湿度?温度?日によってグルーの使用感が違うのはなぜ?
日々、マツエクに携わるアイリストのみなさんは、グルーの「日によっての使用感の違い」に戸惑う経験も多いはず。グルーの状態によって、マツエクの仕上がりの良し悪しも左右されるため、アイリストにとっては特に気を使う現象です。今回は、グルーの使用感が日々変化する理由と気をつけたいポイントについて見ていきましょう。
いつも使っているグルーなのにつけにくいことがあるのはなぜ?
グルーの使用感には、主に次のような要因が関わっています。
・温度
・湿度
・お客様のまつげの状態
グルーは、実はとても繊細です。その日の湿度、温度によって、その質感は絶えず変化します。そのため、季節の違い、天候の違い、サロン内の空調の違いなど、さまざまな条件に気を配らなくてはなりません。
さらに、お客様のまつげの状態も、グルーの使用感を決める重要なポイント。グルーは、まつげに含まれる微量の水分と結合して固まるため、まつげが乾燥しているとグルーが固まりにくくなってしまいます。
では、グルーを常に最適な状態で使用するために、アイリストはどのようなことに気をつければいいのでしょうか?次で詳しく解説しましょう。
グルーの取扱いで気をつけることは?
グルーにとって最適な環境は、温度20~25℃、湿度40~70℃。この値を上回ったり、下回ったりすると、グルーの劣化が進み、扱いづらい状態に変化してしまいます。
温度、湿度によるグルーの変化については、次のようになります。
<温度との関係>
ただし、これは極端な例。実際は、温度による硬化速度への影響はあまりありません。理由は、グルーの使用可能温度は「-20度~60度」とされているうえに、マツエクの施術は空調による快適な室温の中で行われることが一般的なためです。
<湿度との関係>
※湿度が高すぎると、目元にマツエクをつけ終わる前に硬化が始まるため、接着力は弱まる
以上のような変化は、季節や天候だけでなく、空調による温度・湿度変化によっても起こります。そのため、グルーの扱いに悩まされているというアイリストは、サロン内の環境作りから見直してみるといいでしょう。次にチェックしたいポイントを挙げてみました。
<サロン環境で気をつけること>
・エアコンの配置
マツエクサロンでは個室に区切って施術することが一般的ですが、それぞれの部屋と空調との位置関係は問題ないでしょうか?グルーの位置にエアコンの直風が当たっていないかどうか、見直してみましょう(グルーは水分と反応するため、エアコンの風そのものによる質感変化はありません)。サロンによっては、エアコンの影響を受けやすい部屋はグルーにも影響が出やすいため、アイリストのスキルに応じて振り分けているというところもあるようです。
・日差しの強さ
大きな窓があるサロンは直射日光に要注意。グルーを保管している場所が日光によって高温になるようであれば、遮光カーテンを使うなどの方法を検討してみましょう。
・湿度の管理
グルーの使用感を決める湿度は、温度と比較するとその変化に気づきにくいもの。加湿器 や除湿器を使い、サロン内の湿度を一定に保てるようにしましょう。また、加湿器を置く場所も、エアコンの配置同様気を付けるべきポイント。湿気がエクステやグルー、お客様のお目元などに直接当たらないよう注意しましょう。
<施術中に気をつけること>
サロンの環境を整えることで、ある程度はグルーの劣化を防げます。しかし、デリケートなグルーの管理は、それだけで十分とはいえません。施術の手順や使用中の管理にまで気を配ることが大切です。もし、グルーの使用感が普段と違うと感じたら、次の対策をとるようにしましょう。
・硬化速度が速いとき → ノズルをこまめに拭きとるようにする
・粘りが強いとき → グルーをトレーに出す感覚を10分程度に短縮する
※このとき、古いグルーに混ざらないようにする
<グルーの保管期限について気をつけること>
グルーの使用感には、サロンの環境や施術中の手順以外に、グルーの使用期限が関係している場合もあります。製品によって差はありますが、未開封で2ヵ月、開封済みで1カ月が一般的な使用期限。ただ、グルーの最適な温度、湿度が守られていなかった場合は、この使用期限内であっても劣化が進んでいることもあります。複数本購入するというサロンもありますが、できるだけ短期間で使い切るか、劣化が進んだものは思い切って廃棄するように心掛けましょう。
マツエク装着時に気をつけることとは?
グルーの使用感が普段と違うことで、施術しづらいと感じたことのあるアイリストも多いですよね。施術中に次のような対策をすることで、そのストレスを多少軽減することは可能です。
<前処理について>
グルーは、油と相性が悪いというのは、皆さんご存知ですよね。グルーの使用感が普段と異なるというときは、お客様のまつげに油分が残っているからという可能性もあります。油分が多いと感じたら、施術の前の前処理を普段より念入りにするようにしましょう。
<装着方法について>
お客様のまつげの状態に合わせ装着方法を工夫することも必要です。通常はマツエクをスライドさせながら装着する方法が一般的ですが、まつげが乾燥状態にあってピタッとくっついてしまう場合は、スライドさせずにつけると失敗を防ぐことができます。
※参考:こんな時は要Check!「エクステや自まつげにグルーがつかない原因」とは?
まとめ
マツエクの仕上がりに大きく関わるグルー管理は、サロンへの評価にも直結するほど大切なこと。普段の保管方法から施術中の取り扱い方に至るまで、さまざまな注意すべきポイントがあります。グルーの変化に敏感に反応し、臨機応変に対応できるスキルを身につけていきたいですね。