「目が染みる!下手なアイリストに当たっちゃった…」そう誤解されないように注意!「揮発成分」の正しい説明を
マツエクの施術中、「揮発成分のせいで目が染みやすくなる」ということはアイリストの常識。しかし、お客様はそのことをきちんと理解していないというケースもあります。揮発成分が原因で目が染みたにもかかわらず、「もしかしてグルーが目に入った?」、「アイリストが下手だったからかも」なんて思われるのは残念なこと。その誤解の結果、サロンの印象を左右することもあるかもしれません。そんな誤解を受けないためには、揮発成分についてお客様にしっかりとわかりやすく伝えることが大切になります。お客様対応としての揮発成分の説明について詳しく見ていきましょう。
目がしみる原因についておさらいしよう
マツエクで目が染みてしまうのはなぜなのでしょう。まずはその原因をきちんと把握しておきましょう。
グルーが硬化するときに発生する揮発成分=ホルムアルデヒドが原因!
マツエクのグルーが硬化するとき、必ず発生する揮発成分。揮発成分として発生するのはホルムアルデヒドです。刺激性のある無色透明な気体で、体にも影響を及ぼすもの。ホルムアルデヒドは空気よりも重いため、グルーを使用した目の周辺に留まる性質があります。影響の度合いや反応は人それぞれですが、ホルムアルデヒドがマツエク施術の際に目に刺激を与える代表的な原因です。
目が染みやすいお客様の目の状態とは?
「施術で毎回目が染みてしまう」というお客様もいれば、「普段は感じないのに今回は目が染みてしまった」というお客様もいます。揮発成分で目が染みるかどうかはお客様それぞれなので一概には言えませんが、施術当日の目の状態に大きく影響を受けるようです。
目が染みやすいお客様の目の状態は
◆施術中目が開いている
◆ドライアイ
◆ホルモンバランスの乱れ
これらの状態が考えられます。
施術中にお客様自身はしっかりと目を閉じているつもりでも、目の構造や緊張、寝てしまったなどの原因で無意識に開いてしまうケースがあります。目が開いているということは、揮発成分が目に入っていきやすい状態であるということ。必然的に目が染みやすくなってしまいます。
目が乾いた状態のドライアイは、涙が少ない状態。少しの刺激でも敏感に反応してしまう可能性があります。
体調が悪い、生理・妊娠中である、花粉症などのアレルギー症状が発生している、などといったホルモンバランスが乱れた状態も同様です。目が刺激に敏感になっている可能性があると言えます。
以上が目の刺激に敏感になる主な状況です。この状態の目にマツエク施術をすると、ホルムアルデヒドの影響で目が染みやすくなると言えるでしょう。
なぜお客様は誤解されるの?
なぜお客様の誤解を招いてしまうことがあるのでしょう。お客様が誤解する事項や原因をきちんと把握しておきましょう。
可能性のあるお客様の誤解とは?
「グルーの揮発成分で目が染みやすい」ことを知らないお客様。施術の際に目が染みたとき、どんな誤解に発展するのでしょうか。
◆アイリストが下手だった
◆グルーの質が悪いのかも
◆グルーが目に入ったのかも
このような誤解をするお客様もいるかもしれません。せっかくのキレイなマツエクデザインも、揮発成分についての説明やお客様理解が不十分だったという理由でこんな判断をされるのはとても残念なことです。
また、サロンの客数を増やすためには、口コミの力は絶大。「あのサロンはやめた方がいいよ」なんて話をされてしまうと、サロンへの悪影響も懸念されることになるかもしれません。
施術で目が染みやすい状態になることを知らないのが1番の理由
「施術中は目が染みやすい状態」なのはアイリストにとって当たり前のこと。サロンによって異なりますが、必ず説明しなくてはいけない項目にはなっていないサロンもあるのではないでしょうか。目の状態があまりよくないと見受けられるお客様にはしっかりとお伝えするかもしれませんが、そうでない場合さらりと説明するに留める、もしくは言及しないこともあるかもしれません。
しかし、お客様の誤解の原因は説明不足にあります。お客様がみんな「施術中は目が染みやすい状態」ということを理解しているわけではありません。「知っていて当たり前」と思ってしまうことがお客様の誤解を生む原因になります。
お客様に誤解を与えないための対応策は?
お客様に誤解を与えないために、どのような対応策が考えられるのでしょうか。
揮発成分についてわかりやすく伝えられる接客スキル
マツエク施術が初めてのお客様には特に、揮発成分で目が染みやすくなることを説明しておくのがいいでしょう。もちろん、初めての施術ではない場合でも。お客様は知っているものと判断せず、きちんとお伝えするようにするのがおすすめです。その際に注意したいのは、専門用語を使わないこと。「揮発成分」なんて難しそうな単語を聞くだけで、もうわからない!と思い情報を遮断されてしまうことも考えられます。「マツエクを付けるときに使用する接着剤から透明なガスが発生して、目が染みやすくなります。」など、どんなお客様にもわかりやすい言葉を選んでお伝えできるように心掛けましょう。これが接客スキルの向上にも繋がるのではないでしょうか。
また、説明したからOK!というものではありません。目的はお客様にきちんと理解してもらうことです。お客様の反応を見ながら説明し、伝わっていないと感じたら言葉を変えるなどして理解を促すように努めましょう。
お客様が言いやすい雰囲気作り
「目が染みているけど、言ってもいいのかな」
「目が染みるなんて言ったらクレームみたい?」
といったように、目が染みているのに言っていいのかわからず、施術が終わるまで我慢してしまうお客様もいるでしょう。目が染みていることが分かれば、揮発成分を飛ばす、テープを貼り直す、それでもダメなら低刺激のグルーに変更するなどの対応を取ることができます。これらの対応をすることで、目が落ち着いたり、その後の施術で染みにくくなったりと改善させられることもあるでしょう。しかし、言ってもらわないことには目が染みているかどうかは判断ができず、対応することもできません。
この対策としてできることは、お客様が言いやすい雰囲気作りを心掛けること。施術前に揮発成分について説明すると同時に、「目が染みることがあったら対応しますので教えてくださいね!」と一言かけておくようにするといいでしょう。「言ってもいいんだな」とわかると、お客様も安心して施術に臨むことができるのではないでしょうか。
また、施術に集中するあまりずっと無言になっていては、お客様も声を上げ辛いかもしれません。施術中にも定期的に「目が染みたりしていないですか?」「何かあったら気軽に教えてくださいね」などと声を掛けることも、言いやすい雰囲気作りのための大切なポイントになるでしょう。
まとめ
目が染みたのはアイリストの腕のせい!なんて誤解されてしまうのは絶対に避けたいところです。「目が染みやすいのはお客様も理解していること」という判断が誤解の原因です。時にはアイリストのプロとしての視点ではなく、お客様の視点に立って考えることも大切といえます。施術技術の向上だけでなく、お客様に対する接客スキルやお客様との関係作りなども向上させ、お客様満足の高いマツエク施術を目指しましょう。Ess181021