『どんなデザインが似合うかわからない…』イメージがない方への提案の仕方をマスターせよ
初めてマツエクの施術を受けられるお客様から、「どんなデザインにしたいかわからない」と相談されるケースも多いですよね。そんなとき、みなさんはどのような提案を心掛けていますか?初めて担当するお客様だと、アイリストにとってもデザイン提案の難易度が上がりますよね。しかし、初対面の人にも戸惑うことなくデザインを提案でき、かつ満足してもらえるスキルが身に付けば、「毎回同じデザインだから、なんとなくデザインを変えてみたい」という常連のお客様のご要望にも自信を持って応えられるはず。そこで今回は、なりたいイメージが定まっていないお客様へのデザイン提案の方法とコツについて、一緒に学んでいきましょう。
ステップ1:まずは普段のメイクを聞いてみよう!
最初に知っておきたい情報は、お客様が普段どのようなメイクを好まれているかという点です。
しかし多くのサロンでは、マツエク施術時に薄いメイクで来店してもらったり、そもそもメイク自体を控えてもらうようお願いしていますよね。そのため、服装や髪型の雰囲気から察するだけでなく、直接お客様へ普段のメイクについてヒアリングを行う必要があります。確認したい内容は、主に以下の4点。
◆ビューラーはしますか?
◆マスカラは塗りますか?
◆アイライナーはどのように引きますか?
◆全体的にどのようなメイクを意識していますか?
これらの確認内容から、どのようなことが汲み取れるのでしょうか。
1.ビューラーはしますか?
想定できる回答は、大きく分けて3パターン。
- ビューラーを全くしない
- 1回程度のビューラーでゆるくカールさせている
- 何度もビューラーをしてしっかりとカールさせている
このようにビューラーの使用頻度をヒアリングすることにより、お客様が理想とするカールの目安がわかります。ビューラーを全くしないお客様にはJカール、ゆるめのカールを好まれるお客様にはJカールもしくはCカール、しっかりめのカールが好きなお客様にはCカールやCCカールが提案できそうですよね。
2.マスカラは塗りますか?
こちらも大きく分けて3パターンの回答が予測できます。
- マスカラをまったく塗らない
- マスカラ1度塗り程度
- マスカラ下地を使った上で何度もマスカラを塗り重ねている
この質問では、エクステの太さや長さ、本数が絞れます。
マスカラを全く塗らない方は、自まつげに近い0.12mmの太さを選び、本数も80本~100本あたりの控えめが好まれるでしょう。長さは9mm程度だとナチュラルに仕上がります。次に、1回塗り程度のマスカラを好まれる方であれば、太さは先ほどと同じく自まつげに近い0.12mmを選び、100~120本程度をご提案。普段のマスカラが「ロングタイプ」のお客様には、少し長めの10~11mm程度を提案できそうです。
そしてマスカラを何度も重ね、ボリューミーなアイメイクを意識されているお客様であれば、0.12~0.16mm程度の少し太めの毛を120~160本程度でご提案したいですね。先ほどと同じく、「ロングタイプ」のマスカラを使われているお客様には、10~11mmの長さをピックアップしても良さそうです。
3.アイライナーはどのように引きますか?
- アイライナーは人によって大きく引き方が異なります。
- 目尻部分だけ下向きにラインを引き、タレ目っぽく見せている人
- 目頭を中心にラインを引き、離れ目をカバーしている人
- 目頭から目尻まで引き、目力をアップさせている人
- 目尻のラインを上向きに引き、クールなイメージにしている人 など
上記のように、さまざまな回答が得られるでしょう。また、ペンシルタイプやリキッドタイプなど、種類の違いによって大きく印象が変わることもあります。
そんなアイライナーの印象からは、希望する本数やデザインが絞れます。
お客様が重点的にアイライナーを引いている部分は、マツエクでもボリュームが欲しい部分。たとえば「目尻部分だけ下向きにラインを引き、タレ目っぽく見せている人」であれば、マツエクも目尻にかけて長さを出し、タレ目デザインに仕上げると満足してもらえそうです。
また、アイライナーが濃いお客様は本数多め、アイライナーが薄いお客様には本数が少なめだと判断できます。
いかがでしょうか。少しずつ、目指す方向性が見えてきましたよね。このように、まずはお客様の好みを知ることが大切です。
ただし、「普段は面倒でマスカラやアイライナーは使わないんだけど…本当はこんな目元になりたい」というケースも考えられるため、普段のメイクはあくまでも参考として、丁寧にヒアリングを行いましょう。
ステップ2:お持ちのイメージはありますか?
最初に普段のお客様のメイクについて、情報を集めました。しかし、中には「せっかくマツエクを付けるのに、普段と変わらないなんてもったいない」「マツエクでイメチェンしたい」と考えるお客様もいます。また、あまりアイメイクにこだわりのないお客様の場合、メイクだけでは好みのデザインを絞り切れない場合もあるでしょう。
例えばアイライン。先ほど、さまざまな回答パターンを紹介しましたが、そもそも「アイラインで目の印象を変えるテクニックを知らない」お客様も意外と多いですよね。アイライン=目の幅に合わせて引くものだと認識している場合、お客様自身が“自分好み”の目元をアイラインで表現しているわけではないため、アイリストが“お客様の好み”をメイクから察することは難しいでしょう。
それはつまり、普段のメイクに合わせるだけで満足してもらうには、限度があるということ。
そこで次のステップとして、お客様がマツエクに何を求めているのかを知る工程に進みましょう。
- あまり目立たないようにしたい
- パッチリした目になりたい
- バサバサするぐらいボリュームが欲しい
- 普段のメイクが時短できるぐらいにしたい
- すっぴんに合う方がうれしい など
など、お客様のイメージをなんとなくでも聞けるだけで、また提案するデザインが変わってくるはずです。
例えば、先ほどの「普段どのようなメイクを好まれているか」という質問で「ほとんどアイメイクをしない」と回答されたとします。そうすると、ナチュラルデザインで太さ・長さは自まつげに近いもの。カールはJカール程度の控えめタイプで、本数は80~100本程度を頭に思い描くアイリストも多いはず。しかし、次の質問で
「パッチリとした目になりたい」
という漠然としたイメージが引き出せたとします。すると、いかがでしょうか?先に思い浮かべていたデザインでは、お客様のイメージとは少しズレが生じることが分かりますよね。
このように普段のメイクと理想のイメージの情報を掛け合わせると、太さや長さは自まつげに近いエクステを選ぶ点は変わらないものの、カールはCカールやCCカールなどのしっかりしたタイプが好まれることが予想できます。本数も100~120本程度だと、パッチリとしたイメージに近付きそうですね。
ステップ3:実際に目で見て確認!
最後に、お客様とイメージのすり合わせを行いましょう。「しっかりヒアリングしたから大丈夫」と自信があったとしても、実は汲み取りきれていない情報があり、お客様の好まれるデザインと違う仕上がりになるケースも少なくありません。
イメージのすり合わせには、デザイン例がいくつか必要です。イメージしているデザインの写真を実際にご覧いただき、
「このようなお仕上がりが、お客様の雰囲気によく似合っていらっしゃるかと思うのですが、いかがでしょうか。」
などとお声掛けすると、お客様としてもこれからどのような目元に仕上がるのかイメージしやすく、自分の好みに合っているのか、それとも少しズレがあるのかを施術前に知ることができるでしょう。デザインブックやiPadなどのタブレット端末を活用し、デザイン画像を自由にご覧いただける環境を整えておくとお客様から喜ばれそうですね。
このとき、デザイン例は1つだけではなく、いくつか見ていただくことも大切!
「この仕上がりは好きだけれど、こっちは好きじゃないかも」
などと、NG例を教えてもらいやすくなります。
例えば、先ほどの「普段ほとんどアイメイクはしないけれど、マツエクではパッチリした目元にしてほしい」と言われたお客様の場合。本数カールの角度も確認していただきつつ、「キュートデザイン」が好まれるのか、「ナチュラルデザイン」が好まれるのか、はたまた「タレ目デザイン」が好まれるのかなどを、確認する必要がありますよね。この場合、「ナチュラル」「キュート」「タレ目」の3パターンからまずはデザインを絞っていただき、次に濃さやカールの強さについても画像で見ていただくと安心できるでしょう。
また、どうしてもイメージが分からなかったり、迷われたりするお客様には、最終手段として実際に5~10本程度施術を行い、ご自身の目に合うデザインかどうかを確認してもらうことも1つのアイデアです。特にマツエク自体が初めてのお客様にとっては、全くイメージが湧かないケースも珍しくありません。しかし実際に装着することで、すぐに好みのデザインが決まったりもします。さらに、実際に装着した状態で確認してもらっているため、仕上がり後のイメージ違いは起こりにくいでしょう。その分、施術に時間がかかってしまいますが、“初めてマツエクを付けるお客様の満足度アップ”を考えると必要な工程と言えます。初回施術でイメージ通りの目元が叶えば、次回も継続してマツエクにチャレンジしてくれるのではないでしょうか。ぜひ取り入れてみてください。
まとめ
イメージのないお客様にも満足してもらえる、デザイン提案の方法とコツについて紹介してきました。まずはお客様の“今”を知ること。そしてマツエクへの“期待”が何かを知ることで、お客様にとっての理想のデザインが見えてくるはずです。また最近では、提案力を格段にアップできる「アイラインエクステ」という最新技術も登場しています。「アイラインエクステ」は、無料でセッションを受講することができるので、ヒアリング力・提案力・技術力を向上させたい人は、ぜひチェックしてみてください。【リライト】190930Euk