「目が離れているけど、目頭にエクステをつけたくない方」への提案をマスターしよう
両目が離れている人向けのデザインには、「目頭に付けるエクステ」が重要です。しかし、目頭は目の中でも産毛が多い部分。エクステを付けるとトラブルが起こる可能性が高いところである分、お客様の中にも「目頭にエクステを付けたくない」と思われる人がいます。目を近づけて見せたいけれど、目頭へは付けられない…この状況で最適な提案ができるよう、目を空けたい理由や目頭にエクステを付けず、離れた目に見せないデザインを考えましょう。
目頭を空けたい理由とは?
通常であれば、目頭を避けてマツエクを施術します。みなさんもご存知の通り、目頭は産毛が多いゾーン。そのため、マツエクをつけても自まつげと共に抜け落ちたり、施術に耐え切れず自まつげが傷んだりと、目頭に対するマツエクは大きなリスクを伴います。
マツエクを経験しているお客様の中には、はじめから「目頭を空けて施術」をお願いする方もいるでしょう。その理由は以下の通りです。
◆目頭を触りやすい、掻きやすい
◆エクステが取れやすい
◆装着したエクステの向きが変わりやすい
◆目頭を触りやすい、掻きやすいことは意識すれば直せますが、癖になっていればこれを我慢するのはストレスになるでしょう。そして目頭は産毛が多いことから、注意してエクステを装着しても産毛を巻き込んでしまい、目を開けた時に違和感が起こりやすいところでもあります。また、視界にエクステが入り、邪魔になることも。
そして目頭=細く産毛が多いところにエクステを装着すると、取れやすいことは明らかです。装着したては良くても、次第に様々な方向にエクステが向いてしまい、バラついて見えることもありますよね。このことから、目頭にエクステをつけたくない、目頭を空けたいという要望が生まれます。
しかし、ここで「目頭にエクステをつけない」ことを安易に選択はできません。目が離れている方にとって、理想となるのは目頭に極めて近い位置の自まつげを選定し、エクステ装着を行うこと。あとで詳しく解説しますが、顔には“黄金比”があり、この比率に近づけることこそ、美への近道です。目が離れているお客様には、目が極力近寄って見えるデザインを提案することがベストな方法と言えるでしょう。
すると、「目頭を空けてエクステをつけたい」ことと、「両目が離れて見えないようエクステをつけたい」ことに矛盾が生じます。この矛盾を解決するお客様への提案方法を、今回は学んでいきましょう。
目が離れていることを気にしている方への基本の提案
目が離れているお客様に適したデザインとは?
そもそも、目が離れているとはどのような場合を言うのでしょうか。「目が離れている」ことが気になるのは“黄金比”から顔のパーツがズレていることに原因があります。
黄金比とは、図形・建物などの造形物にも利用されている「人間が直感的に美しいと感じる」比率のこと。黄金比を守ると、バランスよく美しく整って見えます。人間の顔にも黄金比を使用すると、美しく見える効果が期待できるのです。目の位置にも同様に比率があり、
左の目頭と右の目頭を結んだ距離=両目の隙間
これが
両目の隙間=目の横幅
であれば黄金比に則った美しい目元と言えます。
この黄金比からズレている「目が離れている」とは、目幅の長さに対して両目の隙間が広いわけです。数値にするとその差は3~5mmなど些細なものであっても、自身で目が離れていると意識していれば、その差が気になってきます。
黄金比はスクールなどでも習うものなので、知っているアイリストは多いことでしょう。美容意識の高いお客様が多いマツエク業界では、無意識・意識的にこの黄金比を守ったデザインを求められます。つまり、目が離れているお客様には黄金比に近づけるデザインが必要となるのです。
基本的には目頭にエクステをつけた方が良い
さて、黄金比とデザインの関係性を説明しました。目幅の長さに対して両目の隙間を対等にすることは物理的に不可能であるため、マツエクデザインで目が近づいて見えるよう工夫しなければなりません。
したがって、基本的には目頭にエクステをつけた方が良いことが結論になります。
繰り返しになりますが、目頭へのエクステ装着は十分注意が必要です。リスクを十分踏まえた上、自まつげはできるだけ長さ・太さが確保できるものを選びましょう。このとき、エクステの重みに耐えられるかどうかをポイントに選定します。どうしても目頭付近にエクステ装着ができそうな自まつげがないときは、目頭側のエクステを内向きに装着することがおすすめです。こうすることで、目頭にエクステを付けたくないオーダーも叶えることができるでしょう。
黄金比にとらわれない提案も必要
目元の黄金比について触れましたが、しかし「美しい」と感じるポイントは人それぞれ。黄金比どおりの目元でなくても、「この人は美人だ!」と思うことはあります。
例えば、黄金比の目元ではない=目が離れている芸能人を見てみましょう。石原さとみさん、安室奈美恵さんや永作博美さんは、実は目元に黄金比が作られておらず、いわゆる目が離れている顔立ちです。しかし「美しい」「かわいい」と世間では評判ですよね。このように、黄金比が「美しさ」のすべてではありません。最近では“愛され離れ目”と言われることも多く、女性の憧れる顔立ちに「目が離れている」ことがそうネックにならないことが分かります。
「目が離れている」ことをコンプレックスに感じるお客様もいるため、一概には言えませんが「目が離れている」個性を活かした提案も必要です。もしかするとお客様は、「目が離れているからカバーできたらいいな。でも、自分に似合うデザインが最優先」と考えているかもしれません。お客様のオーダーに応じるあまりリスキーな施術をしてしまい、モチや仕上がりの悪さが目立つマツエクでは、却ってお客様の意向に沿わないことになるでしょう。お客様がどのような仕上がりを求めているか、カウンセリングでくみ取ることが大切です。そして、そもそも離れた目をカバーする必要があるのかを見極め、個性として活かす方法もあることを頭に入れておいてくださいね。
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じゃあどうする?具体的な提案方法を考えよう
ここからは、具体的な提案方法を考えていきます。
「目頭を空けてエクステを付けたい、けれども目が離れているため本来ならば目頭にエクステを付けることが好ましい」。このケースで進めたい提案として、まずは目頭と目尻に付けるエクステに工夫を施します。
◆短く細めのエクステを装着する
◆目頭を可能な限り空けてエクステを装着する
◆長いエクステを避ける
◆強めのカーブを選ぶ
ひとつずつ詳しく解説していきます。
目頭側
短く細めのエクステを装着する
記事冒頭でも説明したとおり、目頭を空けたい理由には、
・エクステが取れやすい
・装着したエクステの向きが変わりやすい
がありますよね。これらはエクステを短く細めのものにすれば、解消できることがあります。目頭付近の自まつげのうち、産毛でなく太くて長い健康毛を選んだとしても、目の中央にある自まつげと比較すれば短く、細いものが多いもの。そのため、エクステも同様に細く短めにしてみましょう。エクステ自体が軽いため、目頭付近の自まつげでも重さが負担にならずモチよく装着でき、向きも変わりにくいと感じるはずです。
目頭を可能な限り空けてエクステを装着する
基本的に目頭へのエクステといっても、目頭の生え際から5mmは空けて付けていきます。生え際~5mmは目頭の中でも特に産毛が多い部分。エクステを付けた際に目を開けるとピリッとしたつっぱりを感じやすいのが、このゾーンだと言われています。
そもそも目頭にエクステを付けることにお客様が難を示している場合は、7mmなど隙間を空けて付けていきましょう。その際は、基本的な提案でもお伝えしたテクニックを使用します。まっすぐ付けるのではなく、少しだけ内向きを意識して装着してみましょう。目頭にエクステがないため、目が離れていることが際立ってしまわないか心配に思うかもしれません。けれども、目元全体を見てみれば、そう違和感がないことが分かります。
目尻側
長いエクステを避ける
さて、目頭を空けたい理由が・目頭を触りやすい、掻きやすいことであれば、こすってしまうとエクステが取れてしまうので、目頭に付けない方が良いとされています。では、目尻のエクステで極力離れた目を強調しないデザインを作っていきましょう。
目尻に長さのあるエクステを付けると、切れ長で横幅が強調されたセクシーデザインに仕上がります。ポイントを目尻に持ってくることで、目尻に視線が集中して離れた目がさらに目立ってしまう結果に。そのため、目尻に付けるエクステの長さは重要。長いものを避け、短く上向きに付けるキュートデザインにした方が、離れた目が強調されません。
キュートデザインとセクシーデザインの比較はこちらをご覧ください。
上のセクシーデザインでは目幅が広く見え、下のキュートデザインは縦にボリュームがある分、幅的にはコンパクトに見えますよね。
目元全体を見るとこのように。上がキュートデザイン、下がセクシーデザインです。このように目尻のエクステの長さで、目元の印象を操作することができます。
強めのカーブを選ぶ
先ほどは長さについて言及しましたが、カーブにも工夫しましょう。緩めのカーブを目尻に付けると広がって見え、ややセクシーよりのデザインに。離れた目が強調されてしまうため、カーブは強めがおすすめです。
目頭にエクステが付けられなくても、このように目尻側に工夫をすることで、離れた目が目立たないデザインにすることは可能。お客様には、目の中央にボリュームがあり、目幅は広く見せず縦に長い印象の、キュートデザインを提案してみてはいかがでしょうか。
まとめ
目が離れていることを気にするお客様は多いもの。離れている目をくっつけることは不可能なので、マツエクを使って離れ目を目立たせないようにしたいと思う方は、たくさんいることでしょう。かつ、目頭近辺にエクステを付けると視界に入ったり取れやすかったりと、モチや仕上がりの悪さが気になります。そのため目頭へのエクステは十分注意が必要です。今回は、そんな状況でも提案できる一例をご紹介しましたが、まずはお客様に満足してもらえるかどうかが最優先。カウンセリングでお客様の“なりたい目元”とはどのような雰囲気・イメージなのかをしっかりくみ取り、必要に応じて適切なデザインを提案しましょう。E1809203s