世の中のニーズに対応出来ていますか?「子供連れ」での施術時の対応と配慮

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検討している人も多いかもしれませんが、実は「子供連れOKサロン」にすると集客UPが見込める可能性があります。個室があるサロンなら検討してみるのはいかがでしょうか。しかし、しっかりと対策やルールを定めていないと、大きな事故やトラブルに発展してしまう可能性もあるので注意が必要です。今回はどんなポイントに注意をし、ルールを決め、広報すべきかなどを学んでいきましょう。

「子供連れOK」のニーズとは?

マツエクサロンを子供連れOKにするニーズはどんなものがあるのでしょうか。確認していきましょう。

最近の「子育て世代」って何歳くらい?

まず、子育て中の女性について見ていきましょう。
現在女性の第一子出生時の平均年齢を見てみると、
平成26年が30.6歳、
平成27年〜30年が30.7歳
となっています。
年代別に見てみると、
平成26年では第1子を生む年齢は25~29歳が一番だったものの、
平成29年には30~35歳が上回りました。出産年齢が上がっていることがわかります。第2子、第3子と出産する場合、第1子出生から数年後に生むケースが多く、20代後半から30代のF1層にカテゴライズされる女性の多くは、子育てに時間を取られているケースが多くなるようです。

第一子出生時の母の平均年齢の年次推移母の年齢・出生順位別にみた出生数の年次推移

引用元 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai17/dl/kekka.pdf 
厚生労働省 人口動態調査
結果の概要 2出生 表2、表3

マツエクのメリットの1つであるメイク時間の短縮。どうしても自分にかけられる時間が少なくなる子育て中の女性にこそ重点的におすすめしたいメリットです。また、おしゃれなママを目指すという観点の雑誌やネット記事なども多く読まれており、ママだから我慢するのではなく、ママである自分を楽しむという考え方に推移してきています。

ママになっても『綺麗になりたい気持ちは我慢したくない』人が7割弱!?

 

ママになっても『綺麗になりたい気持ちは我慢したくない』人が7割弱!?引用元:https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/generation/14208/
https://hba.beauty.hotpepper.jp/wp/wp-content/uploads/2018/01/WEB_mama2017_180115.pdf

ホットペッパービューティーアカデミーで20~49歳の0~5歳の子どもがいるママを対象に行われた「ママの美意識調査」では、ママの美容改善意向を調べています。その結果、調査対象全体の66%が改善したいという美容に対する前向きな気持ちを持っているという調査結果になりました。このことから、ママになっても美容に関心のある人は多いと言えます。

現状は「産前産後でサロンにいけなくなった=我慢した人が2割!

「出産を機にやめたメニュー」では20代、30代とも美容室、ネイルサロン、リラクゼーションサロンに次いでマツエクサロンとなっています。調査対象全体のうち、17.1%の人が出産を機にマツエクをやめています。産前産後でサロンを我慢したという人がおよそ2割という結果になりました。

現状は「産前産後でサロンにいけなくなった=我慢した人が2割!

出産後に復活したいメニュー

(引用元https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/generation/14208/
https://hba.beauty.hotpepper.jp/wp/wp-content/uploads/2018/01/WEB_mama2017_180115.pdf

また、出産後に復活したいメニューの調査では、美容院、ネイル、エステ、リラクゼーションサロンに次いでマツエクサロンです。20代では15.9%と特に高い比率が目立ち、もともとマツエクをしていた人の中で、またマツエクをしたいと考えている人が多いことがわかります。落ち着いたらと考えている人に対して子連れOKのサロンとして呼び込めれば、集客が見込めるのではないでしょうか。

なぜママはサロンに行けなくなってしまうのか

なぜ、ママになるとサロンに行くことができなくなってしまうのでしょう。その理由は様々ですが、大きな理由としては行動範囲の狭まりがあります。

子どもがいない時は、自分の都合だけで行動することができます。しかし、子どもがいるとそうはいきません。子どもと一緒に動くのであれば、必要な荷物や子どもの機嫌、体調など、考えなくてはならない項目はたくさん。少しの外出でも一大仕事です。子どもを預けるにしても預け先や預けられる時間など、考慮しなくてはならないことがあります。

どうしても必要な外出でさえも一苦労とあっては、自分にかける時間はどんどん最低限に。さらに、子連れOKのサロンは多くありません。次第にサロンから足が遠のいてしまうのが現実です。

どれくらいある?子連れOKのサロン

子どもがいるからサロンに行くのは難しい、マツエクのために託児を頼むのは気が引ける、そんなママが探すのは、子連れOKのサロン。子供と一緒に行けると謳っているマツエクサロンなら、子育て中のママも通いやすくなります。その反面、子供連れOKのサロンは多くありません。大手検索サイトであるホットペッパービューティーで東京都のマツエクサロンを検索したところ、1626件のサロンがヒットしました。そこからさらにこだわり検索で「お子さま同伴可」にチェックを入れた結果、ヒットしたのは556件のサロン。東京都にあるマツエクサロンのうち、2/3のサロンが子連れNGという結果となりました。この結果からもわかるように、子連れOKのマツエクサロンは多くありません。需要と供給が一致していないのが現実です。

子連れOKマツエクサロンのニーズ

子連れの女性がサロンを探す際、行ける範囲の中で子連れOKのサロンを探すとなると、選択肢はかなり絞られてしまいます。住んでいる場所によっては、近くに子連れOKのサロンがないので行きたくても行けないという人もいるでしょう。

子連れOKのマツエクサロンにし、ママのキレイを応援していることを前面にアピールすることで、さらなる集客につなげることができるでしょう。

「子供連れOK」にするために必要なこと

子連れOKのサロンの種類

子連れOKにすることで集客は見込めますが、その分リスクも伴います。施術は繊細な技術を要するもの。ママのそばに行こうとした子供が、ベッドやチェアーを揺らしてしまうのが一番の不安要素。最悪の場合、目元を傷つけてしまうことにもなりかねません。子供の予期せぬ動きからのトラブルを、できるだけ排除した環境づくりが必要です。
子連れOKのサロンには大まかに

  • キッズスペースのあるサロン
  • 個室、または半個室のあるサロン
  • 託児室が別途用意されているサロン

の3種類の形態に分類されます。
それぞれに確認していきましょう。

キッズスペースのあるサロン

サロン内にキッズスペースを置き、ママの施術中はそこで自由に遊べるようにしているサロンもあります。この場合、サロン内でウロウロされてしまうと他のお客様の迷惑になることも。入口が閉められるようにしておくのがおすすめですが、きちんとルールの守れる年齢以上の子供でないと難しいかもしれません。また、キッズスペースに目の届く場所にスタッフを置く必要もあります。

ただし、この場合はキッズスペースを確保するだけなので、大きな初期費用はかかりません。サロンの間取り上、キッズスペースにも目が行き届くようであればこの方法でも良いでしょう。

個室または半個室があるサロン

個室または半個室を子連れでも利用可能にすることもできます。しかし、同じ部屋で過ごすということは、施術中の事故に十分配慮しなくてはなりません。

3~4歳以上の一人遊びができる子供ならOKなど、年齢のルールを定める必要もあります。ベビーサークルやプレイマットなどで子供の居場所をきちんと確保しましょう。半個室の場合は外に声が漏れてしまうこともあるはずです。ほかのお客様への影響を考える必要がでてきます。小さなプライベートサロンなら、子連れのお客様来店の時間には他のお客様と被らないよう貸し切り状態にしておくのも良いでしょう。ママも子供もほかのお客様に気を遣うことなくゆったりと過ごすことができます。

その部屋でのママの施術中にDVDやおもちゃなどで過ごしてもらうことができます。一緒の部屋で過ごせるため、ママも子供も安心できるのが大きなメリット。今現在個室があるなら部屋を別途用意する必要がない分、かかる費用は少なくてすみます。

託児室のあるサロン

施術中のお客様は目を閉じているため、子どもの様子を見ることができません。お客様もアイリストも安心して施術できるのは、別途準備されている託児室で保育士が見ていてくれる状態ではないでしょうか。サロンで行う託児の場合、基本的に届け出は必須ではありません。(しかし、県によっては届け出が必要な場合もあるので確認しておきましょう。)

しかし、託児室のあるサロンを作るためには、まず保育専門のスタッフをアイリストとは別に雇う必要が出てきます。さらに、託児室を用意するための手間や費用がかかるというデメリットも。託児室のあるサロンを作りたい場合には、そこに投資をしてでも将来的な集客が見込めそうなのか、自分のサロンの立地や客層をしっかりと見極める必要があるでしょう。

とはいえ、アイリストもお客様も子供の様子を気にしなくてすむため、普段通り施術に臨むことができる点は大きなメリットです。いつも子供と一緒に過ごしているママのリラックスタイムにもなるかもしれません。

子どもOKサロンにするためには

サロンの規模や間取りにより、実際に子どもがいる様子を想定しつつ、どの形態にするのかを明確にしましょう。
どの形態にするのかが決まったら、次はルール作りです。
起こりうるケースを検討したうえで、しっかりとルールを定めましょう。ルール作りがきちんとできていないと、お客様に注意しづらくなったりトラブルが発生したりする恐れもあります。何歳からOKにするのか、持参物には何が必要か、ママの施術中子どもはどこでどう過ごしてもらうのか、施術中に邪魔をしないでいられるかなど、全ての事項を明記して規約にしておくのが良いでしょう。

周知徹底も忘れずに

スタッフへの周知徹底も重要です。何かトラブルがあったらサロンの責任問題にもなりかねません。スタッフにもルールをしっかりと伝え、確実に対応できるよう徹底してください。予約の際にお客様に託児に関するルールを伝え、了承を得られてから予約確定する必要もあります。

サロンで準備しておくといいもの

子どもの過ごす場所の整備

子連れOKのサロンを作る際、準備しておくといいものを確認してみましょう。キッズスペースや託児室を用意するなら、子供がけがをすることがないよう安全に配慮した設備が必要です。クッション性のあるマットを引いたり、家具の角部分をカバーしたりして、危険かもしれない箇所は排除しておきましょう。赤ちゃんもOKにする場合、バウンサーやベビーベッドなども必要です。
個室、もしくは半個室の場合も同様です。必要最小限のものしか置かないようにしておきましょう。特にツイザーなどを置くワゴンは危険がいっぱい。子供が触ることができないような配慮が必要になります。

おもちゃや絵本、DVDは必須

そして欠かせないのはおもちゃや絵本、DVD。アンパンマンなどのキャラクターや大きめのレゴブロックなど、男女を選ばないものが良いでしょう。特にDVDは長い時間集中してくれる可能性があるため、子供の年齢に合わせた人気のものをいくつか準備しておきましょう。ある程度の時間なら楽しく鑑賞できるのではないでしょうか。個室での施術の場合、持ち運びのできるDVDプレイヤーがあると便利かもしれません。
お客様におもちゃを持ってきてもらうのもいいですが、子どもは普段とは違った目新しいものが大好きです。施術中大人しく過ごしてらえるよう、サロンでもいくつか用意しておくと安心です。また、子ども同士での感染を予防するため、おもちゃの除菌などにはサロン側でも適宜気を使いましょう。

まとめ

子連れでマツエクサロンに行きたいママの需要と、子連れOKのサロンの供給が一致していない現在。子連れOKにすることで、行きたくても行けなかった子育てママを取り込むことができるかもしれません。しかし、子連れOKにすることで今までなかったトラブル発生の可能性もあります。他のお客様とのトラブルやケガなど、大きな問題にもなりかねません。まず、子連れお客様への対応をしっかりと検討してみることから始めましょう。必要なのはしっかりとしたルール設定とスタッフへの周知徹底。一丸となってサロンを盛り上げていけるよう、スタッフの考え方や対応方法を統一してください。施術中子どもの過ごすスペースの危険を十分に排除し、子育てママにとってうれしいサロンを目指しましょう。

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