常に情報発信をし続ける…それが私の仕事!株式会社アイラッシュビューティージャパン代表取締役 大須賀明美氏
『PERFECT LASH JAPAN』の運営元、『株式会社EYELASH.BEAUTY.JAPAN』の代表取締役を務める大須賀明美さんにインタビュー。ボリュームラッシュ部門で世界1位の称号を獲得した高い施術スキルと、これまでにないモノを生み出す類まれな発想力で、さまざまな商材やサービスを展開されています。現在の事業内容や大須賀さんが考える美容業界の未来、仕事をする上で最も大切にしていることなどをお聞きしました。
【経営者プロフィール】大須賀明美さんとは?
2006年、アパートの1室からアイラッシュサロンをスタート。
2011年、パーフェクトラッシュアイラッシュブランドをリリース。
2015年には、USAシカゴにてボリュームラッシュの技術を習得し、ボリュームラッシュ講習もスタートさせる。
2016年、パーフェクトラッシュの看板商品「ロックグルー」を発売。この頃、ロンドン・カリフォルニア州・ニューヨーク州でさらにボリュームラッシュの技術を磨く。
2017年、ロンドンラッシュバトルボリュームラッシュ部門優勝。さらに同年、特許技術パーフェクトラッシュ取得。
また、アイラッシュカンファレンス開催(2019年)、東京ラッシュコンペティション第一回開催(2019年)、パーフェクトラッシュヴォーグコンペティション開催(2020年)など、セミナーやコンペ開催にも力を入れている。2021年には、クイックラッシュリフトを開発・セミナースタート。直近では、EYE MAGAZINE(アイビューティー情報誌)を発売。
商材開発のこだわりはスピード感と実験しまくること
どのような経緯でアイラッシュ業界に携わることになったのでしょうか?
最初、アパレルで5年くらい働いていたんです。そのお店に置いてあった雑誌で“自宅でできるまつげエクステンション”のような広告を発見して。たまたま友人が自宅で髪の毛のエクステンションをやっていたこともあり、まつげのエクステも自分でするのではなく、サービスで提供できるのではないか、と思ったのがきっかけです。ネットで調べたところ、レッスンができるを知り、講習を受けて…というのが始まりでした。これが2006年頃の話です。
2006年というと、マツエク創成期といえる時期ですね。まだまだ発展途上のマツエク業界へ飛び込むことに恐怖や不安はなかったのでしょうか?
性格上、新しいことを始めたり、誰もやってないことをしたりするのに全く抵抗がなくて。どちらかというと、みんなと同じことをすることが好きではないので、誰もやってないゼロからのスタートの方が燃えちゃうんです(笑)
それと、アパレルはいくら頑張っても給料があがらないことに不満もあり、自分で頑張った分、給料としても評価される仕事につきたいなと思っていたところもありました。
個人サロンをオープンしたときのお客様の反応は?
マツエクの講習を受け、練習もたくさんしました。人にサービスとして提供できるようになった頃、当時住んでいた2LDKのマンションの1室をつぶしてサロンをスタートさせたんです。
地元の山梨でサロンをオープンしたんですが、山梨には当時まだマツエクサロンは1件もなく、マツエクなんて誰も知らない時代。「マツエクってなに?編むの?」という感じでした。だから最初は、友人に装着モデルになってもらったりして、とにかくマツエクの存在を広めていく活動から始めました。広報活動に費用をかけていたので、1~2年くらいはずっと赤字でしたが、楽しかったです!
そこまでしてマツエクを広めたいと思われたんですね。大須賀さんが考えるマツエクの魅力とは?
プチ整形並みのビフォーアフターがすぐに手に入ること、そしてメイクがすごくラクになること。この点を自分自身も気に入っていたので、東京のいろいろなサロンに足を運んで、勉強しました。
その後、商品開発を始めようと思われたきっかけは?
当時、気に入って使っていた大手ブランドの商材がすごく高かったんですね。これと同じくらいのクオリティで、もう少し安く提供できたらいいな、が商品開発のきっかけ。韓国・中国・ベトナムなどいろんな会社や工場などをめぐっているうちに、気に入って使っていた商品の取引先を見つけることができたんです。嬉しくて、すぐ契約しました!
その後、ブランドを大きく育てるには品質や精度の高さが重要だと考え、試行錯誤した結果、現在は自分で工場開いてやっています。
商品開発のインプット・アウトプットについて教えていただけますか?
生徒の声を拾ったり、自身も施術者目線で“こうだったらいいのに”を1つ1つ改善できるようなことをしていきたいですね。インプットは、視野を海外まで広げて情報をゲットしてという感じです。アウトプットとしては、とりあえず試行錯誤の連続です。サロンや会社のスタッフ、アカデミーの先生方に実際に使ってもらって感想を聞いたり、仲のいい生徒さんに最低100人はモデルになってもらって、「いいね!」という声をもらってから、やっと商品が世に出るという形。ですから、商品開発には1年以上の時間を費やしています。
商品開発において、最もこだわりっていることは何でしょうか?
どこよりも早く!です。流行ってからやる、では遅いので、流行るであろう、から目を付けてスタートさせるのがタイミング的には良いと思います。それと、お客様はいろんな悩みがあるからマツエクをしますよね。その悩みにどこよりも悩みに気付いて、商品化を考えています。
パーフェクトラッシュで、今1番推している商品は何でしょうか?
2016年に発売した「ロックグルー」ですね。うちにしかないと思うのですが、同じ成分で粘度だけを変えた3種類展開のグルーです。これまではアイリストが商材に合わせて施術を行う必要がありましたが「商材がアイリストに合わせるべきでは?」という考えで生まれたグルーです。
さらに、着けてから5分経てば濡らしたり汗かいたり、オイルクレンジングの使用ができるのが魅力。アレルギーが出にくく、モチもすごく良いのがこの「ロックグルー」なんです。
お客様にも施術者にも魅力的な商品ですね!開発にも時間がかかったのではないでしょうか?
すごく時間かかりましたよ!私も商材にはうるさいので(笑)でも、パーフェクトラッシュにしかない!というものを作りたかったんです。「ロックグルー」には、まつげに潤いを与えるためにコラーゲンを配合しているんですが、コラーゲンを入れたことによってモチに影響が出てはいけないので。モチに影響がないことやアレルギーが出ないことなどを確かめて成分的に完成するまでに1年はかかりましたね。
セミナーでは1人1人に合ったやり方を教えるのが流儀!
講師としてもご活躍とのことですが、セミナーを始められたきっかけを教えてください。
当時、山梨に同業者がいなかったので、技術の勉強をしたかったんです。ビューティーワールドに足を運んだときに日本まつげエクステンション協会のチラシを見て、問い合わせ、検定を受けて講師になりました。
その後、2015年にシカゴでボリュームラッシュの技術を学び、自分の中でしっかり落とし込んだ状態でセミナーをやり始めました。
当時、ボリュームラッシュのセミナーはどのくらいの規模で行われていたのでしょうか?
当初は、1人1人しっかり見たかったので最高でも12人までとしてセミナーを開催していました。その後、ボリュームラッシュのスクールなどができ始めたので、差別化したいと考えていました。
2017年、イギリスで行われた世界大会のボリュームラッシュ部門で、ありがたいことに賞を取ったので差別化できるようになり、規模をどんどん広げていきました。過去、セミナーで1番人が入ったのは200名くらいですかね。
セミナーで指導するときに、最も大事にしていることは?
みんなやり方がバラバラなので、ひとつのやり方を教えるんじゃなくて、その子に合ったやり方を教えることを心掛けています。
その日会ったばかりでも、どんなタイプの人なのかわかるということですか?
1万人くらいの生徒さんたちと接してきたので、わかるようになりました。アイラッシュ講師の占い師と言われていいかもしれない(笑)施術している様子を見れば、家の中の様子までわかってしまいます。
セミナーは1回聞けば、それで終わり!となってしまうことも多いのかもしれませんが、私のセミナーってリピートしてくれる人が結構多いんです。中には顔も覚えちゃうほどリピートしている人も!たぶん私の教え方を勉強してくれているんだろうな、と思っています。
コロナ禍の現在、どのような形でセミナーを行っているのでしょうか?
今のところ、オンラインもオフラインも両方用意しています。私自身の考えですが、オンラインでの技術の習得は難しいと感じています。受講者30人中、しっかりと落とし込める人は1人いるかどうか。コロナに対する考え方も人それぞれなので、オンライン・オフラインの両方を同じ価格で提供して、受講者に選択してもらうスタイルを取っています。
コロナ禍も長期化し、感染予防対策も学んでいるので、小規模にはなってしまいますが、オフラインのセミナー開催にも動き出しています。先日、久しぶりに大阪でセミナーを開催しましたが、満員になりましたよ。
ビューティシャンとして、目元全体の美=アイビューティーに携わる
大須賀さんが考える今後のアイラッシュ業界・美容業界についてお聞かせください。
自分がやりはじめたときって、ちょうど目元が濃いめがトレンドだったので、どんどんマツエクが流行っていったのですが、今はラッシュリフトがトレンドで目元は濃くしたくないという人が多いと思うんです。そのトレンドにメーカーも付いて行って、ラッシュリフトに手を出しているという状況。でもマツエクだけに集中せず、目元に特化した美を対象に手広くやっていかないと、サロン潰れていくのではないか、と思っています。
お客様それぞれに似合うようなラッシュ・カラー・デザインを選ぶことはもちろん、マツエクを着けるだけじゃなくて、まゆげやアイラインを描いたりしてあげる、などマツエクだけではない+αのサービスをしてあげる。それで目を開けたときの感動が違うかと思んです。ゆくゆくは、今のアイリストがアイビューティーを提供していくビューティシャンという形で活躍している未来になってほしいなと思っています。
大須賀さんご自身は、これからのアイビューティー業界にどのような形で携わっていこうとお考えですか?
今取り組んでいるのが、先日初めて発刊したアイラッシュマガジンですね。目元に特化した美を幅広い年代、さまざまなタイプの人などを取り上げた雑誌なので、この雑誌を見れば今のトレンドやデザインのアイデアなどがわかる教科書のような位置付けのものになっています。マガジンもそうですが、アイビューティーに特化した情報を常に発信しています。
同じ美容業界のネイル・美容室・エステは、サロンで施術を受けてキレイな状態でお店を出られると思うんですよね。でもアイラッシュサロンってまつげだけ着けて、まゆげ消してしまったけどそのまま、とか。消えたところの補修をせずにお客様を帰す…そのあと、お客様、デートだったらどうするの!?まつげだけではなくて、ササッとメイクをしてあげて、キレイな状態でお帰りいただくというのが美容の仕事だと思うので。中には、そこまでできているサロンもあるんですが、人気が高くて予約が取れないのが現状。
アイビューティーをトータルで考えられるサロンや施術者でないと、今後は売れないと思うし、顧客が付かないと思います。
自分の周りにいる人への感謝、恩返しを忘れない
アイビューティーのお仕事をされる上で、1番大事にされていることは何でしょうか?
多岐にわたる分野に事業を展開できていることも、会社があることも、会社のフタッフやパーフェクトラッシュの商品を購入してくださるお客様がいるから。自分の周りの方々への感謝の心を忘れないようにしたいし、常に恩返しは常に考えていますね。なので、商品を売りっぱなしじゃなく、顧客集客のための情報などもSNSで発信することにも力を入れています。
SNSやマガジン、セミナーなど、さまざまな方法で情報を発信されているんですね。
発信は常に心掛けています、それこそが仕事 だと思っています。その他、うちが主催するコンペで賞を取られた方々の作品をマガジンに取り上げたりなどもしています。
アイラッシュ業界を盛り上げるなんて1人でできることじゃないので、みんなで力を合わせて盛り上げていきたいと思ってますね。
まとめ
商材が施術者に合わせたグルーなど、元世界1位の高い技術を持ち、数えきれないほどのセミナーをこなしてきた大須賀さんだからこそ、他には真似できない斬新な発想の商材を生み出すことができるのでしょう。また、これからのアイビューティー業界で生き残るためには、単にまつげだけを着けるだけでなく、施術後にまゆげやラインを描くなどし、目元がキレイな状態でお客様にお帰りいただけるようなビューティシャンを目指すべきというお話しも印象的でした。大須賀さんといっしょにアイビューティー業界を盛り上げていきましょう!210617Euk