知っておきたい提案知識!「一人ひとりに合う長さの提案」チェックすべきポイントとは
マツエクの仕上がりを左右する「長さ」について、どのように提案していますか?お客様から長さに対する要望を聞き、そのまま装着している人は要注意。お客様の顔の大きさや目の形、自まつげの状態はさまざまなため、一人ひとりに最適な長さを提案しなくてはなりません。今回は、全てのアイリストが避けては通れない「長さの提案テクニック」について学んでいきましょう。
パターン① 仕上がりから考える
長さの提案は、お客様が「どのような仕上がりを求めるか」についてお聞きするところから始まります。時には、まだ漠然としたイメージしかなく、「お任せでお願いします」と言われることもあるでしょう。ただ、お客様の求める仕上がりは、デザインを考える上ではベースとなる大事な部分。
アイリストは、
「普段、どのようなメイクがお好きでしょうか?」
「好きな芸能人はいらっしゃいますか?」
「ナチュラルな雰囲気と、華やかな雰囲気ではどちらがお好きでしょうか?」
といったようにさまざまな質問を投げかけることで、お客様が潜在的に求めている理想のイメージまで引き出さなくてはなりません。
なかなか、求めるイメージが定まらないお客様に対しては、アイリスト目線から「似合う長さ」を提案してあげましょう。その方の顔や目の特徴、メイクやファッションの雰囲気などをチェックすることで、自然とその方に合った長さがイメージ出来るはずです。客観的な見た目は、なかなか自分では気づきにくいもの。お客様からの一方的な要望だけではなく、アイリスト側からも積極的に提案を投げかけてあげるといいですね。
さて、ここからは次の2つの視点に沿って、長さを決める際の気をつけるべきポイントを見ていきましょう。
① 顔のトータルバランスから考える!
まずは、お客様の第一印象から、顔立ちの雰囲気を見てみましょう。メイクやファッションの傾向も見つつ、その方の顔の雰囲気に合った長さをイメージします。
このときのポイントは、「顔のサイズとのバランス」。同じ長さのエクステを使ったとしても、顔のサイズによっては見え方に差が生まれます。例えば、顔が小さいお客様の場合は、顔全体の中で目の存在感が強く出てしまいがち。長いエクステを付けると、想像していたよりもまつげが目立ってしまうこともあります。この場合は、普段よりもやや短めのエクステをつけてあげるといいでしょう。
② 目元の特徴から考える!
顔のトータルバランスからある程度の長さのイメージが掴めたら、次は目元のバランスに当てはめて考えていきます。
自まつげの特徴
まずは、「自まつげの特徴」。自まつげの長さやクセによって、装着できる長さも左右されますよね。お客様の好みにもよりますが、自まつげに負担がかからない長さで決めてあげましょう。
ただ、一重、または奥二重の方は、まぶたの厚みがまつげの根元に覆いかぶさることで、想定よりも短く見えてしまうことがあります。その場合は、1~2mm程度長めのエクステをつけてあげるとちょうどいいですね。
目の形の特徴
目の左右差があるお客様の場合は、対象に見えるように片方のエクステを長くしてあげましょう。あまり長くし過ぎると、角度が非対称になってしまうこともあるので、正面からこまめにバランスを見つつ、調整するようにしてくださいね。
▼まぶたの形別のデザイン提案はこちらもチェック!
https://www.beaute-p.com/wp/eyelist/3320/
▼目の左右差についてはこちらもチェック!
https://www.beaute-p.com/wp/eyelist/3349/
眼鏡の習慣の有無
長さのあるエクステを望まれる方の場合、眼鏡をかける習慣があるかどうかも、かなり重要なポイント。長いエクステをつけると、毛先が眼鏡のレンズに当たってしまうことがあります。エクステが眼鏡に頻繁に触れるようになると、お客様自身が気になるだけでなく、モチが悪くなったり、ばらつきが出やすくなったりします。来店時に眼鏡をかけておられなかったとしても、「普段、眼鏡をかけられますか?」と必ず確認するようにしましょう。
ただ、お客様の中には、「眼鏡に当たるのは避けたい…でも長いエクステをつけたい」と悩む方もおられますよね。そのような方には、「長さは変えずにカールを強くする」または「短めのエクステをつける」の2択から選んでいただくこともできます。どちらを選ぶにしても、当初の仕上がりイメージから変わってしまうため、しっかりと事前に納得いただいてから施術に入るようにしましょう。
▼【参考】メーカーによる長さの違いについてもチェック!
パターン② 自まつげの状態から考える
長さを決めるとき、仕上がりにばかり気を取られてはいけません。長いエクステをつけるということは、それだけ自まつげに対して重みが増し、負担がかかるということ。いくら長めのエクステを望まれたとしても、自まつげがエクステの重みに耐えられないようであれば、アイリストとしてお断りすることも必要となるでしょう。いくらお客様の要望に応えたいからといって、細く弱い自まつげに必要以上の負担をかけることは避けなければいけません。お断りする際には、「なぜできないのか」をしっかりとご説明した上で、まつげ美容液による自まつげケアをおすすめしてみましょう。
また、自まつげケア以外にも、次のような接着方法によって対応するという方法もあります。
・長さの違うエクステをミックスさせる
このような方法であれば、自まつげに負担をかけることなく長さを楽しむことができるため、お客様の要望を出来る限り満たすことができますね。また、最近では「アウトラインがピシッと揃った人工的なマツエクが苦手」「自まつげのようなナチュラル感がいい」と言われる方もいます。そのようなお客様には、あえて長さをミックスさせてアウトラインを揃えず、ラフな仕上がりにするという方法もいいでしょう。
ところで、みなさんはカウンセリングの際に「目を触るクセがあって…」と言われたことはありませんか?自まつげへの刺激にもなり得るこの習慣、マツエクをする女性には特に多いですよね。中でも、目頭や目尻はつい触ってしまうことの多い部分です。
言うまでもなく、刺激に弱いマツエクにとって頻繁に触ることは、「とれやすくなる」「ばらつきがちになる」などの影響を及ぼします。特に、長さのあるエクステをつけている状態だと、自まつげから離れている部分が大きく不安定になりやすいため、少しの刺激でとれてしまうでしょう。
このような習慣を持つお客様には、触ることの多い部分の長さを短くするデザインがおすすめ。もし、モチを重視するお客様であれば、ぜひ提案してあげましょう。
優先すべきはどっち?
ここまで、長さ提案のポイントを「仕上がり」「自まつげの状態」の2つの観点から解説しました。お客様に満足していただけるデザインを目指すのであれば、どちらも欠かせない大切なポイントです。
ただし、みなさんも日々痛感しているように、2つのポイントの両方を満たすことは難しいですよね。仕上がりを重視すれば自まつげに負担がかかりすぎてしまい、自まつげの状態を重視すればお客様の求める仕上がりに対応できません。アイリストにとって悩ましいこの2択、果たしてどちらを選べばいいのでしょうか?
アイリストとしては、「自まつげの状態」を優先させる方が正しいと言えるでしょう。これまでもBeautéで取り上げてきましたが、自まつげというのはマツエクにとって何よりも優先させなくてはならない大切な土台部分。マツエクを長く楽しんでいただくためには、お客様の要望をお断りすることになっても、守りたいものです。
まずは、自まつげに負担の少ない長さを提案することが第一優先。その長さでは物足りないといわれる方に対しては、先程もお伝えしたような「自まつげ育成」「短めのエクステをつける」などの対応をとりましょう。
例え、自まつげの状態によって長いエクステを諦めてもらうことになったとしても、この先ずっと出来ないとは限りません。いつか、お客様が長めのエクステを楽しめるときがくるよう、継続的にサポートしていけるアイリストを目指しましょう。
まとめ
今回は、デザイン提案の中でも「長さ」に着目して、解説しました。
マツエクの長さは、仕上がりの雰囲気にも影響が出やすい要素。お客様の理想を重視したい一方で、自まつげに負担をかけるほどの長さは避けなければならないのが、提案の難しさでもあります。アイリストとしては、お客様の要望に沿った長さを見極めるスキルももちろん必要。さらに、自まつげの状態によって長さを諦めなくてはならないとき、お客様に納得のいく説明ができる対応力も必要となります。常に、お客様の自まつげの将来を見据えた長さの判断ができる、そんなアイリストを目指していきたいですね。180622Esa