水分量が少ない「乾燥した自まつげの方」へのマツエク施術中の対処法とは?
空気が乾燥する冬場だけでなく、夏の強い日差しやクーラーの風なども自まつげの乾燥の原因になることを知っていますか?乾燥した自まつげは、グルーが定着しづらい、モチが悪くなるなど、マツエクとの相性が悪いため、日ごろから継続的に保湿ケアをすることが大切です。しかし、施術に来られたお客様の自まつげが乾燥していた場合は、どのように対処すべきなのでしょうか。
乾燥まつげの状態とは?
「乾燥まつげ」とは、文字どおり水分量が少なく、乾燥したまつげのことです。しかしながら、そもそも“まつげが乾燥している”とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。まつげの構造を復習しながら、理解を深めていきましょう。
まつげを構成する3つの層
まつげの内部は中心から外側に向かって、メデュラ→コルテックス→キューティクルの順番に層が形成されています。それぞれの主成分や特徴は、以下のとおりです。
中心部:メデュラ(毛髄質/もうずいしつ)
メデュラは、タンパク質と脂質から構成されるまつげの芯の部分。空気を含んだハチの巣状の細胞がビッシリと並んでおり、しなやかで柔らかいのが特徴です。まつげの保湿や弾力性に関係すると考えられていますが、未だメデュラの詳しいはたらきは解明されていません。
またメデュラは太くて硬い毛ほど多く、細い毛にはあまり含まれていないことも知られています。一説によると、太さ0.09mm以上のまつげには必ずメデュラが含まれていますが、太さ0.06mm未満になると、約1割のまつげにしかメデュラは含まれていないそうです。
中間層:コルテックス(毛皮質/もうひしつ)
コルテックスはまつげの大部分(85~90%)を占めており、コルテックスの状態によりまつげの太さ・硬さ・強さなどが決まります。主成分は弾力性に富んだケラチンと呼ばれるパンタク質です。
通常5~10%の水分を含み、この水分量がまつげのしなやかさ・やわらかさを左右します。薬品などの影響も受けやすく、パーマ液などによりタンパク質が溶け出すと、ツヤを失ったたり、水分を調整する機能が低下することもあります。
一番外側:キューティクル(毛小皮/もうしょうひ)
まつげの表面を覆っているのが、キューティクルです。イオウ含有量の多いケラチンを主成分とする硬い組織からなり、まつげの内部を守るバリアとしての役割を担っています。
最大の特徴は、ウロコのような細胞がまつげの根元から毛先に向かって何層も重なり合った構造をしていること。ウロコ状に重なり合い、規則正しく整列することで、コルテックスに蓄えられた栄養分や水分が失われることを防ぎ、まつげにツヤを与えているのです。
しかしキューティクルの細胞は摩擦に弱く、もろいため、外部刺激により細胞が剥がれてしまうことも。するとバリア機能が低下し、まつげの乾燥などにつながります。
まつげの乾燥の主な原因とは?
まつげの3層構造を理解すると、乾燥まつげがどのような状況なのか理解できたのではないでしょうか。つまり、まつげの表面を覆っているキューティクルが外部刺激などにより、傷つき、剥がれてしまうと、コルテックスのタンパク質や水分が失われます。これがまつげの乾燥の主な原因と考えられます。
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乾燥まつげの対策とは?
乾燥まつげへの対策を練るには、まずはキューティクルにダメージを与えるファクターを知る必要があるでしょう。キューティクルの主成分が、薄くもろいケラチンタンパク質で構成されていること、またタンパク質は熱に弱いことなどをヒントに考えます。
- 紫外線
- 海やプールなどのレジャー
- 熱すぎるお湯
- ホットビューラー・まつげドライヤー
- 摩擦などによる物理的な刺激
- まつげパーマ
- 濡れたまま放置
- 空気の乾燥 など
乾燥まつげを改善したい場合は、これらのファクターをなるべく排除することが大切です。とはいえ、一度乾燥したまつげの状態を回復させるには、上記のファクターを排除するだけでなく、まつげのダメージ修復や健康な状態に導くはたらきのある美容液などでケアすることも有効です。
ご存知のとおり、まつげは3週間~4ヶ月のサイクルで生え変わるため、美容液を使う際にも最低3~4ヶ月は継続して使用することをおすすめします。
乾燥まつげにおすすめの美容液3選
フローフシ:THE アイクリーム
画像元:Amazon
チューブから直接指にジェルを取り、まつげだけでなく、まぶた全体にまで塗り込む新発想の美容液です。マッサージしながら塗ることにより、まぶたの血行が促進され、ハリ・コシのある健康なまつげを育む環境を整えます。1日1回、夜のスキンケアの最後に使うのがおすすめ!
スカルプD:まつ毛美容液プレミアム
画像元:Amazon
『スカルプD』が展開するまつげ美容液にプレミアムが登場しました。従来品の「ボーテ ピュアフリー アイラッシュセラム」と比較して、2倍のケア成分が配合されたリッチな美容液です。ブラシではなく、ふわふわな質感のカールチップが採用されているので、エクステに引っかかる心配もありません。
RORO:アイラッシュリッチ
画像元:Amazon
ダメージを受けたまつげの修復力が高いフランス発のまつげ美容液です。まつげを長く・強く・濃くするためのまつ育成分「ワイドラッシュ」がたっぷり配合されており、健康的なまつげに導いてくれます。またプラセンタエキスやローヤルゼリーなどの天然保湿成分が、まぶたにハリやうるおいをもたらします。
施術中にできる乾燥まつげの対策とは?
ダメージ補修力や保湿力の高い美容液で、継続的にホームケアを行うことが乾燥まつげを改善する有効な対策といえます。しかし施術に来られたお客様のまつげが乾燥している場合、どのような対処をすべきなのでしょうか。
乾燥まつげは施術にも影響する
まつげが乾燥ぎみのお客様への施術で、「グルーの付きが悪いな…。」と感じたことはありませんか?
あのグルーの硬化がスムーズにいかない現象には、いくつかの原因が考えられます。ひとつは、室温や湿度がグルーに適していなかったこと。グルーの硬化スピードを安定させるためには、室温は20~25℃、湿度は50~70%の範囲で一定に保つことが重要です。
しかしお客様のまつげが乾燥している条件下では、自まつげの水分不足が一番の原因と考えられます。なぜなら、グルーの主成分であるシアノアクリレートは、まつげや空気中の水分と反応して硬化するから。水分量が少ないと、硬化(重合とよばれる化学反応)がスムーズに進まないのです。
また乾燥まつげの場合、なんとか施術を終えたとしても、グルーの接着力が弱かったり、自まつげが抜けやすかったりして、モチが悪くなる傾向にあります。
ちなみに、中間層のコルテックスは通常5~10%の水分を含んでいますが、5%未満になると乾燥状態にあり、ケアが必要になるといわれています。
エクステ装着前に、自まつげの水分量をキープ or アップさせる
自まつげの乾燥がひどい場合には、施術をスムーズに進めるため、そしてマツエクのモチをよくするためにも、自まつげの水分量をキープ(今以上乾燥させない)または一時的に水分量をアップさせる処置を施すことをおすすめします。
保湿効果があるマイルドな前処理剤を使用する
オプションメニューとしてトリートメントをおすすめする
オプションメニューとして保湿効果のあるアイシャンプーをおすすめする など
乾燥まつげのお客様にオプションメニューをおすすめする際には、トリートメントやアイシャンプーのメリットだけをお伝えするのでなく、乾燥まつげに施術することによるデメリットも合わせてお伝えする方がご納得いただけやすいようです。もちろんデメリットの部分はやんわりと会話の中に盛り込んでくださいね。
リピーターのお客様の場合…
「今まで、マツエクが取れやすいなぁ。と感じられたことはありませんか?少し自まつげの状態が乾燥していますね。もしマツエクのモチが気になるようでしたら、まつげの水分量アップやキューティクルの保護などのはたらきがあるトリートメントがおすすめですよ!実はエクステのグルーって水分と反応して固まるんです。なので、まつげの水分量が少ないとグルーがスムーズに固まらなくて、モチが悪くなってしまう場合も…。そのため施術前にまつげの水分量がアップさせることは、マツエクにとって大きなメリットなんですよ。いかがでしょうか?」
モチがよくなる・まつげが清潔になる・ハリやコシがうまれる・ツヤがアップするなど、お客様にとってのメリットが引き立つようおすすめできるとよいでしょう。
お客様がオプションメニューを希望されなかった場合や適当なオプションメニューがない場合には、エクステに塗布してグルーの接着力を高める「グルー接着強化剤」を用いるのもおすすめです。
おすすめの施術用トリートメント剤
乾燥がひどいまつげには、中間層のコルテックスにまでしっかりとトリートメント成分を届けるハイクオリティな施術用トリートメント剤でケアするのがおすすめです。お客様のニーズに応えられるだけでなく、客単やリピート率アップ、他のサロンとの差別化など、さまざまな効果が期待できます。ぜひオプションメニューに取り入れてみてくださいね。
アイラッシュ・エイジレストリートメントセット
画像元:EYELASH GARAGE
【セット内容】
アイラッシュ・エイジレストリートメント1st 5ml
アイラッシュ・エイジレストリートメント2nd 5ml
アイラッシュ・エイジレストリートメント3rd 5ml
アイラッシュ・エイジレストリートメント販促ツール【お客様向けリリース200部】
販売メーカーは、サロン運営で培ったノウハウを商品開発に活かし、高品質なマツエク商材を多数展開することで知られる『VENUS LASH(ヴィーナスラッシュ)』です。
皮膚科医監修の施術用トリートメント「アイラッシュ・エイジレストリートメントセット」は、アイホール全体(毛根・毛根周り・目周り・まつげ)の環境を整えることにより、ダメージを修復します。
最大の特徴は、施術ステップに沿って3つのトリートメント剤を段階的に使い分けること。最後に使用する「アイラッシュ・エイジレストリートメント3rd」をまつげに塗布したのち、エアーコンプレッサーで乾燥させると、キューティクルが締まり、コルテックスにトリートメント成分がしっかりと保持されます。全ステップ完了後は、まつげに付着した水分を飛ばしてから、エクステ装着を開始します。 商品の詳細はこちら
まとめ
まつげの状態を把握したり、ニーズに合わせた施術を行うためには、まつげの構造を正しく理解することが重要です。そこで今回はまつげの構造をおさらいし、乾燥まつげの原因と対策を学びました。さらに乾燥まつげのお客様への施術中の対策としては、自まつげの水分量キープ or アップが可能なオプションメニューなどをお選びいただくことが有効です。すべてのお客様にご満足いただけるよう、臨機応変に対処できるスキルを身に付けましょう。190535Euk