部分オフだけじゃダメ?「全オフ」は何回かに一回したほうが良いの?

この記事をシェアする
サムネイル

「全オフと部分オフ、どちらが正しい?」これは、多くのアイリストの中で正解がはっきりと定まらない問題でしょう。過去のBeautéでは、「全オフのみ、部分オフのみではなく2つの方法を組み合わせる方法」を推奨してきました。今回はこの方法をさらに具体的に解明。部分オフを何回繰り返したら全オフを挟むのか、そのタイミングは何を見て判断したらいいのでしょうか?

毎回「全オフ」をおすすめしない理由とは?

これまでのBeautéでも度々お伝えしてきた、部分オフ全オフ。アイリストであれば、これら2つの方法の違いをしっかりと理解しておかなくてはなりません。

みなさんもご存知の通り、全オフと部分オフにはそれぞれメリット・デメリットがあります。まずは、こちらの過去記事を参考にしながら簡単におさらいしておきましょう。

部分オフとは、その名の通り「前回のデザインを一部だけ残してオフする方法」。サロンによってはリムーバーを使用せずとれかけのマツエクのみを弾いてオフするケースもあります。リムーバーを使用する部分オフでも、負担がかかる自まつげの範囲を最小限に抑えられる上に、施術時間も短縮できるというメリットがあります。ただ、デザインの変更がききにくいため、お客様の要望を叶えてあげるためにはアイリストのスキルが試されることになるでしょう。
一方、全オフとは「前回のマツエクを全て落としきる方法」。前回のマツエクを気にすることなくデザインを一から作ることができるため、仕上がりを美しく整えやすく、持続性を高めることができます。ただ、施術時間の長さやリムーバーが自まつげに与える負担の大きさがデメリットとなるのも事実。サロンによっては仕上がりを優先させて全オフしかしていないところもありますが、まつげが弱いお客様にとってはダメージがかかりすぎてしまうこともあります。

このように、全オフと部分オフは一長一短。果たして、どちらの方法が最適なのでしょうか?

ここで考えたいのが、先ほどのメリット・デメリットの中で何を一番重視すべきかということ。サロンによって、その考え方はさまざまですよね。ただ、これまでのBeautéでは「お客様の自まつげが健康な状態」がマツエクを楽しむための大前提であること、長くお客様に信頼されるアイリストは”自まつげマネジメント”スキルが必要となることをお伝えしてきました。つまり、どのようにオフするのかも、お客様の自まつげの状態を見ながら見極めなくてはならないということです。

このように考えると、毎回全オフすることはリムーバーによる自まつげへの負担が大きくなるため、あまりおすすめの方法とはいえないでしょう。とはいえ、部分オフばかりではグルーに雑菌が繁殖しやすくなり、かえって自まつげの健康状態を悪化させてしまうことにもなりかねません。仕上がりの美しさやモチの良さ、施術時間の短縮化ももちろんアイリストとして考えなくてはならないことではありますが、お客様の自まつげが弱った状態では施術そのものが難しくなることもありますよね。

ベストなのは、これまでのBeautéでもお伝えしてきた通り、部分オフと全オフを上手に組み合わせていく方法。今回は、このことについてさらに詳しく掘り下げていきますね。

具体的には何ヶ月に1度がおすすめ?

「全オフと部分オフを上手に組み合わせる」というのが、お客様の自まつげをダメージや雑菌から守りつつ、質の高いマツエクを提供するためにはベストな方法。このことについて、Beauté読者の方から、次のような質問をいただきました。

「私のサロンではあまり全オフを推奨していませんが、部分オフだと難しい場合のみ全オフを行なっています。ただ、その判断基準がアイリストによってバラバラのため新人のうちは適切な判断が難しいようです。全オフは何ヶ月に1回のペースが適切なのでしょうか?」

アイリストの中には、「3ヶ月に1回ペースで全オフするのが目安」だと聞いたことのある人もいるかもしれません。これは、平均的な毛周期が3ヶ月程度であることからそういわれています。しかし、それはあくまで目安でしかありません。お客様によって、マツエクや自まつげの状態はさまざま。そのため、その方に合わせた全オフのタイミングが必ずあるはずなのです。

全オフが必要となる条件は、

  • 残ったエクステをそのままにしていては美しく仕上げられそうにない
  • デザインを大幅に変更したい
  • メイク汚れや皮脂汚れがかなりある
  • 毛周期によるばらつきがかなり目立つ
  • 自まつげが健康でダメージが少ない

など。これらの条件に当てはまるときは、3ヶ月以内であっても全オフすべきです。一方で、ダメージがかなりひどい方の場合には、3ヶ月を経過していても部分オフで対応しなくてはならないこともあるでしょう。ただその際には、アイシャンプーやクレンジングで汚れを残さないようにアドバイスしてあげることが必要です。

結論としては、全オフを行うタイミングを「〇ヶ月に1回」と一概に決めることはできないということ。サロンでその基準をそろえたいがためにマニュアル化するのではなく、お客様に合わせたペースを見極めることが重要なのです。

ペースの見極めは一度では難しい?

全オフのタイミングを正しく見極めることは、アイリストにとってとても大切なスキル。ただ、瞬時に判断することはベテランアイリストであっても難しいでしょう。適切な判断をするためには、お客様に何度がご来店いただく中で自まつげやマツエクの状態の変化を見ていく必要があります。

具体的には、

  • 自まつげのダメージ具合や毛質
  • 毛周期による生え変わりのタイミング
  • マツエクが取れやすいかどうか(生活習慣やクセ)

を見ながらご提案していくことが理想。自まつげの状態はお客様本人では気づけないことが多いため、アイリストからしっかりとお伝えしてあげた方が安心感にもつながります。

また、全オフすることで施術時間はもちろん、施術料金が高くなるサロンも多いです。みなさんのサロンや周辺サロンの中にも、全オフのときのみ料金をいただくようにしているところもあるのではないでしょうか。部分オフを想定して来店したら全オフを提案され、結果的に施術時間が長くなったり、価格が高くなったりするのはお客様にとって喜ばしいことではないはず。そのため、全オフが必要となった際には、「自まつげが弱ってきているため」「仕上がりをより美しくするため」「衛生面でのリスクを減らすため」など、お客様にメリットの多い理由を添えることが大切です。

さらに、今後の全オフと部分オフのスケジュールについて、お客様にもしっかりと説明してあげるとより丁寧ですね。今後のオフの予定が事前に想定できれば、「次は全オフしてもらうから、いつもと違うデザインにしてもらおうかな」「次は部分オフしてもらうから、いつもよりケアに気をつけなきゃ!」といったように、お客様の中でも調整しやすいかもしれません。このような対応も、信頼されるアイリストに必要な”自まつげマネジメント”のひとつといえるのではないでしょうか。

まとめ

全オフと部分オフのどちらが適切かどうかは、お客様の自まつげやマツエクの状態を見るまでは判断することはできません。アイリストとしての観察力、提案力が試される重要な部分でもあるため、Beautéでも度々取り上げてきました。「いつもより自まつげが汚れている」「マツエクのばらつきがひどい」など気になる部分が見られたら、それは前回のオフの仕方に原因があるかもしれません。施術中はエクステ装着だけでなく、オフにもスキルアップの可能性があることを改めて考えてみましょう。

この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

190121Esa

この記事をシェアする