グルーアレルギー発症後にマツエクを続けるリスクとは?低刺激性グルーも紹介

この記事をシェアする
サムネイル

今までマツエクをしても問題なかった方にも、突然襲ってくるのがグルーアレルギー。一度発症すると完治は難しく、さまざまな症状に悩まされます。しかし、過去にグルーアレルギーを発症しているにもかかわらず、どうしてもマツエクがしたい…そう望まれているお客様も少なくありません。この記事では、グルーアレルギーの症状と、アレルギー発症後にマツエクを続けた場合のリスクを解説。アレルギーリスクの低いおすすめのグルーについてもご紹介します。

グルーアレルギーの症状について

グルーアレルギーの症状について

まずは、グルーアレルギーの代表的な症状を解説します。

目元の症状

  • まぶたが腫れる
  • 目やにがよく出る
  • 目がかゆくなる
  • 目が充血し、涙が出る
  • 目の中がゴロゴロし、不快感がある
  • 目元の肌が荒れる
  • まつげが抜け落ちる

やはり、グルーアレルギーの症状が一番出やすいのは目元です。症状が酷くなると、充血やまぶたの腫れによって目が開かなくなったり、激しい痛みを感じたりする恐れがあります。

目元以外の症状

  • くしゃみが出る
  • 鼻水が出る
  • のどが痛くなり、声がかすれてしまう
  • 皮膚のかゆみ、荒れ

グルーアレルギーの症状は目以外に現れることもあります。しかし、医療機関を受診しても原因が判明することは極めて稀なため、体調不良がグルーアレルギーによるものだと気づく方はほとんどいません。アイラッシュ施術者としては、グルーアレルギーの症状が目元以外にも現れる可能性があることを知っておいた方が良いでしょう。

アレルギー発症後にマツエクを続けるリスク

グルーアレルギーを発症しても我慢できる程度だから、とそのままマツエクを続けてしまうと、症状が改善されるどころかますます悪化することも。ここでは、アレルギー発症後にマツエクを続けた場合、考えられるリスクをいくつかご紹介しましょう。

メイクができなくなってしまう

グルーアレルギーが酷くなると、皮膚の荒れやまぶたの腫れが悪化する可能性があります。そうなると、当然ながらメイクをいつもどおり仕上げようと思っても上手くいきません。それどころか、化粧品に含まれる成分にいつも以上に過敏になり、メイクができなくなる可能性もあるのです。

体調不良を引き起こす

アレルギー症状として、吐き気や頭痛が現れる方もいます。体調が悪くなると気分がすっきりと晴れず、日常生活に支障をきたすようになるでしょう。また、酷い場合には喘息症状を併発し、ステロイド吸入をしなければならなくなることもあるのです。

視力低下や眼病を発症することがある

アレルギーが酷くなると、目の中央にある角膜に傷がつく恐れがあります。角膜は痛みを感じやすい部分であるため、少しの傷でも強く痛みが出てしまうのです。角膜が傷つくと、治るまでコンタクトレンズの装着ができません。普段コンタクトレンズで生活している方は、非常に不便な生活を強いられるでしょう。また、視力が良い方でも角膜が傷つくことで見えにくくなったり、視界がかすんだりすることもあります。

さらに、かゆみを感じて目を強くこすってしまうと、白内障と呼ばれる病気を引き起こす可能性も。白内障は、水晶体と呼ばれるカメラのレンズに該当する部分が濁る病気です。発症後は視力が低下し、進行すると手術でしか治せなくなることもあります。

アナフィラキシーで重症化する場合も…

アレルギー症状の中で特に重篤な状態が、アナフィラキシーです。アナフィラキシーはじんましん、腫れなど軽度のものから、呼吸困難や意識障害、血圧低下など重度のものまであります。

グルーアレルギーは何日で治る?

アレルギーは一度発症すると、アレルギーの原因物質に接触するたびに症状が現れてしまうでしょう。そのため、原因物質を取り除くことで、症状を抑えていくしかありません。

ただ、症状の程度は人によってさまざま。軽度であれば、数時間で症状が治まることもあります。お客様の中には、施術後にアレルギー症状が出ても市販薬で対処している方もいるかもしれません。一方で、目やまぶたのかゆみは長引きやすく、治まるまでに数日かかることもあるようです。

サロンとしては、アレルギーの程度にかかわらず、一度症状が出た方にはマツエクをおすすめしないというのが正しい対応。とはいえ、マツエクをするかどうか最終的に判断するのはお客様なので、アレルギーを発症する可能性が高くても施術しなければならないこともあるかもしれません。そのため、アレルギー症状の程度や長引く可能性があることもお客様に説明、適切な対応ができるようにしておくことが大切です。

アレルギーを重症化させないためには?

アレルギーを重症化させないためには?

お客様のアレルギー症状を重症化させないためには、次のような対処法があります。マツエクの施術前や施術後にぜひ取り入れてみてください。

アレルギー症状が疑われる場合はすぐに病院へ

お客様が施術中や施術後に目元の違和感や体調不良を訴える場合、そのまま様子を見るのはNG。必ず病院を受診いただくようご案内しましょう。

また、アイラッシュ施術者の中には「アレルギー症状が出たらすぐにマツエクをオフしなければならない」と考える方もいますが、そうとも限りません。確かに、アレルギーの原因がエクステの素材やグルーに使われている何らかの成分であれば、すぐにオフした方が良いでしょう。しかし、グルー硬化時の揮発成分に反応しているのであれば、リムーバーの揮発成分に再び反応して症状が悪化してしまうことも。むしろ、完全硬化後に症状が治まったのであれば、そのまま様子を見た方が良い場合もあります。

マツエクによるアレルギーとして一番に疑われるのは、グルーの揮発成分であるシアノアクリレート。しかし、実際には皮膚科を受診しても原因を特定できるケースはほとんどありません。そのため、サロンではあらゆる可能性を考える必要があるでしょう。

体調を整えていただく

アレルギー全般に言えることですが、身体のコンディションが万全でない場合には、アレルギー症状が出やすくなってしまいます。

例えば、次のような条件に当てはまるお客様は、アレルギーを発症しやすい傾向にあります。

  • ピーリングや日焼けによって肌が過敏になっている
  • 生理中や妊娠中、授乳中
  • 疲れやストレスによって免疫力が一時的に低下している

そのため、施術前のカウンセリングでしっかりと体調を確認し、不安な場合には別日への振り替えも検討いただくことをおすすめします。

施術環境やお客様へのアフターケアでアレルギー対策をする

施術前や施術中にできるマツエクアレルギー対策としては、

  • 施術スペースをしっかりと換気する
  • パッチテストを行う
  • コーティング剤を塗ってグルーの揮発成分の拡散を抑える
  • 目元が乾燥している場合は肌の保護のためにワセリンを塗る

といった方法があります。

パッチテストは、新規の方やアレルギーが疑われる方、リピーターの方でグルーを変更する場合には実施しておくと安心。ただ、テストで使用するグルーは少量のため、実際の施術では症状が出てしまう方もいます。そのため、パッチテストで反応が見られなかった方でも、アレルギー対策は怠らないことが大切です。

また、グルーが完全硬化する前に水分と触れてしまうと、揮発成分が液化して肌への刺激になってしまいます。そのため、アレルギーを発症したことがあるお客様かどうかにかかわらず、完全硬化までは顔を濡らさないようにしっかりとお伝えするようにしましょう。

アレルギーリスクの低いグルーを使用する

基本的に、グルーアレルギーを完全に防げるグルーは存在しません。グルーアレルギーの原因は、主成分のシアノアクリレートだけでなく、カーボンや防腐剤などさまざまあり、どれに反応しているかは特定が難しいからです。

グルーの中では、ブチルシアノアクリレートやエトキシエチルシアノアクリレートを主成分に使用したものが比較的刺激が少ないとも言われていますが、グルーとの相性は十人十色。同じブチル系であっても、アレルギーが起こったり起こらなかったりもするのです。

そのため、アレルギーが心配な方への施術では、

  • 片目ずつ別のグルーを使用して様子を見る
  • 最初は少ない本数を装着し、少しずつ増やしていく

といった方法もおすすめです。

LEDエクステ®やまつげパーマをおすすめする

近年では、グルーアレルギーのリスクを軽減できるとしてLEDエクステ®が注目されています。これは、約2秒で完全硬化するため、目元の肌がグルーの揮発成分にさらされる時間を短縮できるから。そのため、揮発成分が原因の方には有効な方法といえそうです。

LEDでグルーを硬化させるタイプの商品の中には、シアノアクリレート未使用のものもあるため、より予防効果を高めたいなら試してみても良いかもしれません。

そして、自まつげがしっかりとある方であれば、まつげパーマをご提案してみても良いでしょう。ただし、LEDエクステ®の場合には紫外線アレルギー、まつげパーマの場合には薬剤アレルギーにも注意が必要。お客様には別のアレルギーリスクがあることもお伝えしたうえで、さまざまな選択肢から判断できるようにご案内しましょう。

アレルギーリスクの低いグルーのおすすめ2選

最後に、アレルギーリスクの低いおすすめのグルーをご紹介します。

【LashReborn】クリアエチルC-100

【LashReborn】クリアエチルC-100
出典:EYELASH GARAGE

『LashReborn(ラッシュリボーン)』の「クリアエチルC-100」は、低刺激性で話題の国産グルーです。従来のグルーは、シアノアクリレートの安定性を高めるために有機物を配合すればするほど刺激が強まるという課題を抱えていました。その点、「クリアエチルC-100」は特殊な製法によって、有機溶剤を極力使用せず安定性と低刺激性を実現。サラサラとした使いやすい粘度や、完全硬化まで最大10分という点も魅力です。

商品詳細はこちら

【TRUMP】No.8 プレミアムグルー[Level Base]

【TRUMP】No.8 プレミアムグルー[Level Base]出典:EYELASH GARAGE

カーボンアレルギーが疑われる方には、『TRUMP(トランプ)』の「No.8 プレミアムグルー[Level Base]」がおすすめ。黒色グルーではありますが色素にカーボンを採用せず、その他の不純物も極力カット。速乾性や使いやすいテクスチャーを叶えながらも、安全性の高いグルーとして人気です。

商品詳細はこちら

まとめ

マツエクを付けた状態に慣れてしまった方は、マツエクをオフして日常生活を送ることに抵抗を覚えることがあります。そのため、少々のアレルギー症状は我慢してでも施術して欲しい、と考える方も少なくありません。しかし、カウンセリングの際にアレルギー症状が疑われる、または発症する可能性が高いお客様は、ときに施術をお断りするという決断も必要です。アイラッシュ施術者が美しいマツエクを施術するためには、お客様の健康が必要不可欠である、ということを忘れずにいたいものです。

この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

190521Eco 230902Esa

この記事をシェアする