グルーが乾いた後の「洗顔」を工夫するだけでマツエクの持ちがよくなる!?
お客様に『グルーが乾くまで濡らさないでください』とお伝えすることは、アイリストとして当然ですよね。しかし、乾いた後の洗顔法まできちんとレクチャーできていますか?施術後初めての洗顔は、マツエクの持続力に大きく影響します。詳しい洗顔法や注意点をしっかり理解して、お客様へご説明できるようにしましょう。
施術後何時間したらグルーは乾くの?洗顔はいつからOK?
使用するグルーによっても異なりますが、一般的にはマツエクの施術後「最低5時間、できれば24時間は顔を濡らさないでください」とご案内しますよね。この時間設定は、何が根拠か知っているでしょうか。
まずは、マツエク用のグルーが硬化するメカニズムについて、おさらいしておきましょう。グルーの主成分は、有機化合物の「シアノアクリレート」です。水分と反応すると、シアノアクリレート同士がだんだんくっ付いて行きます。この反応は「重合」と呼ばれ、グルーの硬化が進む要因です。
グルーが硬化するためには、空気中にあるわずかな水分だけで十分。必要以上の水分と反応すれば、グルーの成分が変質して硬化が妨げられることがあります。また、グルーが乾くときに発生する「ホルムアルデヒド」という刺激性の気体が水に溶け、皮膚や目に付着して炎症を起こす危険もアップ。さらに、硬化前に過剰な水分が反応することで起こる「白化現象」のリスクも高まります。
さて、施術後、何時間で洗顔できるようになるかについて、話を戻しましょう。
まず、5時間というのは、グルーの「表面」が乾くまでの時間。この5時間が経過するまでに目元を触ってしまうと、マツエクの向きが変わったり、根元浮きの原因になったりするのです。
また、24時間というのは、「内部」までグルーが完全に硬化するために掛かる時間。この24時間を過ぎてから洗顔する方が、マツエクの持続力は高くなります。また、アレルギーのリスクや白化現象の発生率も低くなるようです。
ベストなのは、洗顔やシャワーを済ませてからご来店いただくこと。こちらは、夕方以降のご予約や、施術後にご予定のないお客様であれば、予約時点でご案内できますね。
次に良いのは、施術前にサロンで洗顔していただくこと。また、施術後しばらくは目元の水濡れを避けるためにも、シャワーや入浴は翌日の朝以降のご案内がベターです。
どちらも難しいお客様には、最低5時間後からの洗顔をご案内しましょう。このとき、洗顔にかける時間は極力短くして、洗顔後はドライヤーの冷風で少し遠目に目元を乾かすようにご説明してください。
ここまでお伝えしたように、施術後の洗顔はマツエクの持続力やトラブルにも影響する重要なポイント。そのため、ついついご案内にも熱が入りがちですよね。アイリストから、「施術後初めての洗顔は慎重に!」と言われると、特にご新規様は洗顔に不安を感じられるかもしれません。
では、そのようなお客様へは、洗顔法をどのようにご案内すれば良いのでしょうか?
洗顔するのがこわい!どうやって洗ったら良いの?
アフターフォローを終えた後で、お客様から「洗顔するのがこわい……」と相談される場合もあるでしょう。お客様の不安を少しでも軽くするために、アイリストとして何をポイントにご説明すれば良いか、知りたいところですよね。そこで、洗顔料の選び方や正しい洗い方について、まとめました。
<洗顔料の選び方>
マツエクの持続力を高めるためには、洗顔料選びも重要。おすすめは、オイルフリーのタイプです。
泡フォームのように、もともと泡で出るタイプの洗顔料は、油分が含まれているものがほとんど。洗顔料に含まれる油分は分子が細かいため、グルーの油分を分解して、硬化を妨げてしまいます。そのため、油分が入っている洗顔料は避けた方が良いのです。
お客様から「おすすめの洗顔料は?」と聞かれることもあるかもしませんね。ここは、店舗内販売(店販)しているアイテムをおすすめするチャンス!洗顔と同じで、毎日のスキンケアに欠かせない、クレンジング剤についてもご紹介したいですね。
▼アイリストに人気のクレンジング剤については、こちらの記事をご参照ください。
<正しい洗い方>
洗顔法は「やさしく」が鉄則!目元をゴシゴシとこすり洗いすることは、マツエクにダメージを与えるため、絶対にNGです。
下記の流れにしたがって、正しく洗顔してもらいましょう。
2.泡を目元に当てて、まつげの流れに沿って上から下へやさしく泡を転がす
3.根元のグルーが剥がれてしまうため、横方向にはこすらない
4.手でお湯をすくって、やさしく洗い流す
5.キメの細かいタオルやティッシュで、まぶたの上からやさしく水分を拭き取る
6.ドライヤーの冷風で水分を完全に乾かす
ご説明時には、身振り手振りを交えたり、実際に泡立てた洗顔料を使って人形でデモンストレーションをしたりすることも良いかもしれませんね。
洗顔後のふき取りも大事なポイント。マツエクは、タオルの繊維に引っかかりやすいため、「上からそっと押さえるイメージ」とお伝えしましょう。
お客様のどんな小さなお悩みもしっかりと受け止め、丁寧にご案内するように心掛けたいですね。
シャワーで流すのはなぜいけない?
アフターフォローのときは、「シャワーを直接顔に当てないでください」というご案内もしますよね。お客様へ、きちんと理由も添えてお伝えできていますか?
施術後に、顔をシャワーで流してはいけない理由を、2つご説明します。
1つめは、マツエクが取れやすくなるためです。体ではあまり感じませんが、マツエクにとって、シャワーの水圧はかなり強いもの。装着した日にマツエクが外れてしまっては、持続力以前の問題です。
2つめは、マツエクの方向が変わるため。「美しい仕上がりに満足してサロンを出たはずが、シャワー後に鏡を見たら悲惨なことに……」という事態は、絶対に防ぎたいですよね。
<シャワー時の注意点>
では、シャワーを使うときは、どうすれば良いのでしょうか?
1番のポイントは、シャワーを直接かけるのではなく、手の平か洗面器に溜めたお湯で、顔をやさしく洗い流すこと。ただし、洗顔料が残らないようにしてください。洗い残しがあると、マツエクにダメージを与えるためです。
「こうしてはダメ!」という単なる注意よりも、イメージが湧きやすいようにお伝えすることが大切。アドバイスを守らないとどうなるかを知れば、お客様も「洗顔のとき気を付けよう!」と、より強く思ってくださるかもしれません。
アドバイスどおりに洗顔をして、「モチが良かった!」とお客様に感じていただけたら、嬉しいですよね。アイリストやサロンへの信頼度も高まるでしょう。
まとめ
施術後の洗顔を工夫すると、マツエクの持続力が良くなることをお伝えして来ました。
洗顔までにかかる時間は、グルーの硬化が関係しています。施術後初めての洗顔は、グルーが完全に硬化する24時間後が理想的。それが難しい場合は、グルーの表面が固まる、施術から5時間後とご案内しましょう。
また、洗顔はオイルフリーの洗顔料で「やさしく」が鉄則!マツエクがタオルの繊維にからまらないよう、そっと押さえながら拭き取ることもポイントです。
さらに、シャワーで顔に水をかけないことも大切。マツエクに水圧をかけて、ダメージを与えないようにしましょう。
アイリストとしては、美しい仕上がりを長く楽しんでいただきたいもの。お客様の納得感を高めるためにも、理由を添えて、詳しい洗顔法や注意点などをしっかりお伝えしたいですね。
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