【仕事解説】アイブロウリストとは?仕事内容や必要なスキル、資格を徹底解説
アイブロウリストとは、お客様一人ひとりに合わせた眉毛をデザインするスペシャリストのことです。今回は、そんなアイブロウリストの仕事について詳しく見ていきましょう。また、アイブロウリストを目指す人が取るべき資格や、求められるスキルについても詳しく解説します。美容職に興味がある方やすでに美容業界で働いている方は、ぜひ仕事選びの参考にしてください。
アイブロウリストとは?
アイブロウリストとは、眉毛の形を整えてデザインするスペシャリストのことです。お客様の顔の形・悩み・なりたいイメージなどを考慮して、一人ひとりの理想に合わせたデザインの眉毛を提案します。
眉毛は顔のなかでも特に重要なパーツのため、デザインを少し変えるだけで、印象が変わったり表情が明るくなったりといった変化をもたらすでしょう。このような外見の変化はお客様に自信を与え、内面にも影響を与えます。アイブロウ専門のサロンも多く、アイブロウリストは今注目を集めている職業のひとつといえるでしょう。
アイブロウリストの具体的な仕事内容とは
アイブロウリストの具体的な仕事は、以下の通りです。
カウンセリングやデザイン提案
お客様が来店したら、施術の前にカウンセリングをします。まずは、お客様が抱える顔やメイクにおける悩みを聞き、どんな眉毛にしたいかを確認。その後、目や鼻などの顔のパーツや輪郭などに合わせ、眉毛のデザインを考えます。また、お客様の眉毛の流れや顔の形を確認し、施術の頻度などを説明。ワックスを使う場合は、メリットとデメリットを伝えた上で眉毛のデザインを提案します。
アイブロウリストがおすすめする眉毛のデザインは、お客様が希望するものと異なることもあるでしょう。なぜなら、お客様がイメージする眉が一番似合うデザインではないこともあるからです。眉毛の流れなどの癖を理解して、お客様と意見を交わしながら理想に近づけていきます。
眉毛の施術
目指す眉毛が決まったら、実際に施術がスタート。不要な毛をワックスで取り除いたり、毛抜きを用いて取りのぞく「間引き」の作業を行ったりします。間引きを行うと眉マスカラが乗りやすく、施術後のメイクがラクになるでしょう。
続いて、眉毛をハサミでカットし、長さをそろえて形を整えたら施術が完了。なお、眉毛のボリュームを増やしたい場合や左右差が気になる場合は、アイブロウエクステを使用してバランスを整えることも可能です。また、毛流れを整えたいときには眉毛パーマを、髪や肌の色に合わせて色合いを調整したいときはカラーリングをして理想の眉毛をデザインします。
アフターケアやメンテナンスアドバイス
アフターケアの注意点やアドバイスをお客様に伝えるのも、アイブロウリストの仕事です。「施術部位は約1週間重点的に保湿しましょう」「当日は熱いお風呂を避けてください」「施術部位は最低でも24時間清潔に保ち、こすらないようにしましょう」といった注意点を伝えます。
また、眉毛の左右差がある場合は、一度の施術で理想に近づかないこともあるでしょう。定期的なメンテナンスが必要だと判断した場合は、施術の頻度についても伝えます。
アイブロウリストに欠かせないスキルや資質とは
アイブロウリストは、お客様の顔の印象を左右する眉毛をデザインする仕事です。そんなアイブロウリストはどんな人が向いているのでしょうか。続いて、アイブロウリストに必要なスキルや気質について解説します。
デザイン力や色彩感覚
眉毛は顔の印象を決める重要なパーツです。そのため、眉毛をデザインするアイブロウリストは、性別、骨格、顔立ちなどに合わせたデザインができなくてはいけません。
また、肌の色や人種にも合わせる必要があるため、美的センスが問われるでしょう。
施術テクニック
アイブロウリストとして働く際は、確かな技術が求められます。また、眉毛のデザインには流行りがあるため、トレンドをおさえていなくてはいけません。そのため、手先が器用でトレンドをキャッチするアンテナがあると、アイブロウリストに向いている人だといえるでしょう。
コミュニケーション能力やカウンセリングスキル
アイブロウリストは接客業なので、人とのコミュニケーションが苦手な方には向きません。技術があっても、お客様の要望や悩みをうまく引き出せないと理想の眉毛には仕上げられないからです。アイブロウリストには、限られた時間でお客様とコミュニケーションを取って要望を引き出す、カウンセリングスキルが必要になります。
マーケティング能力
サロン経営やフリーランスのアイブロウリストを目指すなら、マーケティング能力も欠かせません。どれだけ良いサービスを提供できるかをSNSなどを通して発信し、集客するスキルが求められるでしょう。
アイブロウリストを目指す人に必要な免許や資格とは
アイブロウリストを目指す人は、以下の免許、資格を取得することがおすすめです。
美容師免許
アイブロウリストは、美容師免許なしではなれません。美容師免許があると、髪のカットやパーマ、メイク、カラー、マツエク、ラッシュリフトなどの施術が可能に。そのため、美容系の職業に就きたいと考えている人は、まず美容師免許取得を目指すと良いでしょう。
なお、美容師免許は厚生労働大臣または都道府県知事が指定した美容師養成施設の課程を卒業していないと取得できません。美容師養成施設の課程を修了し、毎年春と秋に実施される「美容師国家試験」に合格すると、晴れて美容師免許取得となります。
アイブロウリスト専門の民間資格
アイブロウリストにおすすめの民間資格は以下の3つです。なお、いずれも必須ではありませんが、より高い知識や技術を身に付けるために勉強して損はありません。
アイブロウマイスター
一般社団法人ジャパンブロウアーティスト協会が認定している資格です。テキストを購入して自宅学習が可能なので、アイブロウリストを独学で目指す美容学生や、すでに美容師として働いている人も勉強しやすい資格といえるでしょう。眉毛の役割や基本の形、描き方などの幅広い知識を身に付けられます。また、試験はオンライン上で好きな時間に受けられるのも魅力です。
ブロウティスト®検定試験
JAPAN BROWTIST SCHOOLが主催するアイブロウリストの検定。美容師免許を持っている人のみが受験可能です。眉毛のプロとして活躍するため、技術の向上と知識を得てさらなる高みを目指します。レベルに合わせた5つのランクがあり、上から3つ目の★★★(スリースター)を取得した人は「ブロウティスト」として名乗れます。
アイブロウリストの活躍の場と年収とは
アイブロウリストが働く場所は、どのような種類があるのでしょうか。ここからは、アイブロウリストが働く場所や活躍する機会と、年収についてご紹介します。
美容サロンやアイブロウ専門店での勤務
眉毛の手入れを重視する方は年々増えており、アイブロウリストの活躍の場が広がっています。アイブロウリストが働く美容サロンは、主に以下の通りです。
アイブロウ専門店
眉毛の施術を専門に行うサロンのことです。アイブロウ専門サロンは施術の種類が豊富なので、技術を向上させたい方に向いています。また、未経験のアイブロウリストが働く場合も、アイブロウ専門店がおすすめだといえるでしょう。なぜなら、アイブロウ専門店は研修制度が充実していることが多く、施術経験が少ないアイブロウリストが実績を積むのにぴったりな環境だからです。
アイラッシュサロン
マツエクやラッシュリフトの施術などを行う、アイラッシュサロンで働くという方法もあります。アイラッシュサロンは、眉毛だけではなく目元全体の施術が可能です。アイラッシュサロンで働くと、マツエクやラッシュリフトの施術に関する知識も身につけられるので、目元のスペシャリストになりたい方におすすめだといえるでしょう。
美容院に併設されたサロン
美容院によっては、髪のカットやカラー以外にも、ネイルサロンやエステサロンを併設している場合があります。美容室で整えた髪型に合わせて眉毛のデザインが可能に。また、アイブロウリストは美容師免許が必須なので、カットやカラーもしながら眉毛の施術が可能です。一人のお客様を総合的にきれいにしたい方や、職種にとらわれずいろいろな技術を身につけたい方にぴったりな働き方です。
フリーランスとしての活動
アイブロウリストとして経験を重ね、一通りの施術ができるようになったらフリーランスとして働く道も。フリーランスとして開業するには、サロンの設備やテナント料といった資金面のハードルが高いことがあるでしょう。まずは、シェアサロンなどを利用して開業し、ゆくゆくは店舗を持つというのも選択のひとつです。
平均年収と収入アップの方法
アイブロウリストの年収は、経験年数によって異なります。厚生労働省がまとめた令和5年度賃金構造基本統計調査によると、「美容サービス・浴場従事者」の経験年数ごとの給与額は以下の通りです。
美容サービス・浴場従事者には、アイブロウリストやネイリスト、エステティシャンなどが含まれています。なお、データに美容師は含まれていないため、美容院に併設されたサロンで働く場合は異なる可能性があるので注意してください。
経験年数 |
所定内給与額(千円) |
年間賞与その他特別給与額(千円) |
0年 |
224.9 |
5.8 |
1~4年 |
233.7 |
169.3 |
5~9年 |
247.0 |
148.8 |
10~14年 |
259.1 |
139.0 |
15年~ |
285.4 |
304.3 |
また、経験豊富なアイブロウリストは指名が増え、指名料などのインセンティブがもらえることも珍しくありません。収入をアップさせるには高い技術を身に付ける必要があるでしょう。
アイブロウリストとしてのキャリアアップの方法とは
アイブロウリストとしてのキャリアアップには、以下の方法があります。
技術向上やトレンド把握
お伝えしているように、一人ひとり違う肌の色・骨格・性別・顔立ちなどに合わせた眉毛をデザインするには、高い技術力が欠かせません。また、眉毛には流行があるため、トレンドに敏感になる必要もあるでしょう。常に学び続け、サービスの質を上げることが、アイブロウリストとしてのキャリアアップには必要です。
講師としての活動
経験を重ねたアイブロウリストのセカンドキャリアとして、眉毛の講師になるのも選択のひとつです。新たにアイブロウリストを目指す人に向けて講師という立場で教えることで、初めて学べることもあるでしょう。
まとめ
アイブロウリストとは、顔の印象を決める重要なパーツである眉毛をデザインするプロフェッショナル。より良いサービスを提供するためには、常に勉強が欠かせません。また、アイブロウリストはお客様の顔に直接触れるため、美容師資格が必須となり大変だと感じることもあるでしょう。しかし、お客様の悩みを解消し自信をもたらすことで、外見だけではなく内面も輝かせられるやりがいがある仕事です。アイブロウリストは、お客様の眉毛を整えて笑顔にしたい人におすすめの職業といえるでしょう。
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