「下がりまつげでアッパーテープが上げられない人」への上手な付け方
「下がりまつげのお客様の場合は、アッパーテープでまつげの角度を引き上げる」というのは、アイリストの世界ではよく知られた方法ですよね。それでは、「下がりまつげだけれど、まつげの角度を引き上げようとすると目が開いてしまう」というお客様の場合はどのようにすればいいのでしょうか?頻度としてはそこまで多くはないものの、ちらほら見かけるこのようなケース。いざという時のために、最適な施術方法を学んでおきましょう!
レアケース?よくある?「下がりまつげでアッパーテープが上げられない人」
日本人に多いと言われる、下がりまつげ。マツエクをする際には、施術時にまつげが見えにくくなってしまうため、アッパーテープで角度を調節する必要があります。おそらく、ほとんどのアイリストがそのように対応していることでしょう。
ただ今回テーマとして取り上げるのは、「アッパーテープで対処しきれない下がりまつげ」のケース。下がりまつげの中でも、瞼が内側に入り込んでいる方や眼球がやや大きい方は、アッパーテープでまつげの角度を調節しようとすると目が開いてしまうことがあります。このような特徴を持つお客様はそれほど多くはありませんが、全くないとも言い切れません。施術中に目が開いてしまうことはお客様の目を危険にさらすということ。常に安全な施術を提供できるよう、対処方法を学んでおく必要がありますね。
主な対応としては、テープの貼り方や施術中の姿勢(目線)についてそれぞれ見直すという方法が挙げられます。ここからは、それらの対応方法についてさらに深堀していきましょう。
下がりまつげの人のアッパーテープのコツ
まずは、テープ貼りについて解説していきましょう。
前提として、いくら目が開いてしまうというお客様であっても、下がりまつげである以上は、アッパーテープを貼らなければなりません。まつげがアンダーテープに当たるくらい下がっていては、施術自体が難しくなってしまうでしょう。目が開かない範囲で最大限まつげの角度を上げられるよう、次のようなことを試してみてください。
まずは基本!角度の調節を細かく行う
テープ貼りの基本をしっかりと守れているかどうかは、最初に確認すべきポイント。稀に、テープの貼り方が原因で、本来開くはずのないお客様のまぶたが無理やり開いてしまっていることもあります。改めて確認しておくと安心ですね。
まずは、テープを目の際に近い3~4mm程度だけ残した状態とし、少しずつ引き上げてみてください。この時、まぶたを持ち上げるのではなく、まつげの角度を起こすようなイメージを持つことがポイント。角度が決まったら、テープの反対側を貼り、固定しましょう。この方法で解決できるようであれば、アイリストの腕次第。あとは練習あるのみです!
アンダーテープを引き下げ過ぎないようにする
アンダーテープの引き下げ方を、やや抑えてみましょう。そうすることで、アッパーテープで引き上げられる余裕を作ることが出来ます。逆に、アンダーテープを引き下げすぎてしまうと、少し上まぶたを持ち上げただけで目が開いてしまいますね。下まつげの角度をしっかりと見極めたうえで、必要以上に引き下げないよう意識してみましょう。
以上の2つは、どちらも自まつげの角度をしっかりと上げることよりも、目が開かないことを優先した方法。
一方、自まつげの角度を上げることを優先させたいのであれば、「装着する方の目だけテープでまつげの角度を引き上げる」という方法もあります。これは、Beautéの過去記事(テープワークをマスター!目の形によってうまく貼れない時のポイント・時間短縮のコツとは)でもご紹介しました。装着する側の目はどうしても開いた状態になってしまいますが、その分装着していないときにテープを引き下げ、目を休ませます。その際、テープを貼り付けたままにしておけば、新たにカットする手間と時間を短縮することもできますね。
仮に、この方法で改善できるのであれば、自まつげはしっかり上がった状態で施術できるため、施術時の姿勢はいつも通りでもいいかもしれません。ただ、片方ずつ休憩をはさんだとしても目がかなり開く方にとっては、負担のかかる方法。お客様が少しでもつらいと感じられるようであれば、角度を引き上げることは諦め、施術時の姿勢やツイザーの角度を見直すことで施術をしやすくした方がいいでしょう。
【写真解説】姿勢の見直し方とツイザーの注意点
マツエク施術中の正しい姿勢とは、次のような状態。背筋がのび、肩の力が抜けていて、脇が適度に締まっていますね。目線は、お客様の顔に近づけすぎることなく、斜め上から見るような位置にあることが理想です。
ただし、この姿勢が適しているのは、テープによって自まつげの角度をまぶたに対して垂直に調節できた場合。つまり、自まつげの角度が正しく引き上げられた場合に限ります。今回のような「下がりまつげでアッパーテープが上げられない」場合には、この姿勢のままだと自まつげが見えにくい状態となってしまうでしょう。
それでは、こちらの姿勢はいかがでしょうか?
高い位置からお客様の顔を上から覗き込むような姿勢となっていますね。普段よりもベッドの位置を低めに、または椅子を高めに設定することでこのような姿勢をとることができます。
この姿勢のメリットは、まぶたに対して垂直よりもやや寝ている角度の下がりまつげを真正面から見ることができるということ。この目線であれば、仕分けや装着もしやすくなるでしょう。ただし、この姿勢のときには、
- お客様の頭とアイリストの体の距離が近くなり、当たりやすくなる
- 普段よりも高い位置からとなるため、お客様のおでこに添わせる手が重くなりやすくなる
といった傾向にあります。特に、おでこに添わせる手の位置は、お客様の不快感や施術の安全性にも関わること。必ず、おでこよりも前に出ることのない位置で、軽く添わせるように心がけましょう。姿勢を見直したら、必ず合わせてチェックしておきたいのが、ツイザーの角度。仕分け用、装着用にかかわらず、普段よりも寝ている状態の自まつげを掴むためには、ツイザーの角度も調整する必要があります。通常の施術では良しとされる「顔に対して平行な角度」も、今回のようなケースでは不向き。普段は、安全性の面から推奨されていない方法ではありますが、少しだけツイザーの角度を上げた方が扱いやすくはなります。
もし、顔に対してあまりに立ちすぎるようであれば、アンダーテープを1枚多めに貼っておくと安心。その際に一言、お客様に「テープをもう一枚貼りますね」とお声がけすれば、より丁寧な対応となるでしょう。
まとめ
日々、さまざまなお客様を対応するアイリストのみなさんは、ときに想定外のケースに遭遇することもあるでしょう。その中には、下がりまつげのお客様で、いつものようにアッパーテープで引き上げようとしたら、目が開いてしまうということも十分にあり得ます。大切なことは、さまざまなケースを想定して、対応方法を学んでおくということ。今回ご紹介した内容を実践すれば、きっと下がりまつげのお客様であっても、安全に快適に施術を受けていただくことができるでしょう。それがお客様からの信頼にもつながりますね。今回の内容は、ぜひ困ったときのヒントとして頭の中にとどめておきましょう。
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