小さな子供がいても働ける?働くママアイリストの1日のスケジュールとは
ボーテ読者の方から、切実なお悩みが寄せられました。
「現在妊娠中のアイリストです。私の周囲には、ママの立場で働いているアイリストがいません。産後に復帰した際、どんなスケジュールで働くことになるのか…、家のことはできるのか…、悩みが尽きず、復職 するイメージが湧かないです。」
せっかく技術を身につけたのだから、ママになってもアイリストの仕事を続けていきたいですよね。諦めないでください!ボーテが、ママになっても働き続ける方法をお答えします。
増えるママアイリスト
アイリストは、美容師と比較すると、断然女性が多い職種です。そのため、どこかのタイミングで、妊娠や出産を経験するスタッフも少なくありません。せっかく習得した技術を生かすべく、産後も子育てとの両立を目指すアイリストは多いもの。また、子育て期間中にアイリストを目指す女性も、増加傾向にあります。一般企業では、企業内保育園を設立する企業も増える中、アイリストたちが活躍するマツエク業界は、ママさんアイリストの雇用に積極的なのでしょうか?
短時間勤務での受け入れをしているサロンが多い
独身や子どもがいないアイリストに比べ、ママアイリストたちは、自分だけのスケジュールで動きにくいもの。産後にアイリストとして仕事をする場合は、自分が仕事をする時間だけでなく、保育園や幼稚園への送り迎え、子どもを寝かしつける時間なども考える必要が出てきます。当然、フルタイムの正社員よりも勤務時間が短くなるため、生産性が下がる可能性もあるのです。しかしながら、産休からの復帰を目指すスタッフや、ママになってからアイリストを目指す女性が多いのも事実。そんなママアイリストたちを受け入れるべく、マツエク業界でもさまざまな工夫をこらしながら、ママたちが働きやすい環境を整える流れが起き始めています。
複数店舗を持つサロンではママさんアイリストを散らして採用
ママさんアイリストたちにとって、広く間口を設けているのが、複数店舗を経営しているような大型マツエクサロン。時短で働きたい人たちを、1つの店舗に固めてしまうと、サロン全体がうまくまわらなくなってしまいます。しかし、複数店舗に散りばめて採用すれば、サロンの運営に支障が出る心配もありません。また新たに産休を取得するスタッフや、復帰をしたいというスタッフが出てきても、社内での配置転換が可能。そのため大型サロンは、比較的ママさんスタッフを採用することへのハードルが低いと言えるのです。
社内保育園などを設けるサロンも
一般企業に増えている“企業内保育園”ですが、マツエク業界でも、アイリストとして働くスタッフ向けの保育園を設立するサロンが増えてきています。アイリストとして働くには、ママさんアイリストを採用するサロンだけでなく、子どもを預かってくれる保育園も同時に探さなければいけません。
企業内保育園や、提携保育園などを持っているサロンがあれば、保育園探しの問題は採用と同時に解決。アイリスト向けの保育園を持っているサロンは、ママさんアイリストたちへも理解のあるところがほとんどなので、それ以外のサロンよりも断然働きやすいと言えます。
保育園問題にぶち当たるママさんアイリストがいるのも事実
就業時間に工夫を凝らして、ママさんアイリストたちを受け入れようとするサロンや、企業内保育園でアイリストの子どもを預かるなどするサロンも、増えているのは事実です。しかし一方で、一般の保育園へ入園するためのハードルは、今もなお高いまま。一度離職してしまうと、保育園合格は厳しいというのが、今の日本の現実なのです。
その事実を知らないまま、妊娠後つわりに苦しんで、そのまま一旦退職してしまうアイリストも、少なくありません。今まで積み上げてきたキャリアがあっても、それが一度断絶してしまうと、保育園探しの難易度は一気にアップ。産後に復職しようとしても、保育園の空きがないため、フルタイムで働きたくても働けないという現実があることも、知っておいてほしい事実です。結果、子どもが学校へ行く年齢になるまで働くことができなかったというアイリストも、存在しています。
だからこそ、企業内保育園を設けているようなサロンは人気が高いもの。ママさんアイリストとして働くスタッフにとっても、すごくありがたいシステムです。
妊娠して間もない方や、子どもが産まれてからどのように働こうか迷っている方は、この事実を頭に入れて、今後の働き方に活かしてみてください。
自宅サロンで時間に融通をきかせながら働く人も
アイリストという職業は、美容師などと比べても、比較的自宅開業のしやすい業種だと言えます。自宅サロンを開業すれば、時間の融通もききやすくなるため、子どもの送り迎えにバタバタしたり、参観日などに休みが取れるかどうかの心配をする必要もなくなるもの。サロンに勤めるよりも、仕事がしやすいと言えます。
しかし一方で、自分に代わるスタッフがいないのも、自宅サロンならではのポイント。子どもの体調不良時などは、自分ひとりでなんとかしなければいけません。せっかくご予約をいただいたお客様へ、アイリスト側からキャンセルのお願いをしなければいけないときも、あることでしょう。
子どもとの生活と両立しやすいのが、自宅サロン開業の魅力ではありますが、お客様といかに信頼関係を結べるかも、サロンで勤務する以上に重要なポイントとなってきます。
働くママの1日のスケジュール例
ママさんアイリストたちは、どのようなスケジュールで1日を過ごしているのでしょうか。現役のママさんアイリストたちから、1日の行動スケジュールについてヒアリングしてみました。
一般の保育園に子どもを預けているアイリスト
ママさんアイリストの中で多数派なのが、一般の保育園に子どもを預けてから出勤するスタイル。企業内保育園を持たないサロンで勤務する場合は、このスタイルが主流となります。
サロンへ出勤する前に、子どもを保育園に送るというタスクが追加されるため、逆算して朝も早めに起床しているようです。アイリストとしてお客様の前に立つ以上、自分の身なりも美しく整えておかなければいけません。そのためには、自分の身支度にもある程度時間がほしいものです。しかし、子どもを起こして朝ごはんを食べさせて準備をさせて…と、自分以外に使う時間のウエイトも大きいため、出勤するまではかなりバタバタするとのこと。
とはいえ、一般の保育園へ子どもを預けることができれば、ある程度サロンでの勤務時間も確保されるため、比較的しっかりと仕事ができるものです。17時頃までに退勤することができれば、仕事の時間と子どもとの時間のバランスを保つこともできます。
子どもがいながらもアイリストとして働いている人たちは、大半がこのリズムで仕事と子育てを両立しているのです。
子どもを企業内保育園へ預けているアイリスト
ママさんアイリストの理想とも言えるのが、企業内保育園を持つサロンへの勤務ではないでしょうか。企業内保育園は、サロンのすぐ近くに設けているところも多く、送り迎えの負担が少ないというメリットがあります。同じ場所へ出勤し、同じ場所から家へ帰ることができるので、時間の余裕が生まれるのも、ママさんアイリストにとってはうれしいポイントです。1日のスケジュールを見ても、保育園到着から仕事開始までの時間が短くなっています。
しかし、兄弟が幼稚園や小学校などに通っている場合は、結局お迎えへ行かないといけないことになってしまうもの。企業内保育園を持つサロンでの勤務は、子どもが1人の場合に、その恩恵を受けやすくなります。兄弟がいる場合は上の子のことも考えないといけないため、企業内保育園があっても、短時間勤務を希望する人も少なくありません。
保育園への見送りを家族にお願いできるアイリスト
少数派の意見も、ピックアップしてみました。
子どもの送り迎えなどを、ママが負担している家庭は多いもの。そんな中、ご主人が子どもの送り迎えを担当している家庭も、少なからず存在しています。今回ご紹介するのは、ご主人が保育園へ、子どもを送ってくれているアイリストのスケジュール。
ご主人が子どもを保育園へ送って行ってくれるので、仕事のスタート時間は早めになっています。お迎えはママさんアイリスト自身が行なっているため、早めに仕事を切り上げて、その足で保育園へ。家族と協力しあえる環境がある場合は、勤務開始時間を繰り上げて、早上がりをするなど、仕事をする時間も工夫しやすくなります。
一日の平均入客数は?
時短勤務をしたり、パートとして働いたりと、工夫をしながら子どもがいながら働く環境を生み出している、ママさんアイリストたち。現役で頑張り続けているママさんアイリストたちは、一日でどれくらいのお客様を担当しているのでしょうか?
1日のスケジュール例と同じく、ママさんアイリストたちにヒアリングしてみました。
アイリストの歴や勤務時間によって差が生じる
勤務時間や、勤務体系もさまざまなママさんアイリストたち。平均入客数についても一概には言えませんが、それでもだいたい1日でどれくらいのお客様を担当しているのか、気になるものです。
今回ヒアリングを行なった、ママさんアイリストたちの一日平均入客数は、5人程度。少ない人で1日3~4人、多い人でも1日6人ほどを担当しているとのことでした。一般的なアイリストたちでも、一日で平均5~6名を施術する人が多いので、ママさんアイリストだからといって、極端に入客数が落ちるということではありません。
まとめ
ママになっても、自分の人生は輝かせたいもの。ママがイキイキと働いている姿を見るのは、子どもにとってもうれしいことです。ママの立場になったことで、アイリストという職業を諦めなければならないのかと落ち込んでいるかたがいれば、ぜひボーテの記事を参考にしていただきたいと思います。180913Eue