka.co.jp/news/8224/)。
ホームページなどメディアを活用して自サロンでどのような感染対策を行っているかを掲示する際、文字や文章などで表すサロンが多いもの。しかし、実際どのような決まりやタイミングで対策を行うか、文面だけではイメージしづらい場合もあります。
その点ウカの動画には、お客様がサロンに来店されてから施術に移るまでの流れと、施術中の消毒の実施風景などを細かく収録。お客様にも理解していただきやすいよう丁寧に訴求しています。
また、スタッフはオリジナルのミストを携帯し、施術前のカウンセリング時にスタッフ・お客様ともにスプレーしてから施術に入るシステムを採用。“見える形”での対策を行うことで、安心して施術を受けていただける努力をしています。
お客様が「知りたい」と思っているニーズや不安を感じている点に寄り添うことで、お客様は「こんな対策をしているなら安心して施術が受けられる」と思うはずです。
【MR.BROTHERS CUT CLUB】リモートで技術を提供しお客様のニーズを拾い上げる
東京を中心に全国4店舗を構えるヘアサロンの「MR.BROTHERS CUT CLUB(ミスターブラザーズカットクラブ)」は、リモートで技術の提供を行うサービスを開始(http://mr-brothers-cutclub.com/telecut.html)。スマホアプリの「Zoom」を使い、お客様と画面越しにカットやヘアセットの仕方をレクチャーする、というシステムです。
外出自粛の動きが続く状況の中、「サロンに行きたいけど行けない」というお客様が“今”求めているニーズを上手く拾い上げることで顧客の確保につなげているケースです。新型コロナウイルスの感染拡大がいつ終息するか分からない中、SNSなどを駆使した形の営業戦略へと早急にシフトすることが求められる可能性は高いでしょう。
【eye+(アイプラス)】逆に出勤スタッフに賃金を上乗せ支給!スタッフへのフォローを手厚く行いサポートを充実
広島県を中心に中国地方などで店舗展開しているマツエク・ネイルサロン「eye+(アイプラス)」を運営する「CREATIVE LAB HOLDING(クリエイティブラボホールディングス)」では、代表者の報酬4~10月分を全額カットし、出勤しているスタッフへの手当てに充てると発表しました(参考:https://www.creativelab.co.jp/media/3487/)。スタッフ72名の給与を毎月5%上乗せし支給(休職者を除く、5月より)。
お客様やサロンへの影響を最小限に抑え込むことがこの苦境において大切なことです。しかし、スタッフ本人やスタッフの生活の保障を行うことも重要事項として捉え、個別のサポートを実施していく必要があるでしょう。
また、アイプラスではスタッフが施術時にフェイスシールドを着用しており、ホームページなどでアピールを行っています。
引用元:eye+
アピールを見たお客様が「しっかりと対策されていて安全」と来店されたそう。こういったサロンの側面は意外と見られているものです。そのことを改めて認識し、対応していくようにしましょう。
企画・デザイン会社【CLUTCH WERKS】美容室で掲示できるポスターを無償配布
引用元:CLUTCH WERKS
美容業界に特化した企画・デザインを行う「CLUTCH WERKS(クラッチワークス)」。コロナ対策の一環として、美容関係者が自由に利用できるイラストポスターのデータを無償配布する「HOPE PROJECT」をスタートしました(参考:https://www.clutchwerks.jp/portfolio/hope-project/)。
ポスターには各サロンのロゴが入るブランクスペースを確保。ポスターを店頭などに掲示することで、新型コロナウイルスに対する各サロンの願いを表明できるようになっています。また、インスタグラムなどでのデータ使用もOKとしており、ハッシュタグを活用して投稿することが可能です。
こういった取り組みを美容業界全体で行うことで、より当事者意識を高めることが期待できるかもしれませんね。
これらのサロン・企業に共通するポイントとは?
厚生労働省の基本的な感染対策などをベースにしつつ(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html)、どのサロン・企業も独自の観点や判断でコロナ対策に注力しています。
これらのサロン・企業に当てはまる共通点には、以下のようなことが挙げられます。
・感染対策の徹底を継続している
・お客様が今抱えているニーズ(サロンに行きたいけれど行けない、不安に思っていることなど)に寄り添うようなタイムリーなアピールを行っている
・サロンの“今”と“未来”を守るアイデアを考えている
・来店率や来店頻度の減少をカバーできるようなシステムを作っている
・スタッフへの手厚いサポートを充実させている
お客様へのサポートだけでなくサロンやスタッフへの対策も同時に、というのは通常時よりもオーナーおよびスタッフへの負担が増加してしまう場合もあるでしょう。しかし、スムーズに営業できるようアイデアを出し合い多角的な視点を持つようにすれば、非常事態においてもピンチをチャンスに繋げることが可能かもしれませんね。
サロンの未来のためにできること。どんなこと?
新型コロナウイルスの終息時期は断定できず、先が見えない状況は続行中です。また、他国の状況を見ると、外出自粛要請の解除後に第2波や第3波が襲ってくることも考えられます。
ですが、こういった非常事態だからこそできることがあります。それは、今回のコロナ情勢を教訓として生かしつつ、今後サロンがとるべき対応をまとめておくこと。
自サロンではどのような対策や経営を行ったのかを振り返りながら、他サロンが行った対策なども参考に、ガイドラインを作るのも良い方法です。対応の統一化を図ったり、スタッフの教育強化などに使ったりもできますよ。
苦境の中、「綺麗になりたい」と思っているお客様はたくさんいます。大切なのは、顧客でいてくれるお客様に「落ち着いたらまた行きたい」と思ってもらえるサロンであり続けること。そのためには、こういった地道な経営も重要であるといえるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルスのユニークな感染対策を取っているサロン・企業を5つ紹介しました。新型コロナウイルスの影響により運営方法の変更を余儀なくされたサロンは多く、とっさに判断できないこともあったかもしれません。
しかしこの苦境でも、ユニークな発想によってピンチをチャンスに変えているサロン・企業は確実に存在しています。皆が不安に思う中、前向きなパワーが感じられるアイデアに触れれば、お客様だけでなく、他のサロン、しいては美容業界全体に明かりを灯す存在になるかもしれません。
紹介したサロンや企業のアイデアを参考に、あなたのサロンでも今だからこそできることを見つけ、サロンの明るい未来につなげていきましょう!
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