“マクロ”の世界のこだわりを叶える | 「株式会社BULK」代表住吉 まり子さんへインタビュー

この記事をシェアする
サムネイル

今回、お話しをお伺いしたのは美容商材OEM会社「株式会社BULK(バルク)」を経営されている住吉まり子さん。同社は、ハイクオリティなマツエク商材を小ロット・低価格で提供するOEM事業のほか、WEB・動画制作まで手掛けています。住吉さんは、もともとネイリストとしてキャリアをスタートされたそう。どのような経緯でマツエクと出会い、OEM会社を設立するに至ったのでしょうか。OEM会社創業までの経緯や事業内容、仕事への想いなど詳しくお聞きしました。

【経営者プロフィール】住吉 まり子さん

アメリカの美容学校を卒業後、マツエク、ネイルの技術者としてサロン・スクール運営を経て、現在は美容商材OEM会社「株式会社BULK」を経営。
OEM事業のほか、ホームページ・WEBサイト制作やSNSの運用代行も行う。
また、2020年より動画制作事業をスタートさせ、ウェブサイトや採用募集で使用する動画、YouTubeのプロモーション動画制作なども手掛けている。

▷住吉まり子さん公式Instagram(@mariko.912)はこちら
▷株式会社BULK 美容商材OEMサイトこちら
▷株式会社BULK 動画制作サイトこちら

アメリカのスクールで学んだ、施術者として経営者として必要なこと

住吉さんのアイラッシュ業界でのキャリアのスタートは?

もとはネイリストだったんです。10代後半にアメリカの美容学校へ行き、ネイルの技術とネイルサロンの運営を学びました。帰国後、ネイルに絞ってサロンを運営していたのですが、美容感度の高いお客様から、当時話題になっていたマツエクをメニュー化してほしい、というご要望があり、その声をきっかけにサロンにマツエク技術を導入したのがスタートです。

そもそも、なぜ日本ではなく、アメリカのスクールを選ばれたのですか?

もともと美容に興味があり、国内の美容学校を卒業しているんです。しかし、通った美容学校は卒業後の就職率に重きを置かれ、内定をもらうための技術を磨くという印象でした。卒業してもそのまま就職できるほどの技術を学べなかったんですね。それが、自分の中の大きな疑問になっていました。
そこで当時、自分自身が通っていたネイルサロンで使われている商材をたまたま手にする機会があり、商材に記載されているブランド名をインターネットで検索したところ、アメリカのある会社のホームページにたどり着いたんです。そして、その会社が施術者の教育を常時行っていることを知り、ぜひ学びたい!と思い、当時英語はできなかったものの必死で調べて志願のメールを送ったのがアメリカで学ぶことになったきっかけです。

住吉さんをそこまで突き動かした原動力はなんだったのでしょうか?

美容が本当に大好きで、当時はネイルの虜になっていたんです。学生時代にはバイト代をすべてネイルにつぎ込んでいたほど。美容の技術を身に付けて、仕事にできれば嬉しいという本当に純粋な気持ちでした。アメリカ行きも、短時間で優れた美容の技術を提供してもらえるということに大きな魅力を感じましたね。

日本の美容学校とアメリカのスクールは違いましたか?

全く違いましたね。アメリカのスクールではその技術が何のためにあるのか、ということを必ずセットで教えるんですね。技術の存在意義を理解した状態で学ぶので、授業への向き合い方が違います。

また、アメリカは技術に対してチップを払うという習慣があるので、技術力が高い人=稼げるということ。やはりお金を稼ぐということに貪欲で、高い技術やサービスでよいお客様に付いてもらい、サロンを反映させることで事業の継続ができるという考え方が根底にあります。スクールでもそれを前提にさまざまな技術を教えてくれるため、より実践に近い技術力が身に付けられる点が日本の美容学校との大きな違いだと思います。

アメリカから帰国後、日本のサロンに就職されたのですか?

いえ、帰国後すぐに独立しました。それもアメリカのスクールの先生から帰国後の進路について聞かれ、就職する予定であることを伝えた際に、「お金と時間をかけて、それもたった1人でアメリカ来て学んだ技術には価値がある、技術を提供する側になってみたら?」と。その恩師の言葉に背中を押され、独立に踏み切りました。

ご自身のサロンではネイルからはじまり、その後、マツエクメニューも導入されたとのことですが、マツエクという美容法のどこに魅力を感じられましたか?

初めてマツエクの施術を受けた際には、短時間で立体的かつ理想の目元を叶えられることに衝撃を受けましたね。また施術者側としては、プロにしかできない技術であることもマツエクの魅力だと感じます。ネイルならセルフでもできますが、マツエクは基本セルフではできませんもんね。また、技術を気に入ってくれたお客様には定期的に通っていただけることも含め、ビジネス力の高さがマツエクの魅力だと感じています。

私だからできること。現場の声を反映させる商品づくり

「株式会社BULK」代表住吉 まり子さん

施術者として活躍されていた住吉さんが、OEM事業を始めることになったきっかけとは?

自身のサロン運営に加えて、まず始めたのがスクール運営でした。当時、地域のサロンさんから技術を教えてほしいという声をいただくようになり、マツエク業界のマーケットを広げるためには技術力のあるサロンを増やさなければならない、という思いからスクール事業をスタートさせました。“稼げる技術を教える”をコンセプトとしてスクールをやっていたんですが、サロンさんによってはスピード重視だったり、高単価だったりと方針はさまざま。サロンさんが求めるものが違うので、基本を伝えただけでは期待に応えることが難しく…。そのギャップをカバーする目的でサロンさんに適した商材を作り始めた、というのがOEMを手掛けることになったきっかけです。

OEM事業は、サロンさんがしっかり稼げるようにするための手段としてスタートしたのですね。

日本の施術者さんって技術にストイックな方が多くて技術に注力しがちなのですが、やはり技術をお金に変換することができなければ、サロンの運営が難しくなります。サロン運営ができなければ、どんなに優れた技術も提供することができなってしまう…そうならないためにはスクールで技術を教えるだけでなく、商材でカバーするという発想に至りました。

また、商品力でマツエク業界自体を盛り上げていきたい、ストイックな技術者さんをサポートしていきたいとも強く思っています。やはり、こだわりの強い技術者さんが求める商材は、現場の声をヒアリングできる人でないと作れないんですよね。「それはできない」ではなく、「どうしたらできるのか」「どうしたら理想に近いものができるのか」を一緒に考えたいですし、もともと技術者である私だからこそ叶えられる、という思いがあります。現場が求めるマクロの世界のこだわりさえも汲み取り、提供できることが弊社の強みですね。

OEM事業では、どんなときにやりがいを感じられますか?

自身が開発段階から携わり、世に出て行った新しい技術や商材によって、マツエク市場が拡大していくことのおもしろさですよね。そして、技術者さんに寄り添い、サポートし、一緒に喜び合えることが嬉しくて!今は裏方の仕事がメインではありますが、技術者さんのプロデュース的な仕事ができることに喜びを感じています。

アイビューティーはもっと日常に溶け込めるはず。必要なのは意識改革

今後のアイ業界には、どのようなことが求められるとお考えですか?

まだまだ一般市場からしたら、アイラッシュ業界はマーケットが小さいですよね。まだマツエクをやったことがない方もたくさんいる状況です。なので、まずは一般社会での認知を高め、もっと日常に溶け込むぐらいの美容法になってほしいと思っています。そのためには、技術や安全性はもちろんですが、一般の方にアイビューティーを知ってもらうためのプロモーションが必要です。

それと、客層の年齢幅を広げることも課題のひとつだと考えます。例えば、年齢層が高い方々は美容室には行ってもアイラッシュサロンには行っていないと思うんですよね。そのため年齢層の幅を広げるためのアプローチや意識改革を進めて行かなければなりません。

また、アイラッシュワールドカップ(以下、EWC)の理事としての活動も、業界を盛り上げたいという思いでやっている取り組みのひとつです。EWCを通じて、より多くの方にマツエクの魅力や技術者のスキルの高さを知ってもらいたいと思っています。

女性が活躍できる業界だからこそ。女性の社会進出にもっとつなげるため

仕事をするうえで大切にされていることは?

アイ業界は、圧倒的に女性に関わる機会が多い特殊な業界だと思います。お客様だけでなく、スタッフもほとんどが女性。だからこそアイの仕事には、女性たちが自信を持って社会進出するための後押しをする力があると考えています。

お客様であれば、目元の美しさを提供することで自信が持てる、スタッフであればプロの技術者として社会貢献することで自信が持てる…このように女性にとって大きな影響力のある仕事をしている、という意識を持つことがアイ業界で仕事をする上で大切にしていることです。また、女性ならではのやりたい!を叶えられるようにということも常に念頭においています。

女性のならではの期待やこだわりに応えるため、お仕事をされているのですね!

効率化やマニュアル化できない女性ならではのこだわりってありますよね。だからこそ、女性たちの期待に応えることは簡単ではありませんが、その姿勢を失くしてしまったら、私でなくてもできる仕事になってしまう。そういった思いから、どんな要望にも諦めずとことん対応したいと思っています。

ありがたいことにOEM事業に関しても、お問い合せをいただかない日がないほどご依頼が殺到している状況です。他社でOEMを断られて弊社へお声かけくださる方も多いようです。確かに難しいオーダーもありますが、別の方向から提案してみる、技術者さんのこだわりを切り捨てないということを大切にしています。

まとめ

アメリカで培った技術をお金に変換するノウハウ、そして技術者ならではのマクロの世界のこだわりを叶えるヒアリング力と実現力など、元技術者である住吉さんだからこそ数多くの技術者やサロン経営者から支持を集めるのでしょう。また、女性ならではのこだわりにとことん応えるという姿勢も、圧倒的に女性の割合が多いアイ業界を盛り上げるために必要なことだと感じました。これからもアイ業界のトップリーダーである住吉さんの取り組みから目が離せません。

この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

221017Euk

この記事をシェアする