たった2cmで世界が変わる!施術者という天職に出会いマツエク沼に落ちた|株式会社Maui代表取締役中野綾香氏
今回インタビューさせていただいたのは、東海地区に3店舗のサロンを経営している株式会社Maui(マウイ)の代表取締役を務めている中野綾香さん。Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン4へ参加されたことでも注目を集めています。マツエクに出会った経緯から、これからのアイラッシュ業界への想いまで、詳しくお話をお伺いしました。
【経営者プロフィール】中野綾香さんとは
1991年12月 愛知県名古屋市出身
2011年 3月 名古屋市内アイラッシュサロン入社
2013年 5月 名古屋市内アイラッシュ・ネイルサロン入社
2015年10月 上記2社退職
2015年12月 創業
2019年9月 株式会社Maui設立 商材事業始動
2021年11月 Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン4参加
2022年6月 日本テレビ系列「上田と女が吠える夜」出演
現在東海地区にアイラッシュとネイルのサロンを3店舗経営。アイラッシュ関連商材を取り扱うブランド『Rabozu(ラボズ) 』で美容商材の企画・製造・販売も手掛ける。経営の傍ら、現在も施術者として週に3回は施術を行う。
「たった2cmの世界」で変わる。まるで恋するかのように、マツエク沼にハマった
はじめに、アイラッシュ施術者になったきっかけから教えてください。
高校1年生のときに退学することにしたんです。高校という世界がなくなることで、当時は「もう人生終わった!」と思いましたね。これからの人生をどうすれば楽しくなるかを真剣に考えたときに、自分が楽しいと思うのは人と関わり笑顔にできることだと思ったんです。そして、手に職をつけ美容業界で働くため資格取得に向けて勉強することにしました。
マツエクに出会ったのは、19歳のとき。今から11年前です。芸能人が”マツエク”をつけているとテレビで紹介されているのを見て、すぐに調べました。アイラッシュ施術者という仕事があることを知り「これを仕事にしよう!」と、すぐ決めました。
もともと細かい作業に没頭するのが好きだったこともあり、実際に施術をしてどっぷりとマツエクにハマっていきました。修業時代は2つのサロンを掛け持ちして「お休みもお給料もいりません!」というくらい。今でいう、まさに”マツエク沼”ですよね(笑)。
「天職に出会えたんですね」と言っていただくことも多いんです。まさに天職だとも思っているのですが、ただただマツエクが好きになってしまったんです。「好きだから」という理由以外は全部後付けになってしまうくらい。この人しか見えない!という感じ。これはもう、恋と一緒ですね(笑)
それはすごいハマりよう。まさに沼ですね!そんな中野さんのが考えるマツエクの魅力が知りたいです。
マツエクはたった2cmで世界が変わります。たった2cm、まつげが変わるだけで自分がもっと好きになれたり自信が持てたりする。アイラッシュ施術者という仕事は、誰かを笑顔にしたり魅力的にしたりできるすごい仕事だと思っています。
私自身、マツエクの魅力そのものにハマったのですが、なかなか技術には自信が持てなかったんです。なので、最初はいかにお客様との距離を縮めるかに注力していました。でも今は人の顔を見るだけで似合うデザインがわかるまでに。お客様に合わせた提案ができるようになったのは、商材の進化とこれまでの経験あってこそです。
そうだったのですね!技術に自信が持てたのはどのくらいのときなのですか?
仕事をはじめて3年目ですね。独立はもともと視野に入れていたのですが、どのタイミングで一歩踏み出すかを悩んでいて。自分ひとりの力でお客様が埋まるか自信がなかったんです。それまではお客様に喜んでもらうために仕事をしていたのですが、3年目に入ったとき「この1年間は自信をつけるために仕事をしよう」と、働く目標を変えました。お客様に相談したりダメなところを聞いたりすることで、たくさんのお客様に応援していただけるようになって。
話して相談してほめてもらって自己肯定感を無理やり上げることを繰り返して、周りの方に自信をつけてもらったと思っています。いざ独立しようというタイミングには「自分最強!みんな私のサロンに来てほしい!」と思えるまでになりました。23歳とまだ若く勢いもあったので、今思うと恥ずかしいのですが(笑)。そう思わせてくれたお客様がたくさんいらっしゃったからですよね。自分の自信は本当にお客様に培ってもらったものだと思っています。
天職を与えたくれたアイラッシュ業界に働く環境づくりや商材で還元したい
独立後のお話なのですが、どんな想いで会社を経営されていたのでしょうか?
独立して会社を立ち上げてからは、女性の働きやすい環境を作りたいとずっと考えていました。はじめから多店舗展開を目指していたわけではないのですが、店舗を増やすことで単純に雇用を増やすことにもなり、新しいお客様との出会いも増えます。
現在3店舗を経営しており施術の時間は短くなったのですが、腕が鈍らないためにも、週に3日は必ずサロンに立つように。施術に没頭できる時間がリラックスできる時間にもなっており、全く苦ではないんです。
中野さんは商材も手掛けているかと思いますが、商材開発をするようになったきっかけは?
商材の開発に至ったのは、スタッフに恵まれて自分の時間が確保できるようになった独立して5年目の頃。次のステップとして自分に何ができるか考えたときに、そう考えることができることにものすごく感謝したんです。天職を与えてくれたアイラッシュ業界やマツエクを通して出会えた方々へのお返しとして、マツエクの技術をもっと広げていきたい。そのために、何が自分にできるかを考えた結果、現場で働いているからこそ見える視点を大事にした、安全性の高い商材を作りたいという考えに至りました。
目はすごく繊細なパーツのため、マツエクを施術するにあたり重要となる商材は全て調べてから使うくらい念を入れています。日本の繊細な技術が評価されているからこそ、それを損ねる商材があることがもったいないと感じていて。現場で働いているからこそ見えることもあるため、まずはグルー剤の開発に着手しました。今はまつげ美容液を開発中で、今後は特に気になっているラッシュリフト剤を作っていきたいと考えています。
大好きなマツエクに関わるものだからこそ、自分が本当に納得できるものしか作りたくありません。長く使ってもらえる本当にいい商材を作ることが、アイラッシュ業界の発展という形で還元できればいいなと思っています。
今後生き残っていくために大事なことはプロデュース力
サロンやアイラッシュ施術者が生き残っていくために必要なことは、どんなことだと考えていますか?
求人にも携わっているため、アイラッシュサロンが増え続けていることは肌で感じています。だからこそサロンが生き残っていくためには、マツエク施術ができるというだけでは勝てません。選ばれるサロンになるためには、サロンや施術者自身の強み、個性が重要だと思います。昔は手に入れることにも苦労していた情報が、今は簡単に手に入る。この時代を活かして、たくさんの情報を吸収し、自己プロデュース力を高めることが大事だと感じますね。
たしかに、お話を伺っていると、中野さんは自己プロデュースを大事にしている方だとすごく実感させられました。
ありがとうございます。私、いつも答えは自分の中にあると思っているので、悩んだりしたときは、常に自分自身と向き合ってきたんです。今ではそれが自分を守ること、ひいては周りを守ることにもつながっていると思います。自分のたどってきたこれまでの道のりを振り返ってみると、好きというパワーはすごく大きいし、若いからこそできたことも多かったように感じます。英語もしゃべれないのに中国や韓国の工場にたった一人で押し掛けて、マツエクの商材を全部見せてほしいとお願いしたこともあります。片言の韓国語で社長さんに会わせてくださいと伝えたことも。
いろんなことに挑戦したいという気持ちも強く、バチェラー・ジャパンに参加したのも挑戦のうちのひとつ。サロンのマネジメントという仕事も増え現場にいない時間が増えると、背中を見せる教育ができなくなります。自分の知名度を高めてスタッフに自分のことをもっとわかってもらうため、そしてアイラッシュ業界の認知につなげるために、バチェラー・ジャパンに参加しました。認知度を高めるという戦略が成功したかなと思っていますね(笑)
技術者としても経営者としても登れるステップがまだあることがとにかく楽しい!
中野さんのこれからの展望について教えてください。
アイラッシュ業界は社会から見たら小さな市場かもしれません。ですが、人の明日の活力を与えてくれるサービス・プロダクトであって、まだまだ市場が広がる可能性があると思っています。
技術職は階段を上がれば上がるほどに、新しい世界が見えてくる、進化し続けるものだと思っています。時代とともにトレンドも、求められる顔の印象も変わり、やりつくした感は全くありません。商材の進化とともにデザインのバリエーションも増え、技術はまだまだ広がっていくと思っています。技術的にも商材的にも、まだまだ登れるステップがあることがとにかく楽しい!今後もいろいろなことに挑戦していきたいです。経営者としても、着実に階段を登っていければと思っています。10年という区切りに向けて、商材開発ももっと積極的に進めていきたいですね。いろんなメーカーとのプロデュースができたらとも考えています。
そして今よく考えることが多いのは、10年後・20年後のアイラッシュ施術者が活躍できる未来づくり。コロナ禍の影響で売り上げが落ちたサロンも少なくありませんが、トラブルに対応できるためには、信頼を提供する安定したサービスであることが根底にあります。そのときそのときのニーズをくみ取り、大好きなアイラッシュ業界、そして美容業界のために、できることに挑戦していくのが私の使命です。
まとめ
これからの業界を考えるその真摯な姿勢に「好き」という原動力に叶うものはない、これがインタビューを通して感じた印象です。「とにかくマツエクが好き!」というその気持ちが行動力の源となっている、魅力の溢れる方でした。天職を与えてくれたアイラッシュ業界に還元したいと話す中野さん。今後のご活躍にも、一層期待が高まります。
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