人のために自分ができることを!施術者目線の商品開発とベトナム進出|RND JAPAN株式会社代表青山静香さんインタビュー
サロンの経営と美容商材メーカーの運営を行う、RND JAPAN株式会社代表取締役社長青山静香さん。商材を手掛ける傍ら、現在はベトナム・ホーチミンへの進出に向け準備を進めています。今回は青山さんとアイラッシュとの出会いや商材作りへの想い、働くうえで大事にしていることについて、詳しくお話を聞かせてもらいました。
【経営者プロフィール】青山静香さんとは
2007年 化粧品メーカーに就職
2008年 まつげ・まゆげサロンBLAU(ブラウ)をオープン
2016年 アイラッシュアカデミーby・Blau開校
2020年 美容商材メーカーRND JAPAN(ランドジャパン)を立ち上げ
2021年 RND JAPAN株式会社(アールエヌディージャパン)に法人化
2023年 ベトナム・ホーチミンへの進出進行中
アイラッシュ・アイブロウサロンの経営とスクールの講師、美容商材メーカーを運営。プライベートでは10歳の子を持つ母。現在ベトナムへの進出に向けて準備を進める。
マツエクとの出会いでコンプレックスが解消!未経験から飛び込んだアイラッシュ業界
―――まずは、青山さんがアイラッシュサロンをオープンするに至った経緯から教えてください。
美容に興味があったため、化粧品メーカーに就職。在職中マツエクに出会いました。マツエクサロンのチラシをもらって、「え、なにこれ新しい!」と興味を持ったのがきっかけ。初めてマツエクをしたときに、顔が薄い私でも華やかになることに感動したんです!
それが2007年ごろなのですが、まだ料金が高いわりに技術も良くなくて……。自分でうまくできるのではないかと思い、マツエクとラッシュリフト、眉デザインのスクールに行き、講習を受けて練習しました。
最初はスクールに通えばすぐできるのではと思ったのですが、実際にやってみたら思ったよりも難しかったですね……。でも、練習をしてサロンをオープンすることを決め、退職後2008年に大阪心斎橋に「まつげ・まゆげサロンBLAU(ブラウ)」をオープンしました。時短よりも似合わせを重視していて、お客様に1番合うデザインを提案したいと思っています。
―――すごい行動力!仕事を辞めてサロンをオープンするにあたり、不安はありませんでしたか?
サロンをオープンしたのは、24~25歳くらいでした。とりあえずやってみようという感じで、不安はなかったですね……。若かったんだと思います(笑)周囲にはまだアイラッシュサロンも少なく、集客もしやすい状況でした。ありがたいことに今でも同じ場所でサロンを続けられており、もう15年くらいになります。
―――同じ場所で15年続けているんですね!サロンを経営するうえで大事にしているのはどんなことですか?
私はスタッフにいろいろ干渉するタイプではないのですが……人として好きだと思えるスタッフが働いてくれているので、長く働けるように居心地の良い環境にしようとは考えていますね。スタッフ2人とも子どもがいるので、どうしても急なお休みも発生するのですが、そんなときは私が施術を担当したりして臨機応変に対応しています。自分にも子どもがおり、子育てしながらの働きづらさは理解しているので、両立しやすいよう配慮したいです。
目指すのは施術者目線の商品開発
―――青山さんはRNDという商材ブランドも手掛けておられますが、始めたきっかけを教えてください。
アイラッシュサロンをオープンして6~7年経ったくらいに、別のこともしたいと思いサロンの部屋を使ってスクールを始めたんです。当時あまりアイラッシュスクールがなかったため、施術初心者を対象に、技術はもちろん経営の相談やスタッフ育成の代理など希望に合わせて対応しています。
そんな講師活動の一環として、縁があった中国にラッシュリフト技術に教えに行く計画を立てていたんです。その話が進んでいたときに、それなら商材も用意してほしいと言われたことが、商材作りを始めたきっかけになりました。
―――そうなんですね!1番初めに手掛けた商品は何だったのですか?
最初に作ったのが、RNDの看板商品である「ノイラッシュリキッド」です。成分やpH値など何度も調整し、テクスチャーやカラーにもこだわり、施術者の使いやすさを追求しました。商材作りは大変でしたが、あるコネを全部使いながら、1年以上かけて完成させました。コロナで製造が遅れてしまい、商品を使ってくれている施術者を困らせてしまう事態になったときは辛かったですね……新しい工場が見つかり安定して生産できるようになりホッとしました。
―――青山さんが商材作りで大切にしているのはどんなことですか?
私が本当に作りたいものを商品化することです。商材ブランドの名前「RND」は、ドイツ語で端や余白という意味の言葉。商材に使用している「neu」は、ドイツ語で“新しい”という意味の言葉です。既にあるものを作っても仕方ないので、今までにないもので施術者が喜ぶものを作りたいというのが私の想い。『美容業界の端から生み出すエッジの効いたプロダクト』をコンセプトに、売れるものを作るのではなく、施術者目線でかゆいところに手が届くようなものをこれからも作りたいと思っています。
これからのアイラッシュ業界について
―――青山さんが考えるマツエクやアイブロウの魅力を教えてください。
アイラッシュもアイブロウも、施術の変化が見えやすく、コンプレックスを解消してくれるのが魅力だと思っています。私自身元々眉毛が薄いのがコンプレックスだったのですが、アイブロウワックスで余分な産毛を取るだけで、薄くても眉メイクがしやすくなったんです。昔は眉毛にお金を払う時代ではなくあまり他のサロンにはアイブロウメニューがありませんでしたが、私のサロンでは15年前からアイブロウデザインとアイラッシュをセットでオーダーされることがほとんどでした。
自まつげの短さもコンプレックスで、マツエクに出会う前はビューラーをしてマスカラ下地を塗って、それからマスカラを重ねて……と、毎日アイメイクに時間をかけていたのですが、マツエクでメイク時間が短縮されて本当に楽になりました。その魅力をお客様にも伝えていけたらと思っています。
―――今後のアイラッシュ業界について、青山さんはどうなっていくと思っていますか?
私たちの仕事は、目の前のお客様を美しくして喜んでもらうことです。技術が進化してもAIや機械にはできない繊細な技術もたくさんあり、日本の美容業界に可能性はまだまだあると思います。私自身はこれからベトナムに進出する予定で、今着々と準備を進めている段階なんです。ベトナムにも、アイラッシュやアイブロウの技術をもっと広げていけたら良いですね。
ベトナムは、美容はもちろん何もかも日本の20年前のような印象の場所。ただ、ベトナムの民族衣装に似合うとされているストレートロングヘアがほとんどだった中、ショートカットやボブにする人が出てきたり、韓国コスメが流行っていたりと、少しずつ変化も見られています。
まだマツエクという技術が浸透しておらずまつげにお金をかける人はほぼいない状態ですが、今後日本のようにマツエクやアイブロウに興味を持つ人も増えてくると思っていますし、流行らせたいと思っています。ベトナムへの進出が、その第一歩になればうれしいです。
日本とベトナムでの仕事を両立させることが、直近の目標です。ベトナムで技術を教えたいと思っていた矢先にコロナが広がり、結局まだ実現できていないので、コロナが収束した今、チャレンジしたいことはたくさんあります。
仕事をする上で大事にしていること
―――最後に、青山さんが仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。
そうですね……仕事に関する話は断らないようにしています。以前インスタのダイレクトメッセージで全く知らない他の県でサロンを経営されている方からお誘いを受け、一緒にごはんを食べたことも。リアルな現場の話が聞けたり、次の仕事につながったりする可能性もあります。人と人をつなげるのも好きで、アイラッシュ施術者さんとごはんに行くことになれば、その人と合いそうだと感じる別の人を誘って紹介したりもします。基本的にコミュ障なんですけど、人は好きなんです(笑)
また、自分発信で話をするのは苦手なのでそういった依頼はこれまでお断りしてきたのですが、自分の発言が何か業界に影響を与えられる可能性があるなら、これからは頑張っていきたいなと思っています。実は、今回のインタビューをお受けしたのも、自分の中でかなりの挑戦でした……!アイラッシュ施術者が天職かどうかは正直わかりませんが、適職だとは思っています。デザインも施術も大好きなので、もっともっと世の中に広げていきたいですね。
まとめ
「人のため、施術者のため」と、実際に使う人を思いながら商材作りに取り組んでいる青山さん。ひとつずつ言葉を選んで誠実に受け答えしてくださる様子に、人柄が垣間見えました。15年間アイラッシュ業界に携わってきたからこその視点が、魅力的な商品作りにつながっているのだと感じられました。これからベトナムにアイラッシュやアイブロウを届け、市場規模を広げる一端を担ってくださるはず。青山さんの今後の活躍に、引き続き注目していきます。
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