「一生、アイリストとして、生きていく」そのために必要な、【自分を幸せにするキャリアアップイメージ】
みなさんは、将来の自分の姿をイメージしているでしょうか?中には、明確な目標を持って前に進めていると感じる人もいれば、「今のままでいいのかな…?」と不安を抱えている人もいるかもしれません。今回は、アイリストとして働く自分と向き合えるだけでなく、人生の中でも重要な意味を持つ「キャリアプラン」の描き方をご紹介しましょう。
キャリアプランとは?
キャリアプランとは、自分の仕事に対して「未来の目標」と「目標実現のためにすべきこと」を明確化するための計画のこと。
これは、スキルアップしたいアイリストにとって、欠かせない作業のひとつです。仮に、キャリアプランを意識せずに働くとなると、それはただ目の前の作業をこなすだけの”受け身”な作業でしかありません。そのような状態では、やりがいを感じることも難しく、仕事に対するモチベーションも上がりにくいですよね。今回は、アイリストとして働く毎日を、より充実させることのできるキャリアプランの描き方についてご紹介しましょう。
キャリアプランのベースとなる「自己分析」
みなさんが”将来の理想の姿”を思い描くとき、無意識のうちに過去の自分、現在の自分と比較していませんか?なぜなら、未来というのは、過去や現在の先にあり、相互にリンクしているものだから。未来を決めるのは、過去の自分、現在の自分がしてきたことの積み重ねです。そのため、未来の計画を立てるためには、過去・現在の自分が”持っているもの””足りていないもの”を洗い出す作業=「自己分析」をしなくてはなりません。
実は、この自己分析こそがキャリアプランのベースとなる重要な要素。分析に基づいていないキャリアプランは、ふわふわと現実味のない夢物語となってしまいます。地に足のついたプランを立てるために、自己分析を進めるうえでのポイントをご紹介しましょう。
【過去の分析】自分の”軸”を知る
まずは、今までの自分について振り返ってみましょう。とはいえ、注目すべきは過去の出来事の中の一部分のみ。具体的には、
- 自分が意欲的に取り組んだこと
- 特に印象的な成功例と失敗例
- 強く興味を持ったこと
- 自分に大きく影響を与えてくれた出会い
など、自分の”心”が大きく動いた体験にのみフォーカスを当てます。思いついた出来事を紙に羅列していくと、アイリスト業務とは全く関係ないように思えてくるかもしれません。しかし、それぞれの項目をよく見つめてみましょう。それぞれの事柄の間に何か共通点が見えてくるはずです。それこそが、あなたの”軸”となる部分。仕事をする上で、無意識に意思決定の基準となっている部分なのです。
【現在の分析】自分の”強み”を掘り下げる
次は、現在の自分について掘り下げてみましょう。今の自分が持っている資格やスキル(技術面・接客面)、得意なことと苦手なことなどを明確化していきます。実は、他者評価も絡むため、簡単なようで難しいのがこの作業。特に自分の性格的な部分は、なかなか捉えにくいという人が多いでしょう。自分では強みでも何でもないと思っていたことが、他の人にとってはとても羨ましいスキルだったりすることもよくあります。「自分ではよく分からない」と思ったら、同僚のスタッフに意見を求めてみるといいでしょう。
さて、過去と現在の自分をしっかりと捉えることができたら、次はいよいよ未来について。次章では、そのときに気をつけたいポイントについて解説しましょう。
「なりたい自分」より、「ありたい自分」を意識しよう
アイリストのみなさんが目標とする未来の姿とは、具体的にどのようなものになるのでしょうか?
おそらく多くのアイリストがイメージするのは、
- ”プレーヤー”としてスキルアップ(売上アップ)
- 店長やマネージャーなどの役職
- スクール講師などの指導的立場
といった選択肢。これらに加えて、正社員やパートなどの雇用形態の変化もあるでしょう。
例えば、パート勤務のアイリストが正社員を目指す、もしくは子育てのために正社員からパート勤務になるというのも、キャリアプランのうちのひとつです。また、サロン内でのステップアップから離れて、独立開業するアイリストも少なくありません。
しかし、アイリストの中には「ステップアップのイメージができない…」「役職につくのも、プレーヤーとしてトップを目指すのもなんか違う気がする…」という人もいるのではないでしょうか。キャリアプランと聞くと、明確で大きなステップを踏まないといけないと感じる人も多いです。そのため、アイリストの考えるプランが、先に挙げた例のように限定された選択肢に固定化されてしまうのもよくある話。ただ、本当の意味でのキャリアプランとは、もっと柔軟であるべきなのです。このことについて、もう少し深く考えてみましょう。
「なりたい自分」と「ありたい自分」の違いとは?
先ほどもお伝えしたように、どのようなキャリアプランを持つのかは人それぞれ。必ずしも役職やトッププレーヤー、スクール講師という華々しい経歴を目指す必要はありません。
未来のイメージがなかなか描けないというアイリストは、「こうなりたい」ではなく「こうありたい」という意識で考えてみてください。例えば、「お客様に信頼されるアイリストでありたい」「プライベートと仕事を両立できるアイリストでありたい」というビジョンでも全く問題ありません。「なりたい姿」を考えるよりも、「ありたい姿」を考える方が、肩の力を抜いて考えやすくなったと思いませんか?
「なりたい」というのは、現状から理想の姿へと変化すること。「今の自分のままではダメだ」「変わらないと…!」という意識が潜んでいます。これを実行するためには、大きなパワーを使うことになりますよね。
一方、「ありたい」というのは、現状の中に理想の姿を見出すこと。つまり、これは「今の自分を認めること」にもなります。理想の姿に向けて成長を続けるというのも大切なことですが、自分の中の変えたくない部分をずっと維持し続けるというのもキャリアプランのひとつの考え方です。自分の軸を尊重できるようになると、やるべきことの取捨選択もスムーズになり、自分らしい働き方ができるようにもなるでしょう。
従業員満足度にもつながる「キャリアプラン」の使い方
キャリアプランの設定、実現のためには、サロン側の協力も必要不可欠。
サロン店長はスタッフ一人一人のキャリアプランを一緒に進めていく立場でもあります。仮に、サロン側からのサポートが不十分であれば、スタッフの不信感は募るばかり。「このサロンではキャリアアップできないかも…」となり、独立を考えるキッカケとなることもあります。キャリアプランは、従業員満足度を高めるためにもかなり重要な要素なのです。
では、スタッフ一人一人のキャリアプランに対して、サロンはどう対応していけばいいのでしょうか。
面談のときのヒアリング材料として活用する
キャリアプランをもとに、個人面談をするサロンは多いです。例えば、定期的な面談のタイミングでキャリアプランの見直しを図るようにすれば、より正確な現状分析をすることにもつながるでしょう。スタッフの中には「自分のキャリアプランは間違っていないだろうか」「目標達成のために何をしたらいいんだろう」と、プランそのものに不安を抱く人も多いです。そんなとき、上長から自分のプランに対するアドバイスをもらえたら安心しますよね。
また、アイリストというのは若い女性が活躍する業界。結婚や出産のタイミングと、アイリストとして大事なステップアップの時期が重なってしまう人も少なくありません。「どちらかを諦めないといけないのかな…」と不安になるアイリストの背中を押してあげるのも、上長の大切な役割。ママとして育児に奮闘する傍ら、店長業務をこなしている人もいます。両立を望むなら、仕事とプライベートを上手く両立できるような道を一緒に探してあげましょう。
査定の評価基準として活用する
サロンによっては、キャリアプランで掲げた目標の達成率を査定の評価基準としているところもあるようです。アイリストにとってはよりシビアな状況となる方法ではありますが、日々目標を意識するようになるというメリットもあります。自分の掲げたプランに対し、「達成率」という形で現状の立ち位置が明確になると、モチベーションも高まりますよね。サロンとしても、スタッフ一人一人の頑張りを判断しやすくなることでしょう。
しかし、このような運用する場合は、少しだけ注意が必要です。実はキャリアイメージと実業務を混同させてしまうと、なかなか未来を描きにくくなるという悪影響もあります。将来こうありたいと思い描くことと直近の現在の売上達成は、繋がっているようで別の目的で行われることでもあります。
サロンの規模にもよりますが、【自分を幸せにするキャリアアップイメージ】を持つためには、少し切り離して考えてみたほうがいいかもしれませんね。
まとめ
キャリアプランを考えることは、「自分らしい働き方」について考えること。日々、サロンの売上や業務の忙しさにばかり気が回って、自分のことを後回しにしているというアイリストには、時間を作ってでも取り組んでほしい作業です。また、しっかりと練って考えたキャリアプランであっても、さまざまな予期せぬ出来事によって変えざるを得ないこともあるでしょう。ただ、全てを諦める必要はありません。どんなときでも、自分の中の”軸”を大切に、目標実現に向けてのタスクを再考すればいいのです。自分の人生が充実したものになるような、あなた自身の考える「ありたい自分」です。ぜひ、素敵なプランを考えてみてくださいね。
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