あなたのサロンは入ってる?『サロン保険』で従業員とお客様を守ろう
ボーテ読者様からのお悩み相談にお答えします!「来年自宅サロンをオープンしようと思っています。開業にあたって万が一に備えて『サロン保険』を考えています。勤めていた頃は会社という安心感があったのですが、「独立」となるとちょっと不安になっています…」個人事業主でも入れるの?保険料はどれくらい?保険に入っているサロンって多いの…?など、気になることを徹底調査!開業しているけど入っていないという人も要チェックです!
「サロン保険」ってなに?入っていないとどんな事が起きる?
マツエク施術やサロン経営でのトラブル、他人事ではないかもしれません。トラブルに見舞われたときに役立つのが「サロン保険」の存在です。では、「サロン保険」とはどのようなものなのでしょうか。 詳しく見ていきましょう。
あなたのサロンも他人事じゃない!起こりうるトラブルは?
どんなに気を付けて施術をしているつもりでも、トラブルが生じてしまう可能性は故意か過失かにかかわらず誰にでもあります。特にマツエクは繊細な目元への施術のため、大きなトラブルにつながりやすいもの。実際に起こったトラブルの事例を見てみましょう。
◆施術ミスのトラブル
「施術中の不手際でまぶたにグルーがつき、通院させることになってしまった」
「お客様の目にツイザーが当たってしまい、眼球に傷がついてしまった」
◆サロン内での事故でのトラブル
「ライトの傘がお客様の顔に落ち、けがをさせてしまった」
「ライトスタンドのコードに引っかかって転び、腕を骨折してしまった」
◆サロンで販売した化粧品でのトラブル
「サロンで購入した化粧品で肌に炎症が起きてしまった」
◆預かり品の紛失や破損でのトラブル
「来店したお客様のバッグを紛失してしまった」
「施術中に預かったコートを汚損してしまった」
◆その他のトラブル
「サロンの駐車場でお客様の車を移動する際に誤ってぶつけてしまった」
「スタッフがお客様の車の情報をほかのお客様がいる所で話して訴えられてしまった」
マツエクサロンで生じるトラブルとしては、上記のような事例がたくさん国民生活センターに寄せられています。マツエクトラブルとして多いのは、目のかゆみや痛み 。最悪の場合失明してしまったり、何かしらの障害が残ったりというリスクと常に隣り合わせなのです。
サロン開業で必要な保険と「サロン保険」について
サロン開業の際、加入しておきたい保険には以下の3つが挙げられます。
◆賠償保険
◆火災保険
◆労災上乗せ保険
この必要な保険の中でも、サロンの規模にかかわらず絶対加入しておきたいのが損害賠償保険の「サロン保険」。万が一の事故によって生じる損害を補てんするのが目的です。施術トラブルによって損害賠償責任が生じた場合、サロンが被る損害金額を補償してくれるのが「サロン保険」です。「サロン保険」に加入しているサロンは年々増えており、お客様はもちろん働くアイリストの安心にもつながっています。
サロン保険で保証される内容とは
サロンでトラブルが生じたときは、お客様に対して早急にしかるべき対応をしなければなりません。気になるのは、「サロン保険」で補償される内容ですよね。詳しく見ていきましょう。
損害賠償保険は、細かく分けると以下の分類に分けることができます。
施術賠償責任補償:施術中の事故を補償する
店舗管理事故補償:サロン内での事故を補償する
生産物賠償(PL)補償:サロンで販売した商品での事故を補償する
受託者賠償責任補償:お客様の私物への事故を補償する
1番重要なのは言わずもがな、施術中の事故を補償する「施術賠償責任補償」です。
以下のグラフからもわかるように
出典:独立行政法人国民生活センター「後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害」
マツエクのトラブルで目の異変を感じた原因は
1位「施術中にグルーが目に入った」
2位「グルーが目やまぶたに触れた」
というように施術におけるミスが引き金になることが多いことがわかります。
損害賠償保険の中でも「施術賠償責任補償」は必須!しっかりと補償してくれる「サロン保険」を選ぶのがいいでしょう。
「店舗管理事故補償」はサロンの床で転んでしまった、設備でけがを負ったなど、マツエクサロンにとどまらず、店舗全般に当てはまる事故を指します。事故の起こらないような配置を考えることはもちろんですが、何かあった時のために「店舗管理事故補償」があると安心です。
サロンで販売しているアイテムがあるなら、「生産物賠償(PL)補償」も欲しいところ。マツエクサロンで販売する可能性があるのは、アイシートやコーティング剤、マスカラといった化粧品がメインになるはずです。お客様の肌質や体調などにより、何かしらのトラブルを与えてしまう可能性がないとも限りません。
最後に「受託者賠償責任補償」です。施術中のお客様は目を閉じた状態のため、自分で荷物管理ができません。その際お客様の荷物を預かることもあるでしょう。施術中に荷物がなくなった、汚した、などの事態はお客様の信頼にかかわる大事件。高価なものなら賠償額も大きくなってしまうため、「受託者賠償責任補償」があると安心できるのではないでしょうか。
「サロン保険」加入=安心につながる!
出典:独立行政法人国民生活センター「後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害」
国民生活センターに寄せられたマツエクに関する被害状況は2010年から2015年の間で599件でした。1年に100件以上トラブルが発生しており、マツエク普及に伴う業界での大きな課題です。どんなに経験のあるアイリストでも、その日の体調や条件は異なるもの。一瞬の手元の狂いが大事故につながるのが、マツエク施術の怖いところです。それぞれ、本来起きてはいけないこと。しかし「サロン保険」に入っているかいないかで、その安心感は大きく違うはず。サロン開業を考えている、もしくはまだ加入していないなら、「サロン保険」への加入の検討をおすすめします。
代表的な「サロン保険」にはどんなものがある?比較メリットとは?
最後に法人でも個人事業主でも加入することのできる、代表的な「サロン保険」をご紹介します。どんなものがあるのか、さっそく確認していきましょう。
なおここでは
施術賠償責任補償を施術
店舗管理事故補償を店舗
生産物賠償(PL)補償を生産物
受託者賠償責任補償を一時預かり品
と記載しています。
店舗にかける保険サロン店舗賠償責任保険
取扱代理店 |
株式会社ビューティーガレージ |
引受保険会社 |
三井住友海上保険株式会社 |
補償内容 |
①エコノミープラン→施術・店舗 ②スタンダードプラン→施術・店舗・一時預かり品 ③開業安心プラン→スタンダードプラン+火災や盗難の損害賠償や火災事故などによる休業損害が追加特約 |
保険料 |
①エコノミープラン10,000円~ ②スタンダードプラン18,270円~ ③開業安心プラン24,810円~ |
HP: https://www.salonhoken.net/insurance1/
ポイント:サロン開業に必要な補償がしっかりと組み込まれているのが特徴のサロン保険です。対象となるのはマツエクサロンだけでなく、理美容室やネイルサロンといったサロン業務全般。開業安心プランなら、開業の不安点をすべて解消してくれるのではないでしょうか。
美容所賠償責任補償制度
取扱代理店 |
全日本美容業生活衛生同業組合連合会 |
引受保険会社 |
損保ジャパン日本興亜株式会社 |
補償内容 |
施術・店舗・一時預かりに関して補償 |
保険料 |
1店舗当たり1,600円 |
HP: http://www.biyo.or.jp/images/activity_img/2015liability-coverage.pdf
加入資格は全日本美容業生活衛生同業組合連合会の組合員であること。サロンで起こりうる事故をお得な保険料でカバーしてくれることが最大の魅力です。生産物賠償(PL)保険はないため、必要であれば他の保険との組み合わせると安心でしょう。
サロン様向け賠償責任保険
取扱代理店 |
株式会社リクルートライフスタイル |
引受保険会社 |
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 |
補償内容 |
①エコノミープラン→施術・店舗+人格権侵害に関して補償 ②スタンダードプラン→エコノミープラン+一時預かり品・弁護士相談費用が追加特約 |
保険料 |
①エコノミープラン2,480円 ②スタンダードプラン3,000円 |
HP:https://corp.hokench.com/beauty
同じくサロン業務全般を対象とした「賠償責任保険」がリクルートからも販売されています。ホットペッパービューティー掲載店であることが加入条件。また、人格侵害に関する補償が入っているのも特徴です。従業員がお客さまの名誉やプライバシーを侵害したとして訴えられる可能性もゼロではありません。また、トラブルに関する法律のプロの助言があると安心できるはず。弁護士相談費用も補償してもらえるのはうれしいポイントです。
保険を比較検討するメリットは
一言で「サロン保険」といっても、その詳細の内容は契約する保険によって異なるものです。生じる可能性のあるトラブルはサロンの規模や在籍するアイリストの人数、ベッドなどの配置などによっても異なります。自分のサロンに合った「サロン保険」を選ぶためには、まず自分のサロンで生じる可能性のあるトラブルを挙げてみることから始めましょう。その上でどんな補償が必要だと思われるかを考えてみてください。
必要な補償が確認できたら、いくつかの「サロン保険」をピックアップしてそれぞれの保険内容や保険料を確認してみましょう。いくつか比較検討することで、自分のサロンに必要な「サロン保険」が見えてくるのではないでしょうか。
まとめ
サロンを開業する際に入っておきたい「サロン保険」。施術に関するトラブルやサロンでの事故など、お客様ありきのサロンでは、どんなことがトラブルの火種になるかわかりません。治療費や慰謝料はどんな金額になるかわからない上、負担することによりサロン運営に影響が出てしまうことも考えられます。備えあれば憂いなし!安心してサロンを運営していくためにも、万が一を補償してくれる「サロン保険」は必須と言えるのではないでしょうか。サロンの規模に合わせた保険で、万が一のときの安心を購入しましょう。Ess180901