【Beautéがメーカー数社に直接問い合わせ!!】硬化時間より長く乾かすほど、マツエクは長持ちする?グルーの硬化時間とモチの関係性

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グルーに設定されている硬化時間より長く乾燥させると、どのような影響があるのでしょうか。例えば、「硬化時間を過ぎても、長く乾かせば乾かすほどマツエクは長持ちする」や「硬化時間より長く乾かしても、マツエクのモチは変わらない」など、さまざまな考えがあるようです。そこで今回は、グルーの硬化時間とモチの関係性についての疑問をグルー販売メーカーに直接問い合わせ、各社の見解をお聞きしました。

グルーの種類によって違いがある硬化時間

多くのマツエク用グルーは、硬化速度と硬化時間が定められています。グルーの硬化について学ぶには、まず硬化速度と硬化時間の違いを理解することが大切です。

硬化速度=初期硬化に要する時間

ご存知のとおり、マツエク用グルーの主成分はシアノアクリレートです。シアノアクリレートは空気中や接着させたいモノの表面にある水分に反応すると、瞬時に重合(じゅうごう)という化学反応が起きます。この重合によってグルーが強力に固まることで、モノとモノとが接着されるというワケ。そして接着したいモノがひとまず固定された硬化の最初のステップを初期硬化と呼びます。

マツエクの施術においては、エクステが自まつげにピタッとくっつくまでの反応を初期硬化、そして初期硬化にかかる時間を硬化速度と呼びます。シアノアクリレートが初期硬化に要する時間は平均2~4秒とごく短いことが特徴。最近では、硬化速度1秒以下という超速乾タイプのグルーも登場しています。

ちなみに、シアノアクリレートの種類によっても硬化速度に違いがあるといわれています。一般的に、多くのグルーに用いられるエチルシアノアクリレートは硬化速度が速め、対して医療グレードのブチルシアノアクリレートは遅め。とはいえ、ブチルシアノアクリレートのグルーの中にも超速乾タイプがあるので、主成分による判断はあくまでも目安となるでしょう。

硬化時間=完全硬化までの時間

マツエク用グルーの硬化には、前述の初期硬化に続き、中期硬化、完全硬化の全部で3つのステップがあります。

  • 初期硬化…エクステが自まつげに固定される(スライドできなくなる)まで。
  • 中期硬化…グルーの表面のみ硬化完了。中心部は半乾き状態。
  • 完全硬化…グルー全体の重合反応が終了し、完全に硬化した状態。


上記のとおり、完全硬化とは表面だけでなく、中心部のグルーまでしっかりと硬化(重合が終了)した状態のこと。そして表題の硬化時間とは、完全硬化までの時間のことなのです。硬化時間まではグルーが完全に乾いていない状態なので、入浴や洗顔を控えていただくのも当然のことですね。

現在、硬化時間が約6時間のグルーが主流といわれていますが、その他にも完全硬化まで24時間かかるグルーもあれば、1時間で完全硬化する超速乾タイプもあります。ただ、マツエク商材サイトなどで確認したところ、すべての商品において硬化時間が明記されているワケではないようです。サイト内の商品紹介ページに硬化速度・硬化時間の両方が明記されていたグルーの情報をいつくかピックアップし、比較してみました。ちなみに、時間が明記されているものは、速乾タイプや超速乾タイプのグルーが多いようです。

 

硬化速度

硬化時間

商品 A

0.5~1秒(セットタイム)

1時間

商品 B

1秒

1時間

商品 C

1~2秒

1時間

商品 D

2~3秒

1時間

商品 E

2~3秒

2時間

商品 F

2~3秒

3時間 

上記のとおり、硬化時間は商品によってさまざま。また硬化速度が速いものは、硬化時間も短い傾向にあるようです。ただし、硬化速度が2~3秒のグルーでも、1時間と短い時間で完全硬化するものもあるので一概にはいえません。また中には、商品のリニューアルに伴って硬化速度や硬化時間が短縮されている商品もありました。そのため各商品によって硬化時間が異なることはもちろん、自身が使用しているグルーの硬化時間を正確に把握しておくことも大切です。

環境や使用量などでも硬化時間はかわる?

商品によって硬化時間が異なることを再認識したところで、同じグルーであっても硬化時間が変わる可能性について考えてみましょう。
前述のとおり、シアノアクリレートは水分に反応して硬化します。そのためグルーを使用する環境の水分量の違いによって、硬化に要する時間も変わる可能性があるのです。

  • 湿度が高い…グルーが水分とスムーズに反応し、硬化速度が速くなる
  • 湿度が低い…反応に必要な水分が不足し、硬化速度が遅くなる


湿度が高ければ硬化が速まるとはいえ、グルーの硬化に必要な水分量はごくわずか。そのためむしむしするほど湿度の高い環境で施術を行うと、逆にマツエクのモチに悪影響を及ぼす可能性もあります。マツエクの施術に適したグルーの使用環境は、気温25~28℃・湿度40~70%と覚えておきましょう。

また使用環境だけでなく、装着時に使用するグルーの量によっても硬化時間は変わる可能性があります。例えば、施術中…

上記のように、グルーの玉が3つ以上できてしまうことってありませんか?これは、グルーを多く付けすぎてしまった状態。常に適量のグルーを付着できるのが理想ですが、なかなか難しいですよね。特に経験の浅いアイリストは、グルーを多く付けすぎてしまうこともあるでしょう。このように1本あたりに使用するグルーの量が多い場合には、硬化にかかる時間も長くなる可能性があります。
その他、グルーを開封してからの期間やグルーの保管状況によっても硬化時間は変化すると考えられます。

グルー販売メーカーに聞きました!硬化時間より長く乾燥させると、マツエクは長持ちする?

同じグルーであっても、サロンの環境やグルーの使用量などによって完全硬化までの時間は変わることが予想されますが、ここで疑問がひとつ。各グルーに設定されている硬化時間は、硬化時間を長引かせるあらゆる要因を見越して長めに設定されているのでしょうか?つまり、グルーの硬化に適さない環境で施術を行った場合は、決められた硬化時間より長めに乾かした方が、マツエクが長持ちするのでしょうか?それとも、どんな条件であっても硬化時間を過ぎれば、マツエクのモチに変化はないのでしょうか?

マツエク商材メーカー3社の見解

硬化時間に関する疑問を解決するために、自社でマツエク用グルーを販売しているメーカー3社に問い合わせを行い、回答をいただきました。では、各メーカーの見解を簡潔にご紹介します。

メーカーの見解1:硬化時間より長く乾燥させても、モチに変わりはない

  • 硬化時間=グルーが完全に硬化する時間で設定。
  • 硬化時間を過ぎて、さらに乾かしても硬化に影響なし
  • 業界内に硬化時間の定義はないため、あくまでも自社の基準における見解。
  • グルーの使用環境は、15~25℃度を基準に設定している。基準から大幅に上下するような環境の場合は、硬化時間に影響する恐れもある。

メーカーの見解2:硬化時間より長く乾燥させることで、モチがよくなる可能性アリ

  • 基本的に硬化時間を過ぎれば、マツエクのモチに大きな変化なし
  • マツエクが取れやすい方の場合は、乾燥時間が長い方がより接着力を高める。そのためマツエクが長持ちする可能性がある。
  • 硬化時間は、日本国内の環境の平均を算出して設定している。
  • サロン内の気温が低い、または室内が極端に乾燥している場合は、長めに乾燥させた方がより良い。例えば、冬の北海道のような気温が低く乾燥が激しい環境など。

メーカーの見解3:硬化時間より長く乾燥させても、モチがアップするとは考えにくい

  • 硬化時間を過ぎれば、マツエクのモチが著しく向上するとは考えにくい
  • 完全硬化=重合反応を終えている状態。つまり、洗顔時や入浴時の水分と反応しない状態だから。
  • 使用環境がグルーの硬化に適さない環境、例えば、湿度があまりにも低い状態では硬化に必要な水分が少ないために硬化速度が遅くなり、マツエクのモチやグルーの強度を弱める可能性があるので注意が必要。
  • ただし、サロンの環境やアイリストの操作感、使用しているグルーなどが違うため、一概にはいえない。

使用しているグルーの販売メーカーの見解を聞いてみよう!

各メーカーの見解から、「基本的には硬化時間より長く乾燥させても、マツエクのモチはほぼ変わらない」といえるのではないでしょうか。ただし、メーカー1の見解にもあったとおり、マツエク業界内にグルーの硬化時間に関する定義はありません。つまり、各社とも自社基準による見解に留まるということ。そのため硬化時間に関する疑問がある場合は、使用しているグルーの販売元に問い合わせて回答をいただくのがおすすめ!そのグルーにベストな硬化時間の捉え方を教えてもらえるはずです。

まとめ

「グルーに設定された硬化時間より長く乾燥させると、マツエクは長持ちするのか?」という疑問に答えるため、グルーの硬化の基礎知識のほか、各メーカーからいただいた見解をご紹介しました。その結果、硬化時間より長く乾燥させてもマツエクのモチは変わらないといえるのではないでしょうか。ただし、メーカーによっても見解はさまざまなので、もし硬化時間に疑問があれば、使用しているグルーの販売メーカーに問い合わせてみましょう。200102Euk

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