ただ上手いだけではNG!「アイリスト講師」を目指すには?

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以前、Beautéでは、『指導者の立場になったら意識するべきこと。新人や後輩に対する「教え方」「聴き方」のコツとは』という記事の中で、「指導者の資質」を取り上げました。今回は、管理職も含めた指導者についての心構えに加え、「アイリスト講師」に焦点を絞った応用編の記事です!アイリスト講師に興味のある人は、ぜひチェックしてみましょう。

「アイリスト講師」の仕事内容とは?

一般的に、後輩アイリストの育成は、サロンの先輩アイリストの役目ですよね。しかし、サロン内で後輩を育成することは、実はとても難しい問題とされています。

たとえば、指導役が歴3~4年ほどの中堅アイリストの場合、新人アイリストからのさまざまな「なぜ?」へ答えるためには、経験による引き出しがまだ十分ではありません。また、店長やトップアイリストの場合サロンの経営や管理職としての役割に追われ、十分な指導時間が確保できないことも多いようです。さらに、大きな挫折経験のない優秀なアイリストでは、指導する相手がなぜ行き詰るかを理解できず、的確なアドバイスが与えられません

そこで必要になってくるのが、アイリスト講師という存在なのです。

アイリスト講師がメインで行う仕事内容は、次世代を担うアイリストの育成。しかし、その役割は、ただ単にアイリスト志望者や新人・後輩アイリストへ知識や技術を教えるだけではありません。同じアイリスト講師でも個人差はありますが、仕事内容は実にさまざま。具体的に見ていきましょう。

アイリスト講師の一般的な仕事内容 

一般的に、アイリスト講師が行うことの多い仕事内容をご紹介します。

サロンでの新人育成 

「未経験者OK」と求人募集に出しているサロンもありますよね。そのようなサロンでは、新人を対象にした研修制度が設けられていることが多いでしょう。先ほどもお伝えしたように、一般的なサロンでは、新人指導は先輩アイリストの役目。
しかし、育成に力を入れているサロンにはアイリスト講師が在籍し、新人アイリストの育成を行っていることも多いのです。 技術や知識だけでなく、接客方法やトラブル回避術までレクチャーします。そのような質の高い研修を行うことで、スタッフのスキルアップやモチベーションの維持に貢献しているのです。

スクールでの授業

サロンのなかには、アイリストを養成するスクールを運営しているところもありますよね。スクールの授業内容は、主に座学と実技の2本立てというところがほとんど。
しかし、使われる教材はスクールごとに違いがあるようです。市販の教科書をメインにするところもあれば、アイリスト講師が独自に作成した冊子だけで授業を展開するところもあるのだとか。つまり、授業の実施だけでなく、スクールによっては教材作成もアイリスト講師の仕事内容に含まれます

スクール運営のための集客

スクールに入る生徒を集めるために、さまざまな方法で宣伝することもアイリスト講師の仕事です。最近トレンドの集客方法は、InstagramやFacebookなどのSNSを使うこと。授業の様子を随時アップして、スクールの認知度を高めます。
また、スクールの詳しい内容について、サロンの公式HPに掲載したり美容院にDMを送ったりすることもあるようです。さらに、マツエク関連商材のディーラーに営業を掛けて、出入りしている美容院やサロンへスクールの宣伝を依頼することもあります。

現役アイリストとしてのサロン業務

アイリスト講師を行う傍ら、現役アイリストとしてサロンで施術を行う人もいます。その場合は、業務を日替わりで行うことが多いのだとか。
たとえば、スクールで教えているアイリスト講師の場合は、

美容師の生徒が多いとき:美容院が休みの月曜日や他の店休日

一般職の生徒が多いとき:土日祝などの会社の休日

と、授業日を固定。他の雑務も発生しない日は、サロンでアイリスト業務を行います。

知名度の高いアイリスト講師の仕事内容 

有名なアイリスト講師になると、さらに次のような仕事内容を任されることもあるようです。

セミナーでの特別授業 

マツエクの協会や法人に所属している場合、美容関連のイベントで大勢の人を前にセミナーを行うこともあります。

イベントの実行委員

先ほど触れた美容関連イベントで、実行委員として企画・運営のメンバーに選任される例も存在します。

資格試験の試験管・コンテストの審査員

アイリスト講師自身が認定資格を受けた協会や法人が行う資格試験・コンテストなどで、試験管や審査員を務めることもあります。

ここまでの解説で分かるように、アイリスト講師は、指導者や管理職でありながら、スクールの広報や営業担当、所属団体の業務などのマルチタスクをこなしています。つまり、マツエクの施術が上手いというだけでは、務まらない仕事なのです。
では、アイリスト講師になるためには、具体的にどのようなことが求められるのでしょうか?

講師になるために必要なこと&勉強法

アイリスト講師を目指すためには、次のポイントを押さえておきましょう。

資格取得 

アイリストと同じで、アイリスト講師になるためにも美容師免許を持っていることが大前提となります。
さらに、技能検定や資格認定を行っているマツエクの協会や法人に所属することも必要
資格取得までの一般的な流れは、

所属団体の最上級資格を取得する

セミナーを受講して、所定のカリキュラムを修了する

所属団体のアイリスト講師認定試験に合格する

となります。

代表的なアイリスト講師の資格

一般社団法人 NEA日本まつげエクステ協会

受験資格:プロアイリスト1級取得者
受験科目:論文試験・実技試験・面接試験・筆記試験
受験料:12,960円(税込)
開催頻度・開催場所:月1回程度・協会事務局(大阪)

 

一般社団法人 日本アイリスト協会

受験資格:アイリスト技能検定試験1級取得者・認定講師試験対策セミナー受講修了者
受験科目:試験管試験・面接試験・小論文提出など
受験料:認定講師試験35,000円(税込)・認定講師試験受験対策セミナー20,000円(税込)
開催場所:東京・大阪など

サロンでの実務経験

アイリストは、技術職と接客業の両方を行う仕事。そのため、サロンでの実務経験が豊富なアイリスト講師ほど、施術から接客方法まで幅広い指導が行えるはずです。
たとえば、

まぶたの厚みに適したカールの強さ
お客様のタイプ別に最適なクレーム対応

などについて、経験則に沿った具体的な指導が叶うでしょう。
また、所属する団体によっては、サロンで一定期間アイリストの実務経験が必須となる場合もあります。セミナー受講や講師認定試験の前には、実務経験が資格取得のための要件になっていないか、必ずチェックしてください。

人材育成のためのスキル

アイリスト講師には、知識や技術以上に求められるスキルがあります。それは、「言語化」のスキルです。
人気のスクールを持つアイリスト講師のブログを読み、

文章での説明が強烈に印象に残った
仕事のモチベーションが上がった

という経験はありませんか?
優秀なアイリスト講師は、「言語化=具体的で分かりやすい説明・意欲を高めるアドバイス」のスキルが卓越しています。
以前、こちらの記事でも触れましたが、

相手のタイプに合わせた指導法が大切です。アイリスト講師の実演を見ただけでコツをつかむ「感覚派」の人もいれば、かみ砕いた説明をして深く理解できる「頭脳派」の人もいますよね。後者の場合は、インプットとアウトプットの内容が合っているか確認しながら、その人が分かりやすいように具体的な言葉で教えなければなりません。
たとえば、

「適量のグルーを取るには、グルードームからエクステをあと○秒遅く引き抜きましょう」

 

    「ツイザーワークを早めるために、次の実技までにモデルさんを○人こなしましょう!」

などと声掛けをします。
ただし、注意しなければならないのは、答えを簡単に与え過ぎないこと。原因と対策を自分で分析して理解が深まるように、あえて課題にすることも大切です。
言語化を勉強するために、先ほどご紹介した人気のアイリスト講師のもとへ習い直しに行く人もいるのだとか。教える相手に響きやすい言葉を、講師のプロから体得するのです。

アイリストのネクストキャリアは他にもある

ここまでで詳しくお伝えしたアイリスト講師以外にも、アイリストはさまざまなキャリアアップが望める仕事です。アイリストのネクストキャリアとして多い事例を、2つご紹介します。

サロン経営や管理職としての道

トップアイリストのレベルに到達したとき、「在籍するサロンの管理職」と「個人サロンの経営者」という選択肢が見えてくることでしょう。多くのアイリストが憧れるのは、やはり後者。 

しかし、当たり前のことですが、サロン経営はそんなに簡単なことではありません。いずれ独立するためには、数字に強くなる必要があります。収入と支出の適正なコストバランスを把握し、理想と現実をすり合わせて行かなければなりません。これはまた別途勉強が必要になる部分でしょう。

とはいえ、アイリスト講師の経験があれば、スクール運営のために学んだノウハウが、サロン管理や育成面に活かせるでしょう。また、個人サロンでスクールを開講することもできるため、収益の安定性につながるかもしれません。

▼サロンの適正コストについては、こちらの記事をチェック

最近はこんなキャリアもニーズあり?「商品開発・企画」に関わる仕事」

アイリストを長く続けていると、新人アイリストがつまづきやすいポイントや、お客様に多いお悩みに触れる機会も増えますよね。

「新人アイリストからトップアイリストまで、誰もが使いやすいグルーがあれば……」

「お客様のために、リペアの頻度が下がるようなモチの良いエクステがあったら素敵!」

というように、今はなくてもあったら便利な商材を思い描くこともあるでしょう。

 

もし、「自分の構想を形にしたい!」と思ったら、あまり多くはありませんが、サロン内でのひとつの管理職の形として、商品開発や企画というキャリアも目指せます。

「商材の原料や、科学的な知識がない……」という人でも大丈夫!専門的な知識や技術が必要な新規開発ではなく、製造や開発などを外部委託するOEMという方法があります。

実際に、OEMの手法を使って、トップアイリストのアイデアから多くの商材を企画・開発しているブランドも存在します。

 

よほど大きなサロンでない限り開発を専門に行うことは難しいですが、サロンの管理職としての一つの仕事として商品開発・企画に関わることは、サロンを「施術」以外での売上をつくることができる面白い仕事。独特のキャリアの作り方であると言えますが、最近は求められるサロンも増えてきています。

 

▼商材開発の仕組みについては、こちらの記事をチェック

まとめ

今回は、アイリストのネクストキャリアのひとつである、アイリスト講師について詳しくお伝えしてきました。その仕事内容は、新人アイリストや後進の育成、スクールの集客や所属団体からの依頼など、実に幅広いことが分かりましたね。また、アイリスト講師になるためには、各種団体の認定資格を取得することに加え、実務経験や人材育成のための言語化スキルも求められます。この記事でスポットを当てたアイリスト講師を始め、サロン経営や商材の企画・開発など、アイリストは発展性のある魅力的な仕事。将来どの方向を目指すかを節目ごとに考えて、そのために必要なステップを着実にクリアして行きたいですね。180909Eih

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