「手指消毒の流れ」を動画で学ぶ!衛生管理を徹底して清潔な手で施術を
お客様へ接するにあたり欠かせない衛生管理の基本「手指消毒」。あなたのサロンではどのような流れで行っていますか?本記事では、「念には念を」といった意識で実施したい手指消毒の方法を動画で分かりやすくご紹介していきます。サロンによって手順は少々異なるかもしれませんが、復習の意味も込めてぜひご確認ください。手指消毒の目的もあわせておさらいしていきましょう。
衛生管理の基本!手指消毒とは?
お客様に接する前の手指消毒は欠かせないステップ。しかし、どうして手指消毒が必要なのか、本来の目的を忘れてなんとなく流れで行っている…という方もいるかもしれません。まずは衛生管理の基本である手指消毒の意義を再確認していきましょう。
手指消毒の目的
手指消毒の目的は大きく3つあります。
<手指消毒の目的>
- 細菌による感染を予防する
- ウイルスによる感染を予防する
- お客様に「安全」を提供する
私たちの手には、ウイルスや細菌が付着しています。知らず知らずのうちにインフルエンザや風邪、体調不良の原因となるウイルスや細菌を、施術を通して媒介してしまう可能性も十分ありえます。一見、目には見えませんが、ドライアイや目の周りの傷などに入ると、さまざまな病気やトラブルを引き起こす細菌も存在しています。ウイルス感染症や細菌性の感染症を防ぐために、手指消毒でお客様に触れる手を清潔にすることは大変重要です。
さらに、お客様の衛生面に対する不安を解消するためにも手指消毒は大切。マツエクやマツパで、お客様はデリケートな目元をアイラッシュ施術者へ預けることとなります。「このサロンの衛生面は大丈夫かな?この施術者に任せて良いかな?」といった不安を感じることなく、安心して施術を受けていただくためにも手指消毒を徹底しましょう。
もしも手指消毒を怠ったらどうなるの…?
手指消毒を徹底しなかった場合のリスクも知っておきましょう。
<手指消毒を怠った場合のリスク>
- マツエクやマツパ施術後に目の感染症を発症するかもしれない
- ウイルス性感染症を広げてしまうかもしれない
- 衛生管理におけるサロンの信頼を失う
- 施術者自身が感染してしまうかもしれない
手指消毒を怠たると、ウイルスや細菌による感染症をお客様が発症してしまうかもしれません。細菌による感染症の例としては、眼瞼炎(がんけんえん)や細菌性結膜炎などが挙げられます。細菌性結膜炎は「黄色ブドウ球菌」といった細菌が原因で結膜に炎症が生じ、目ヤニや目の充血といった症状が見られる病気です。ウイルスによる感染症の例としては、インフルエンザや風邪、目の病気としてウイルス性結膜炎などが挙げられます。ウイルス性結膜炎は主に「アデノウイルス」が原因といわれ、目が充血する、ゴロゴロする、といった症状が代表的です。ウイルス性結膜炎は感染力が強いため注意が必要です。
目の病気は完治するまでにまとまった時間が必要となり、治療費もかかります。最悪のケースでは失明につながる病気もあるため、細心の注意を払いましょう。施術後にこういった症状がお客様に出てしまうと、お客様からのサロンの信頼が急落してしまう可能性も。施術者自身が感染してしまう恐れも十分あります。手指消毒とは、これらの感染症のリスクを下げることができる優れた手段なのです。
手指消毒の基本の方法と手順を確認!
感染のリスクを抑え、ウイルスや細菌からお客様と自分自身を守るために、手を清潔に保つことが大切です。手を清潔にするための方法は、3種類あるので、手順とともに簡単にご紹介していきましょう。
1:スクラブ法(洗浄法)
洗浄剤が配合された手洗い用の消毒液を使用し、よく泡立てて手を擦り、水で洗い流す方法です。この方法は洗浄と消毒が同時に行えることがメリット。業務前と終業後に必ず行いましょう。また、トイレで施術から外れたときや、施術前、施術後にも行います。
2:ラビング法(擦式法)
アルコール擦式製剤を手に取り、乾燥するまで手指に丁寧に擦り込む方法です。厚生労働省によると、濃度70%以上95%以下のエタノールを用いることが望ましいとされています。簡単に行えることがメリットで、施術と施術の合間や、手を洗いに行けないケースで効果的な方法です。
3:スワブ法(清拭法)
アルコール消毒液を染み込ませたガーゼや綿球などで手指を拭き取る方法です。消毒液をガーゼ類にたっぷりと染み込ませることがポイント。また、皮膚を消毒薬に一定時間以上接触させることも重要です。サロンでは施術直前に実施します。
手指消毒は、目に見える汚れが付着している場合や、トイレに行った場合などはスクラブ法(洗浄法)を優先して行いましょう。忘れがちな爪の間までしっかりと洗浄します。その後、消毒液で手全体を消毒。施術に入る直前などはスワブ法で入念に手指消毒をしましょう。
サロンで役立つ手指消毒法として、ここからはスワブ法(清拭法)の手順をより詳しくご紹介していきます。
【動画解説】手指消毒の流れを動画で解説
スワブ法(清拭法)での手指消毒の流れはこちらです。動画で手順を分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
<手指消毒の流れ>
- 事前準備として、ワゴンなどにあらかじめゴミ袋を取り付けておく
- コットンにアルコールをたっぷりと含ませ、手指消毒を開始する
- 手のひら、手の甲、指の間、爪の間、手首をコットンで丁寧に擦って消毒する
- 手指消毒が終わったら、コットンをゴミ袋に入れて完了
手指消毒は、施術直前の実施がマストです。ちょっとした用事でお客様の前を離れることがあれば、そのたびに行いましょう。施術直前にすぐに実施できるよう、ワゴンなどにあらかじめ消毒セットを準備しておくのがおすすめです。清潔な手で他の場所を触る必要がないように、ごみ袋などもあらかじめ取り付けておき、使用したコットンは捨てるだけの状態にしておくと良いですね。
前項のスワブ法(清拭法)の説明でも触れましたが、コットンにアルコール消毒液をたっぷりと含ませることが重要。手のひら、手の甲と広いパーツを消毒したら、指の間や爪の間、手首といった細かな部分まで丁寧に擦って消毒していきます。手指消毒で特に忘れがちなパーツは爪の間なので、気を配りましょう。
また手指を衛生に保つため、ブレスレットや時計、指輪などの着用はできるだけ控えるのが理想です。中には、着用OKのサロンもあるかと思いますが、アクセサリーをしている部分には消毒液が行き届かず、細菌繁殖の温床になってしまう恐れも…。そのため、時計や指輪をずらして拭くなど入念に消毒を行うことが重要です。左右の手を丁寧に消毒したら、コットンを捨てて完了。余計なものは触らずに施術に移りましょう。
コロナ禍で消毒方法が厳しくなったかというと、決してそうではなく、コロナ前も今もすべきことは変わっていません。手指消毒は毎日頻繁に行うことなので、忙しいと丁寧さが欠けてしまうこともあるでしょう。しかし手指消毒は基本中の基本。常に意識を高く持ち、徹底していきたいですね。手指消毒の方法の選択は適切か、頻度は十分か、正しい手順で丁寧に行えているか、これらもきちんと確認してみてくださいね。スワブ法(清拭法)の場合は動画のように入念に実施できると安心です。
手指消毒の目的を理解して正しい手順で
ウイルスや細菌による感染症のリスクを抑える手指消毒は、怠るとお客様へつらい思いをさせてしまう可能性があり、サロンの信頼にも関わります。もちろん施術者自身への感染も防ぐことができます。衛生管理の基本である手指消毒は、ただやれば良いというわけではなく、適切な頻度で正しい方法で行うことが重要。スワブ法は、ぜひ動画を参考に手順を確認してみてください。手元の衛生管理を徹底して、お客様に安心して来店いただけるサロンを目指し続けましょう。220630Esm