ホルモンバランスと向き合おう。産前産後のまつげの変化
女性の身体は、妊娠から産後までの間にホルモンバランスが大きく変化します。そのため、産前産後に髪の毛の質が変わったり、脱毛が増えたりすることは、ご存知の方も多いはず。体毛の一種であるまつげにも、実は同様の変化が起きることを知っていますか?今回は、産前産後にまつげが変化する詳しい原因や、対策について迫ります!まつげが敏感になっている妊産婦のお客様へ正しく対応するためにも、今回の記事をしっかりチェックしておきましょう。
産前産後の自まつげの変化とは
原因と対策に触れる前に、産前産後の自まつげがどのように変化するかをチェックしておきましょう。
毛質が変化する
- 「産後、まつげのハリツヤが失われ気味……」
などと、お客様からご相談を受けたことはありませんか?
妊娠以降にまつげが傷んでしまったお客様へ、実際に接したことのあるアイリストもいるかもしれませんね。
このように、以前は健康的なまつげだったのに、妊娠してから毛質が変わってしまうケースがあります。
脱毛しやすくなる
- 「このままでは、まつげがなくなりそう……」
というお悩みや不安を抱えるお客様も多いようです。
冒頭でもお伝えしたように、体毛が抜けるのはホルモンバランスの影響。産後1年ほどでホルモンバランスが整い始め、脱毛は落ち着いてくると言われています。
まつげが抜ける現象は、産後ずっと続くわけではないことを覚えておきましょう。
毛が細く・弱くなる
- 「産後、急に切れ毛が多くなった」
などと、施術で申し出られるお客様もいるようです。
まつげが細くなったり、弱くなったりすることも、産前産後の特徴。そのため、妊産婦のお客様を施術する際には、いつも以上に丁寧にまつげを扱う必要があります。
まつげのダメージを自覚していなくても、「産後、髪の毛が抜け始めた」というお客様には、特に注意してください。
このように、産前産後のまつげは非常にデリケートな状態にあると言えます。では、なぜそのような変化が起こってしまうのでしょうか?
なぜ変化が起こる?その原因とは
まつげの変化には、妊娠中と産後でそれぞれ次のような原因があると言われています。
妊娠中の原因
栄養不足
「妊娠して、歯や骨がもろくなってしまった」という話を、妊産婦のお客様や知人の方から聞いたことはありませんか?そのようなケースは、カルシウムの摂取量が少ない妊婦さんに起こりやすいようです。
その理由は、妊娠中はママではなく、赤ちゃんへ優先的に栄養が届けられるためなのだとか。
カルシウムに限らず、他の栄養素に関しても同じことが言えるでしょう。
妊娠中は、つわりによって十分な栄養が摂れなかったり、特定の食べものだけを欲したりする時期もあるようです。そのような状態では、健康なまつげを保つために必要な栄養素が不足。結果的に、まつげの不健康につながります。
妊娠によるストレス
妊娠は、女性の心身に大きな影響を与える出来事。
たとえば、妊娠初期は、つわりによる吐き気や倦怠感などの不快症状に悩まされる妊婦さんも多いでしょう。また、食事や運動などの制限事項もあり、生活習慣の変化にストレスを感じることも考えられます。
妊娠後期に入ると、身体が10kg以上重くなる女性も多いようです。そうなると、ほんの少し体を動かすだけでもひと苦労。できないことが増えて、小さなストレスが溜まりやすくなるかもしれません。
ストレスを受けると、血圧をコントロールする自律神経に乱れが生じるのだとか。
すると、血行が悪くなり、まつげを育てる毛母細胞にきちんと栄養が行き渡らなくなるようです。そのため、まつげが細くなったり、弱くなったりします。
産後の原因
ホルモンバランスの変化
女性の性周期に関係していると言われるのが、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンです。
前者のエストロゲンは、別名「美人ホルモン」とも呼ばれる物質。体毛を増やしたり、毛のツヤ感をアップさせたりします。
妊娠中は、エストロゲンが絶えず分泌されている状態ですが、出産後はその量がダウン。そのため、髪の毛と同じように、体毛の一種であるまつげも、脱毛しやすくなったり、ハリツヤが失われがちになったりするのだとか。
先ほどもお伝えした通り、産後1年ほどしてホルモンバランスが整えば、だんだんと脱毛も減ってくるようです。
育児によるストレス
出産という大仕事を終えたのも束の間、すぐに育児がスタートします。
初めての育児では、慣れない赤ちゃんのお世話や睡眠不足で、多くのママがストレスを抱えるもの。
また、2人目以降の育児でも、ストレスと無縁ではありません。赤ちゃんと上の子どものお世話に追われて、自分の時間がさらに減りがちです。
さらに、ママだけで大半の育児をこなす「ワンオペ育児」や、赤ちゃん以外の人と交流が少ない「密室育児」で、心身ともにストレスフルになるケースもあります。
その場合、妊娠中のストレスと同じで、血行不良によりまつげの健康が損なわれるでしょう。
このように、妊娠や出産を機に女性の身体や置かれる環境が変わることで、まつげの状態も変化します。では、産前産後のデリケートなまつげを健康な状態に導くために、できることはないのでしょうか?
対策はできる?
結論から言うと、産前産後の敏感なまつげは、身体の内側と外側の両面から対策をすることが可能です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
外側からの対策
まつげ用美容液でケアする
健やかなまつげのためには、まつげ用美容液でのケアがおすすめです。産前産後に失われがちな栄養を、外側から補給できます。
ただし、産前産後はお肌が敏感になる女性も多いため、使い慣れたまつげ用美容液であっても注意が必要。安全のために、少しずつ様子を見ながら使用していただきましょう。
また、妊婦さんへまつげ育毛剤をおすすめすることは絶対NG!子宮収縮成分やその他の医薬成分が配合されていることもあるため、妊娠中や授乳中には向きません。
▼おすすめのまつげ用美容液については、こちらの記事をチェック
マツエク施術をお休みする
マツエクを装着したまつげが切れたり抜けたりすると、眼や皮膚にグルーが触れて危険です。そのため、切れ毛や抜け毛が多いお客様は、マツエクを全オフする方が安全なこともあるでしょう。
ただし、ダメージがあまりにも大きい場合のオフは、まつげへさらに負担をかけるため要注意。ダメージが強いところは避けて部分オフするか、オフせずこまめに目元を見て抜けたまつげが眼に入らないよう注意していただくなどしましょう。お客様に合わせた臨機応変な対応とアドバイスがベストです。
▼マツエクのお休みの仕方については、こちらの記事をチェック
内側からの対策
ストレスを溜めこまない
女性は、悩みを誰かに話して認めてもらうことで、ストレスを発散できると言われていますよね。そこで、妊産婦のお客様がご来店されたときは、お話にしっかりと耳を傾けて、共感することが大切。また、「人から聞いた話ですが……」と、産前産後のストレス発散方法を紹介することもできそうです。
接客のなかで、ストレスが溜まりすぎるとまつげの健康を失いかねないことも、しっかりお伝えしたいですね。
十分な栄養補給をする
まつげの健康を保つためには、鉄分・亜鉛などのミネラルや、ビタミンなどが必要と言われています。栄養補給はバランスの取れた食事が基本ですが、加えてサプリメントもおすすめ!
ただし、産前産後のデリケートな身体には、摂取を注意した方が良い栄養素もあります。そのため、次にご紹介するような、妊産婦さんを対象に開発されたサプリメントを選ぶと良いでしょう。
▼まつげと食事の関係については、こちらの記事をチェック
まとめ
産前産後のまつげでは、毛質の変化・脱毛・毛のダメージが見られがち。その原因は、ホルモンバランスの変化と、妊娠や出産によって心身に受けるストレスが大きく影響しているようです。デリケートな産前産後のまつげは、扱い方次第では余計なダメージを与えかねません。
お客様には、まつげ用美容液やサプリメントでの栄養補給が大事とお伝えしましょう。一方、アイリストとしてできる対策もあります。まつげの状態をチェックして施術を見送ったり、お客様のお悩みを傾聴してストレスを減らすお手伝いをしたりしましょう。
産前産後でも、マツエクで美しい目元をできるだけ楽しんでいただきたいもの。原因と対策を把握して、妊産婦のお客様をしっかりサポートしましょう!180912Eih