「下まぶたの分厚い方」への下まつげエクステ提案のコツを学ぼう
毎日施術をしていると、様々なオーダーを受けますよね。「目がパッチリ見えるから」などという理由で、下まつげへマツエクを装着してほしいと希望されるお客様もいるでしょう。上まつげに比べて下まつげの難易度は高めですが、その中でもさらに難易度が高いとされるのが“下まぶたが厚い人”。下まぶたが厚いとまつげの根元が見えにくかったり、モチが悪くなったりするのが理由です。では、そのようなお客様に対して、どのようなご提案を行えばよいのでしょうか。今回は下まぶたが厚くてもエクステが付けられるケースとそうでないケースのご紹介と、施術の注意点、具体的な提案例について一緒に学んでいきましょう!
「下まぶたが厚い」ってどういう状態?
サロンによっては、お客様から「下まつげもマツエクを付けたいんだけど」とオーダーされることがありますよね。下まつげにマツエクを装着すると、目がぱっちりと大きく見えたり、小顔に見えたりと様々なメリットがあります。しかし、上まつげとは違い、下まつげは装着できないケースが多いのも事実。その理由は、下まぶたの厚さにあります。そもそも「下まぶたが厚い」とは、どういった状態を指すのか画像をもとに確認しましょう!
①根元が下まぶたの奥に入ってしまう状態
こちらは一見下まぶたが分厚く見えませんが、右側の下まつげの生え際が見えにくいですよね。このモデルのように、根元がまぶたの奥に入り込んでいる状態も、下まぶたが厚い状態に分類されます。
②上下のまぶたが分厚いが装着可能な例
こちらは横から見た画像。上下のまぶたが分厚いことがよく分かりますね。分厚いですが、下まつげの角度は下がっていないので、エクステを装着することができます。
③上下のまぶたが分厚く、装着不可能な例
こちらも上下のまぶたが分厚い例。このモデルは下まつげが逆さまつげなので、エクステを装着することができません。
④下まぶたが「涙袋」の影響で分厚くなっている例
こちらは涙袋がぷっくりしている例。しかし、下まつげの角度があまり下がっていないので、エクステを装着できます。
⑤「涙袋」以外にも装着できない理由がある例
こちらも涙袋がぷっくりしていますが、上の例と違うのは下まつげが下がっていること。また、少しカールしているのであまり皮膚との隙間がありません。エクステを装着しても取れやすかったり、違和感があったりすることが考えられます。
以上が下まぶたが厚い人の例でした。下まぶたが厚くてもエクステを装着できる人は、下まつげの角度が下がっていない(皮膚との距離がある)人。逆に装着できないのは、下まつげの角度が下がっている人。もしくはカールが強くて皮膚に当たっている人です。では、次の項目で下まつげにエクステを装着できるケースと、そうでないケースについて詳しく見ていきましょう。
下まつげのエクステは付けられる?注意すべき点は?
先ほどの画像を元に、下まつげにエクステを装着できるケース、装着できないケースについて解説していきます。
装着できるケース
①「目頭に長めを装着」すれば装着可能
こちらは目頭の生え際が下まぶたによって見えにくくなっています。通常のケースだと、下まつげ全体に同じ長さのエクステを用いるのですが、こちらのケースは目頭のみ、少し長めのエクステを装着するようにしましょう。短いものを使用すると、エクステが見えにくくなってしまいます。
②「カールが緩やかなもの」なら装着可能
涙袋がぷっくりしていますが、皮膚との距離があるためエクステを装着できます。このケースの注意点は、あまりカールが強いエクステを用いると涙袋に当たってしまうので、ゆるやかなカールのものを選ぶようにしましょう。
③難易度が高い例
下まつげの角度が下がっていますが、完全に皮膚に当たっていないため装着は可能。しかし、難易度が高いケースです。というのも、笑ったりするとすぐに皮膚に当たってしまうからです。角度が下がっていないまつげに比べて、エクステが取れやすくなることが予測されます。装着する場合はゆるめのカールのエクステを選び、長さも短めのものがよいでしょう。もし、モチを重視されるのであれば、おすすめはできません。
装着できないケース
①下まぶたに完全に当たっている
下まつげが下まぶたに完全に当たっているケースは、エクステを装着できません。その理由は、装着する際にグルーが皮膚に付着してしまうからです。お客様が下まつげへエクステの装着を希望されても、「お客様の下まつげは下まぶたに当たっている状態です。もしご希望通り下まつげへの施術をすると、グルーが皮膚についてしまったり、付けられたとしてもモチが悪くなるためおすすめできません。」と、きちんと説明しましょう。
②逆さまつげ
こちらのケースはまぶたも厚いのですが、注目してほしいのはまつげの角度。下まつげが逆さまつげになっているため、エクステを装着するのはとても危険です。いくら強いカールのエクステを選んでも、目に入ってしまう危険性があるため装着できません。
下まつげのエクステを装着する際の注意点
では、エクステを装着する際、どのようなことに気を付けるべきなのかお伝えします。
しっかり下まぶたを引き下げる
下まぶたが厚い人の場合、しっかりテープで引き下げないとまつげの根元が見えにくいのです。しかし、引き下げすぎると白目が見えてしまい、グルーが目にしみやすくなります。特に下まつげの場合、下から上に向かってエクステを装着するため、いつも以上にしみやすくなることが考えられるため、テープの引き下げ方には注意しましょう。
▽下まつげのテープ貼りについての詳しい記事はこちら
お客様に事前の説明を行う
下まぶたが薄い人に比べて、モチが悪くなることをお客様に説明して納得していただきましょう。モチが悪くなる理由として
- 皮膚に当たりやすいため衝撃を受ける
- 皮膚に当たると皮脂が付きやすい
などが考えられます。もし「モチが悪くなるのは嫌」と言われるのであれば、施術はおすすめできないということをお伝えしましょう。
また、エクステが皮膚に当たりがちなので、違和感があることも考えられます。そうならないためにも弱いカールのエクステをおすすめするとよいでしょう。しかし、対策をしたとしても違和感がある可能性があります。
事前に「お客様の下まぶたの形に合わせて弱めのカールを付けさせていただきたいのですが、いかがでしょうか。また、弱いカールのエクステを装着した場合でも、笑ったり、目を閉じられたりするとエクステが皮膚に当たって違和感がある可能性があります。」と説明して、了承を得ることが大切です。
下まぶたが厚い人への提案例
下まぶたが厚くてもエクステを付けられる人とそうでない人の違いを理解したところで、どんなご提案をしたらよいのか見ていきましょう。
【ケース①】 下まぶたでまつげの根本が埋まっている人
下まぶたに下まつげが埋まっているせいで、短く見えるケースがあります。上まつげの長さによって、下まつげと相性がよい長さがあることはご存知ですよね。しかし、下まぶたに埋まってしまっている人の場合、このセオリーに当てはまるとは限りません。正面から見て、下まつげが見えにくい人は長めのエクステを選定するようにしましょう。お客様に鏡をお渡しし、
「正面から見て、下まつげがやや見えにくい状態です。お客様の上まつげは〇mmのものを装着されているので、通常は〇mmのエクステを下まつげに装着することをおすすめしていますが、それではエクステが見えにくくなるかもしれません。なので、少し長い〇mmのエクステがおすすめなのですが、いかがでしょうか?」
とご提案するとよいですね。
▽下まつげエクステの選定についてはこちらの記事をチェック
【ケース②】 下まぶたとまつげの距離が近い人
下まぶたが厚い人は、下まつげとの距離が近いことが多いです。そのため、強いカールのものを選ぶと下まぶたに当たりやすくなることが考えられます。下まぶたに当たるとお客様が違和感を覚えられるだけでなく、モチが悪くなるのです。このケースのご提案例として、弱めのカールのエクステをおすすめしましょう。また、根本がしっかり見えているのであれば、あまり長めのエクステはおすすめしないほうがよいでしょう。
まとめ
下まつげの施術自体、難易度が高いのですが、さらに下まぶたが厚いとなるとその難易度は高まります。カウンセリング時にお客様のまぶたとまつげの角度を見極めて、装着できるのかどうか的確に判断できるようになりましょう。また、エクステの選定も重要です。お客様の目の状態に合わせて適切なエクステを選定できると、モチがよくなったり、違和感を覚えにくくなったりします。技術力や観察力が問われますが、一流のアイリストになるためには様々なケースをこなさなくてはなりません。いざ下まぶたが厚いお客様を施術することになったとき、慌てないためにも知識を身に付けておきましょう。
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