「気づけばまつげボロボロ…」を避けよう!つけてはいけない自まつげ選定
『できる限り、たくさんマツエクをつけたい』といったニーズの多い近年。要望に応えようとした結果、毛周期を無視して施術していませんか?施術後すぐはボリュームを感じられるため、満足されるお客様も多いでしょう。しかし場合によっては、自まつげごとすぐに抜けてしまうリスクがあるのです。マツエクを長持ちさせる秘訣は、きちんと自まつげを選定すること。今回は、避けるべき毛の見極め方と自まつげ選定のポイントをご紹介します。
必見!毛周期、段階別のまつげの状態
大切な目を保護してくれている、まつげ。髪の毛と同じく、一定の期間で生え変わります。まつげの成長サイクルは、大きく分けて4段階。まずはそれぞれの段階について、まつげの状態とともにご紹介しましょう。
成長初期
第1の成長段階です。皮膚の中で成長をはじめ、しばらくするとまぶたの外まで伸びていきます。この時期のまつげはまだ産毛。細く、コシのない質感です。
成長後期
成長が活発化する段階。少しずつ太さが増し、長く伸びていきます。まつげ美容液の効果が見られやすいでしょう。まつげの成長は、午後10時~午前2時の間に活発化すると言われています。この時間にしっかり睡眠をとることで、より健康なまつげの成長を期待できるようです。
退行期
まつげの成長が停止します。毛の成長を促す、毛母細胞が消滅するためです。しかし、成長が停止した後すぐに抜けるわけではありません。太く、そして長く成長した状態の退行期のまつげ。しばらくそのままの状態で、目を保護する役割を担います。マツエクは、この時期につけると良いでしょう。
休止期
少しずつ抜け落ち、新しい毛へ生え変わる準備を行う段階です。この時期にマツエクをつけても、すぐ抜けてしまいます。
1日に抜け落ちるまつげの平均本数は4~5本。およそ3~6ヶ月で生え変わると言われています。
避けるべき、成長初期の産毛の見極め方
毛周期の第1段階、成長初期はマツエク装着を避けた方がいい時期。毛自体がまだ弱いため、自まつげごと抜け落ちてしまいます。また、産毛の段階でマツエクをつけると、毛の成長も妨げてしまいます。
一方、成長後期~退行期のまつげは太さが増し、マツエクに最適な時期。比較的長く、ボリュームを保てるでしょう。では、マツエクに向かない産毛は、どのように見極めると良いのでしょうか?ポイントは2つあります。
「長さ」を見る
生え始めたばかりの毛は短めです。日本人のまつげの長さは、およそ6.8mmが平均的。産毛はその半分以下の長さだと考えておきましょう。
「毛質」を見る
成長しきった健康なまつげは、太さとコシがあります。一方産毛は、赤ちゃんの毛質に近いふわふわとした質感。1本1本の毛が細く、やわらかいという特徴があります。
自まつげ選定をして長持ちエクステを目指そう
アイリストにとって、自まつげ選定は身につけておかなければならない技術。しかし、中にはまだ不安を感じている人も多いでしょう。特に産毛は、施術中グルーに絡みつきやすい毛質です。1mm以下の産毛を見落とした経験がある人も多いのでは?1本のまつげを独立させたら、しっかりと時間をかけて確認することが大切です。ライトをさまざまな角度から当てながら、見落としを防ぎましょう。
意識するべきは産毛だけではありません。休止期のまつげにも気をつけましょう。マツエクをつけても、毛周期上すぐに抜ける可能性があるためです。これを「自然脱毛」と呼びます。お客様としては、「せっかく時間をかけてマツエクをつけたけれど、すぐに取れてしまった」と不満が残るでしょう。一度信頼を失ってしまうと、大切なお客様も離れていってしまいます。リピーターになっていただくためにも、きちんと毛周期を見極める力が必要です。
見極めが難しい休止期、判断のポイントは?
しかし、産毛と違って、見た目での判断が難しい休止期のまつげ。対処法に悩んでいる人もいますよね。実は、お客様の毛周期の状態を、簡単に判断する方法があります。みなさんが施術前に必ず行っている、お客様の目の洗浄。そのとき、コットンに残る毛が休止期のまつげです。もし片目で5本以上抜けている場合は、生え変わりの時期に入っていると判断できます。つまり、マツエクを装着しても、近いうちに自然脱毛する可能性が高いということです。
ここからが、アイリストとして重要な部分です。まつげの状態を、お客様に分かりやすく説明しましょう。施術後すぐにマツエクが取れたお客様は、「なぜすぐに抜けたのか?」と疑問に感じます。理由が分からないと、アイリストに対する不信感へとつながるかもしれません。事前に状況をお伝えしておくことで、施術後すぐに抜けたときの不安も緩和できるでしょう。
まとめ
毛周期を理解し、丁寧に自まつげを見極める技術。そのすべては、お客様からの信頼へとつながっています。お客様から「なるべく沢山つけてほしい」と言われても、状況によってはお断りする勇気を持ちましょう。プロだからこそ、その場しのぎではなく、次へつながる施術を行っていきたいですね。