眉毛アートとは?タトゥーとは違う?基礎知識やメリット・デメリットを解説
眉毛アートとは、素顔に自信を持ちたい方におすすめのアートメイクのひとつです。一言で眉毛アートといっても、技法によって施術方法や仕上がりは異なります。そこで今回は、眉毛アートの基礎知識やメリット・デメリットを紹介。タトゥーとの違いやトレンドなど、眉毛アートを徹底解説します。眉毛の悩みを抱える方だけでなく、アートメイク施術者を目指すなら知っておきたい情報をお届けするので、ぜひお役立てください。
眉毛アートとは|基礎知識を紹介
さっそく眉毛アートについて解説します。まずは、眉毛アートとはどういったものなのか、その基礎知識をチェックしていきましょう。
眉毛アートの定義と特徴
眉毛アートとは、眉に施す「アートメイク」を指します。アートメイクは、皮膚の深さ0.04~0.2mmほどのごく浅い部分に色素を注入する施術です。注入した色素は、こすれたり水に濡れたりしても落ちません。そのため、眉毛をはじめとするさまざまなパーツで施術が行われています。なかでも眉毛アートでは、自然な毛流れを表現したメイクが可能です。
また、アートメイクは医療行為であり、施術できるのは医師とその指示を受けた看護師に限られます。
入れ墨との違い
眉毛アートと眉タトゥーは、同じではありません。アートメイクとタトゥー、いわゆる入れ墨との違いは、色素を入れる皮膚組織の部位にあります。アートメイクで色素を注入するのは表皮ですが、入れ墨の場合は、皮膚の奥深くにある真皮層です。真皮はターンオーバーによる影響を受けないため、入れ墨で皮膚に注入した色素は、半永久的に残ります。一方アートメイクでは、肌のターンオーバーにより、色素が徐々に排出されるのが特徴です。そのため、アートメイクを長期間維持するには、定期的なリタッチを要します。
アートメイクの種類と適用部位
アートメイクで表現できるのは、整った眉毛だけではありません。以下のパーツの施術も可能です。
- 眉毛
- アイライン
- ヘアライン
- 唇
- ほくろ
アートメイクと聞くと、眉毛アートをイメージする方も多いでしょう。しかしその他にも、アイラインやヘアラインといった、眉毛と同じく繊細な毛流れを表現するものがあります。さらには、リップやほくろといった、理想の顔を表現するためのアートメイクがあるのです。
眉毛アートとは|施術方法や所要時間をチェック
次に、眉毛アートの施術内容や所要時間をチェックしていきましょう。ここでは、施術の流れや使用器具に加え、治療時の痛みや麻酔について解説します。
施術の流れと所要時間
眉毛アートにおける施術の流れを以下にまとめました。
1.カウンセリングと問診
2.デザインの決定
3.麻酔の塗布
4.施術により色素を注入
5.クーリング
まずはカウンセリングにより、施術者と患者のイメージのすり合わせを行います。また、眉毛アートは医療行為のため、医師による問診が必須です。続いて、眉毛の形や色といったデザインを決定しましょう。麻酔を塗布したら、いよいよ施術開始です。色素を注入したら、クーリングを行って施術終了となります。
所要時間は治療内容にもよりますが、施術自体が30~60分、カウンセリングを含めて60~90分ほどです。
使用される色素と器具
眉毛アートで使用される色素と器具は、医薬品医療機器等法で承認されていないため、現在国内で使用が認められているアートメイク用の医療機器はありません。未承認医薬品等に当たることから、医師の責任のもと、欧米などの専門機関で認可されている色素や器具を使用しているクリニックが見られます。海外の専門機関としては、食品・医薬品の安全性を審査する米国食品医薬品局FDAや、欧州医薬品庁EMAなどが一般的です。
また、諸外国においてアートメイクは医療行為ではありません。そのため、アートメイクは他の医療行為に比べまだ研究の進んでいない分野です。したがって、アレルギー反応や皮膚・目に関する障害といった重大な副作用が生じる可能性も否定できません。過去には、MRI検査での皮膚熱傷が報告されています。
なお、施術方法によって使用する器具は同じではありません。手彫りの場合、先端が針になっているペン型の器具を使い、繊細な毛流れを表現します。使い捨てのため、衛生的に使用できるのがポイントです。また、先端に針を付けた専用マシンを使った機械彫りもあります。肌にマシンで点状に穴を空け色素を注入することで、パウダーでメイクしたような均一な仕上がりになるのが特徴です。
痛みや麻酔について
眉毛アートは、アートメイクのなかでも痛みが小さいといわれています。とはいえ、肌に針を刺すことから、痛みが全くないわけではありません。毛抜きで眉毛を抜くような、チクチクとした痛みを感じることもあるでしょう。痛みを強く感じる場合には、麻酔を使用します。眉毛アートを行うクリニックでは、皮膚に塗るタイプの麻酔を使用するのが一般的です。麻酔後も痛みを感じる場合は、量を調節するといった対応も可能でしょう。
眉毛アートとは|メリットとデメリットはある?
眉毛アートにはメリットとデメリットがあります。アートメイクを眉に施すうえで、重要なポイントであるため、メリットと併せてデメリットもしっかり確認しておきましょう。
メリット|時短やメイクレス効果
眉毛アートを施した顔は、メイク時はもちろん、ノーメイクでも印象がぼやけません。そのため、素顔に自信を持てるようになるでしょう。目元の見た目は、人の印象を大きく左右することから、整った眉は美しさにつながります。また、眉毛アートのデザインは、個人の顔立ちに似合うよう考えられているため、メイク時に眉の仕上がりに悩むこともが少なくなり、時短にもなるでしょう。
メリット|自然な仕上がりと持続性
眉毛アートのメリットは、なんといってもその自然な仕上がりと持続性です。眉毛アートでは、一見アートメイクを施していると分からないほど自然な毛流れや、ナチュラルにメイクしたような眉を表現できます。水に濡れたり汗をかいたりしても消えない美しい眉を、1~3年ほど維持できる点も魅力です。
デメリット|考えられるリスクと副作用
大きなメリットがある眉毛アートですが、リスクもゼロではありません。アートメイクの施術により生じ得る副作用の例を以下にまとめました。
・痛みが残る
・腫れ・発疹・内出血などが生じる
・アレルギー反応が起きる
眉毛アートでは、施術による腫れや赤みが収まるまでのダウンタイムが発生しますが、通常1週間前後といわれています。ダウンタイムが長引く場合や、その他のトラブルがあるときには、速やかな医療機関の受診が必要です。症状がなかなか治まらないと傷が残ってしまう危険性もあります。
また、思うような仕上がりにならず失敗した場合、除去や修正には再度施術が必要です。さらなるコストや時間の消費につながるため、クリニックの症例を確認しながら、イメージのすり合わせを慎重に行いましょう。
眉毛アートとは|費用と持続期間を確認
続いて、眉毛アートにかかる費用や持続期間について解説します。
平均的な料金相場
眉毛アートにかかる費用は、クリニックや施術方法によってさまざまです。一般的に「2D」と呼ばれるマシンのみを使ったアートメイクは、料金が安い傾向にあります。続いて手彫りの「3D」、手彫りとマシンを組み合わせた「4D」の順に料金が高くなるのです。施術1回あたりの金額は、2Dで5~6万円前後、3D・4Dで6~7万円以上になることが多いでしょう。
持続期間と再施術の必要性
個人の持つ肌質や代謝などにより左右されますが、眉毛アートの持続期間は1~3年が目安です。1回では色素が充分に定着しにくいため、1~1.5カ月ほどの期間を空けて2~3回施術します。色素が定着した後は、色の薄くなった部分を修正する「リタッチ(再施術)」を年1回行うことで、仕上がりの維持が可能です。
保険適用の有無
眉毛アートをはじめとするアートメイクは、現在どの部位で行う場合も保険適応外です。アートメイクは、健康上の理由ではなく美容目的で施術が行われます。そのため、公的な医療保険の対象として厚生労働省から認められていません。つまり、施術は自由診療となり、利用者は費用を全額自己負担する必要があります。
眉毛アートとは|施術前に注意することはある?
ここでは、これから眉毛アートの施術を受けようと検討している方に向けて、事前にチェックしておくべき注意点を紹介します。
事前カウンセリングの重要性
一度施術をすると簡単には修正できない眉毛アート。失敗やトラブルを防ぐためには、事前のカウンセリングを充分行う必要があります。仕上がりのイメージや施術内容について、事前にしっかりすり合わせておくことが大切です。
施術者の選び方
眉毛アートの施術は、医師が在籍しているクリニックで受ける必要があります。しかし、医師の在籍していない眉毛サロンやエステサロンでも、アートメイクの施術を提供している可能性も否定できません。施設を選ぶ際は、まずは医療機関であることを前提としたうえで、施術者の技術やカウンセリングの充実度、色素の安全性などから判断してください。
準備しておくべきこと
眉毛アートの施術を受ける準備として、体調や肌の調子を整えておくことも重要です。特に、代謝を上げる行為は皮膚のターンオーバーを促し、アートメイクの質を下げかねません。施術一週間前から、激しい運動や飲酒を避けましょう。また日焼けは、肌のターンオーバーを促進するだけでなく、施術時のトラブルの原因にもつながります。施術の前後には、普段以上に紫外線から肌を守る意識を持ちましょう。
眉毛アートとは|施術後のケア方法を解説
ここからは、眉毛アート施術後のケアについて解説します。施術直後の注意点やトラブルが生じた際の対応、メンテナンス方法について見ていきましょう。
直後の注意事項
眉毛アートを施した後は、施術部位が濡れるのを防ぐ必要があります。施術した当日は洗顔を避け、翌日以降も施術部位に水がかからないよう対応してください。また、肌の負担を減らすために、直後から1週間程度は、施術部位のスキンケアやメイクも行えません。
施術後、腫れや赤みが見られる場合には、患部を冷やすと症状が落ち着きやすいでしょう。
長期的なメンテナンス方法
眉毛アートで施術した色素は数年で排出されるため、次第にアートメイクが薄くなっていきます。1年に1回を目安としたメンテナンスで、薄くなった眉毛アートを修正しましょう。アウトラインを明瞭にすることで、長期的に美しい状態を保てます。
トラブル時の対応
眉毛アートに失敗した場合、色を濃くしたり描きたしたりといった修正は可能ですが、色素の除去は容易ではありません。どうしても色素を取り除きたい場合には、レーザー治療や切除といった方法もありますが、肌への負担とコスト面から考えて、慎重に判断すべきでしょう。
眉毛アートとは|トレンドと先進技術にフォーカス
最後に、眉毛アートのトレンドと先進技術を紹介します。
トレンドの3Dや4D眉毛アートとは
眉毛アートの技法としては、手彫りで行う「3D」とさらにマシンを組み合わせた「4D」が主流です。3D眉は、毛に見立てた線を手で1本ずつ彫るため、素顔に合うリアルな毛流れを再現できます。一方4D眉は、毛流れに加えパウダーでメイクしたような印象を与える仕上がりです。また、デザインの幅が広く、利用者の希望に対応しやすい特徴があります。
自然な仕上がりを実現する新技術「ヘアストローク」にも注目
新技術「ヘアストローク」は、これまで難しいとされていたマシンによる毛流れの表現を実現可能にしました。肌への負担を抑えながら、うぶ毛まで再現できると注目されています。さらに、肌質を選ばず、自由度の高いデザインを施せるのもポイントです。
まとめ
眉毛アートは、眉に関する悩みを軽減し、自分の顔に自信を持つだけでなく、メイクの時短も叶えてくれます。より良い施術のためには、施術者はもちろん、眉毛アートを受けようとお考えの方も、事前にアートメイクについての知識を深めておくことが重要です。眉毛アートについてしっかり理解して、満足のいく仕上がりにつなげましょう。
※本記事の内容や価格はすべて、2024年9月時点のものです。
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